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障害福祉の記録|サービス提供記録と実績記録票の保管期間(5年)・全サービスの様式一覧・条文で整理

公開: 2026年7月24日更新: 2026年10月7日
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即答:記録の保管期間は「提供した日から5年間」。サービスの提供の記録・個別支援計画・市町村への通知・身体拘束・苦情・事故の記録は、指定基準省令第75条(各サービスで準用)により提供した日から5年間保存します1。サービス提供実績記録票は請求書類で、事務処理要領に保存期間の明文はありません。実績記録票はサービス提供の記録と同じ事実を日ごとに記載する書類なので、実務ではサービス提供の記録と同じく5年間保存し、指定権者の指導基準に合わせるのが安全です2。様式はサービスごとに決まっています(就労移行支援 様式16、就労継続支援A型・B型 様式17、就労定着支援 様式22、就労選択支援 様式23 など。全サービスの様式一覧)3。

障害福祉の「記録」は2種類ある#

事業所が残す記録には、性格のまったく違う2種類があります。運営指導で問われるのは前者、報酬請求で必要なのは後者です。両者を混同すると「請求はできているのに運営指導で指摘される」という状態になります。

サービスの提供の記録サービス提供実績記録票
根拠指定基準省令(運営基準)第19条請求命令附則第2条第2項(事務処理要領で様式を規定)
目的支援を提供した事実と内容を残す報酬請求の内容の詳細を明らかにする
作成の単位サービス提供の都度利用者1人につき1月に1件
利用者の関与提供したことについて確認を受ける必要がある—
提出先提出しない(事業所で保存)明細書に添付して提出
保存提供した日から5年間同左

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サービスの提供の記録(運営基準上の義務)#

指定基準省令は、サービスを提供した際に提供日・内容その他必要な事項を、提供の都度記録しなければならないと定めています。さらに、記録に際しては利用者から「提供したこと」について確認を受けなければならないとされています4。

ポイントは「都度」です。月末にまとめて作成する運用は条文の求めるところではありません。

就労系サービスへの適用#

この規定は居宅介護について定められたものですが、就労系の各サービスに準用されています5。

サービス準用の根拠
就労移行支援第184条(第19条を準用)
就労継続支援A型第197条(第19条を準用)
就労継続支援B型第202条(第19条を準用)
就労選択支援第173条の9(第9条から第20条までを準用)
就労定着支援第206条の12(第9条から第23条までを準用)

記録の確認欄(捺印欄)は誰が押すのか#

記録ソフトの印刷様式には「捺印」「確認印」といった欄が置かれていることがあり、誰の印を押すのか迷いやすい箇所です。条文から整理すると次のようになります。

論点条文上の整理
確認を受ける相手支給決定障害者等(支援を受ける利用者の側)4
職員の押印条文は求めていない。記録として必要なのは提供日・内容その他必要な事項4
確認の方法条文は「確認を受ける」とだけ定め、押印には限定していない。解釈通知も方法を指定していない46
電子記録記録の作成・保存は書面に代えて電磁的記録で行える7

第19条第2項は「支給決定障害者等から、提供したことについて確認を受けなければならない」と定めています4。確認の主体は利用者側であり、就労継続支援B型でも第202条の準用によって同じ規定が適用されます5。したがって、印刷様式の「捺印」欄は利用者側の確認のための欄として扱うのが条文に沿った運用です。記録した職員については記録者名が分かれば足り、条文が職員の押印を求めているわけではありません。

また、条文は確認の方法を定めていません。解釈通知も、第2項は「サービスの提供に係る適切な手続を確保する観点から、利用者の確認を得なければならないこととしたもの」と説明するにとどまり、押印や署名といった方法には触れていません6。押印でなければならないとは書かれておらず、署名など押印以外の方法も条文上は妨げられていません。記録そのものについても、指定基準省令は書面に代えて電磁的記録により作成・保存できると定めており、第19条の記録は電磁的記録が認められない規定として除外されていません7。

ただし、運営指導で用いられる確認様式や記入方法は指定権者ごとに運用差があります。押印と署名のどちらで確認を受けるかは、所管の自治体が示す様式や指導基準に合わせて事業所の運用を決めてください。


5年間保存が必要な記録の6分類#

「記録の整備」の規定は、保存すべき記録を6つに列挙しています。実務では、このリストがそのまま運営指導のチェックリストになります1。

#記録根拠となる規定
1個別支援計画第58条第1項(就労系では「就労継続支援B型計画」等に読替)
2サービスの提供の記録第19条第1項
3市町村への通知に係る記録第88条(B型では第202条の読替による)
4身体拘束等の記録第35条の2第2項
5苦情の内容等の記録第39条第2項
6事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録第40条第2項

保存期間の起算点は「提供した日」#

条文は「当該サービスを提供した日から五年間保存しなければならない」と定めています1。契約の終了日や「完結の日」ではありません。起算点を取り違えると、まだ保存義務のある記録を廃棄してしまうおそれがあります。

従業者・設備・備品・会計の記録も対象#

上記6分類とは別に、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておく義務があります(第75条第1項)1。こちらには年限の定めが置かれていません。

サービスによる違い#

サービス記録の整備の根拠備考
就労移行支援・A型・B型第75条を準用(第184条/第197条/第202条)6分類すべて
就労選択支援第75条を準用(第173条の9)。ただし第2項第1号を除く5個別支援計画の記録が対象外
就労定着支援第206条の11(独自の規定)①提供した記録②就労定着支援計画③市町村への通知④苦情⑤事故 の5分類8

6分類それぞれの中身#

市町村への通知に係る記録#

次のいずれかに当たる場合、遅滞なく、意見を付して市町村に通知しなければなりません9。

  • 正当な理由なしにサービスの利用に関する指示に従わないことにより、障害の状態等を悪化させたと認められるとき
  • 偽りその他不正な行為によって介護給付費又は特例介護給付費を受け、又は受けようとしたとき

身体拘束等の記録#

緊急やむを得ない場合を除き身体拘束等は禁止です。やむを得ず行う場合は、態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録します10。

あわせて適正化のための3措置が義務づけられています10。

  1. 適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、結果を従業者に周知徹底(テレビ電話装置等の活用可)
  2. 適正化のための指針を整備
  3. 従業者に対する適正化のための研修を定期的に実施

苦情の内容等の記録#

苦情に迅速かつ適切に対応するため、窓口を設置する等の必要な措置を講じ、苦情を受け付けた場合はその内容等を記録します11。

さらに、市町村・都道府県知事等が行う報告命令・質問・検査・調査に応じて協力し、指導又は助言を受けた場合はそれに従って必要な改善を行い、求めがあれば改善内容を報告する義務があります。社会福祉法上の運営適正化委員会が行う調査・あっせんにもできる限り協力します11。

事故の状況及び処置の記録#

事故が発生した場合は、都道府県、市町村、利用者の家族等に連絡するとともに必要な措置を講じ、事故の状況と採った処置を記録します。賠償すべき事故が発生した場合は損害賠償を速やかに行う必要があります12。


サービス提供実績記録票(請求書類)#

実績記録票は、明細書を市町村に提出する際に添付する「提供した障害福祉サービスの内容の詳細を明らかにすることができる資料」として定められたものです2。

作成の3つのルール#

事務処理要領は、実績記録票の作成について次の3点を定めています2。

  1. 一事業所(事業所番号単位)の利用者1人につき、1月に1件作成する
  2. 1枚の実績記入欄に記入しきれない場合は、何枚中の何枚目であるかを所定欄に記載して複数枚に分ける。この際、2枚目以降は受給者証番号・事業所番号以外の記載を省略して差し支えない
  3. 1人の利用者について同一月分・同一様式の実績記録票を、2件に分けて作成することはできない(上記2の場合を除く)

就労系の様式#

サービス実績記録票の様式
就労選択支援様式23
就労移行支援様式16
就労継続支援(A型・B型)様式17
就労定着支援様式22

出典3。なお療養介護については実績記録票の提出は要しないとされていますが、この場合も診療録等により運営基準に定めるサービス提供の実績を記録し、保管する必要があります3。

⚠️ 様式23は就労選択支援と自立生活援助の両方に割り当てられています(誤記ではなく原典どおり)。要領本体でも「(13)就労選択支援提供実績記録票(様式23)」「(17)自立生活援助提供実績記録票(様式23)」と別々に掲載されているため、様式を取り違えないよう、サービス名で確認してください13。

全サービスの実績記録票の様式一覧#

事務処理要領が定める実績記録票の様式は次のとおりです3。

給付サービス様式
介護給付費居宅介護様式1
介護給付費重度訪問介護様式3-1
介護給付費同行援護様式19
介護給付費行動援護様式2
介護給付費重度障害者等包括支援様式4
介護給付費短期入所様式6
介護給付費生活介護様式7
介護給付費施設入所支援様式9
介護給付費療養介護提出不要(診療録等で実績を記録・保管)
訓練等給付費自立訓練(機能訓練)様式13
訓練等給付費自立訓練(生活訓練)様式14
訓練等給付費宿泊型自立訓練様式15
訓練等給付費就労選択支援様式23
訓練等給付費就労移行支援様式16
訓練等給付費就労継続支援(A型・B型)様式17
訓練等給付費就労定着支援様式22
訓練等給付費自立生活援助様式23
訓練等給付費共同生活援助様式18-1、様式18-2
地域相談支援地域移行支援様式20
地域相談支援地域定着支援様式21

請求時に提出する書類#

介護給付費・訓練等給付費等を請求する事業者が提出する書類は次のとおりです14。

書類
介護給付費・訓練等給付費等請求書(命令様式第一)
介護給付費・訓練等給付費等明細書(命令様式第二)
訓練等給付費等明細書(命令様式第三)
地域相談支援給付費明細書(命令様式第五)
サービス提供実績記録票

利用者が利用者負担上限額管理の対象者である場合は、請求明細書に実績記録票と利用者負担上限額管理結果票の両方を添付します。


運営指導で見られるポイント#

記録は運営指導・監査で最初に確認される対象です。次の点は条文から直接導かれるため、指摘されると反論が難しい部分です。

論点条文上の要求
記録の作成時点提供の都度(月末一括ではない)4
利用者の確認支給決定障害者等から提供したことについて確認を受ける。方法は押印に限定されない4
保存期間の起算点提供した日から5年間1
苦情の記録苦情がゼロでも窓口設置等の措置は必要11
事故の記録連絡・必要な措置に加えて状況と処置の記録12
身体拘束の記録態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由まで10

よくある質問#

Q. サービス提供実績記録票を残しておけば、サービスの提供の記録は不要ですか?#

不要にはなりません。実績記録票は請求のために提供日や算定回数の実績を示す書類であり、運営基準が求める「提供日、内容その他必要な事項」の記録とは目的も内容も異なります42。両方が必要です。

Q. サービス提供記録の「捺印」欄は誰が押しますか?押印は必須ですか?#

条文が求めているのは、支給決定障害者等(利用者側)から、提供したことについて確認を受けることです4。就労継続支援B型でも第202条の準用により同じ規定が適用されます5。したがって、印刷様式の捺印欄は利用者側の確認欄として扱います。職員の押印は条文上の要件ではなく、記録者名が分かれば足ります。確認の方法も「確認を受ける」としか定められておらず、押印には限定されていません6。ただし、押印か署名かといった具体的な様式は、所管の自治体が示す指導基準に合わせてください。

Q. 記録は月末にまとめて作成してもよいですか?#

条文は「提供の都度記録しなければならない」と定めています4。月末一括の運用はこの要求を満たしません。

Q. サービス提供実績記録票の保管期間は何年ですか?#

事務処理要領は実績記録票の作成単位や様式を定めていますが、保存期間そのものは定めていません23。実績記録票はサービス提供の記録と同じ事実(提供日・時間・加算の算定根拠)を記載する書類なので、指定基準省令第75条がサービス提供の記録に求める「提供した日から5年間」と同じ期間保存し、指定権者の指導基準(独自に保存期間を定めている自治体があります)に合わせてください1。

Q. 就労継続支援B型のサービス提供記録と実績記録票は別物ですか?#

別物です。サービス提供の記録は運営基準(第19条を第202条で準用)に基づき提供の都度作成し利用者の確認を受けるもの、実績記録票(様式17)は請求時に明細書に添付する書類です453。

Q. 就労移行支援・就労定着支援の実績記録票の様式は?#

就労移行支援は様式16、就労定着支援は様式22です3。

Q. 5年の保存期間はいつから数えますか?#

当該サービスを提供した日から5年間です1。契約終了日や年度末からではありません。

Q. 苦情が一件もない場合、何も記録がなくてもよいですか?#

苦情の「内容等の記録」は苦情を受け付けた場合の義務ですが、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置そのものは、苦情の有無にかかわらず講じておく必要があります11。

Q. 実績記録票が1枚に収まらない場合はどうしますか?#

「何枚中の何枚目」であるかを所定欄に記載して複数枚に分けます。2枚目以降は受給者証番号・事業所番号以外の記載を省略して差し支えありません。ただし、これ以外の理由で同一月・同一様式を2件に分けて作成することはできません2。

Q. 就労定着支援も6分類ですか?#

就労定着支援は第206条の11に独自の規定が置かれ、5分類(提供した記録・就労定着支援計画・市町村への通知・苦情・事故)です8。


関連記事#


Footnotes#

  1. 同令 第75条(記録の整備)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  2. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(事務処理要領・令和8年7月版)p.210 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(事務処理要領・令和8年7月版)p.211 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  4. 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第19条(サービスの提供の記録)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11

  5. 同令 第173条の9(就労選択支援における準用)、第184条(就労移行支援における準用)、第197条(就労継続支援A型における準用)、第202条(就労継続支援B型における準用)、第206条の12(就労定着支援における準用)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  6. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(解釈通知・障発第1206001号)第三の1(3)⑨ サービスの提供の記録 p.44 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472116.pdf ↩ ↩2 ↩3

  7. 同令 第224条(電磁的記録等)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2

  8. 同令 第206条の11(就労定着支援の記録の整備)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2

  9. 同令 第88条(支給決定障害者に関する市町村への通知)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩

  10. 同令 第35条の2(身体拘束等の禁止)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3

  11. 同令 第39条(苦情解決)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  12. 同令 第40条(事故発生時の対応)https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2

  13. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(事務処理要領・令和8年7月版)p.231、p.236 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf ↩

  14. 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について」(事務処理要領・令和8年7月版)p.188 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001721666.pdf ↩

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