放課後等デイサービス児童発達支援共通

児発管の実務経験要件 判定ガイド|サビ管と違う「除外期間」と国家資格5年を告示で確認

公開: 2026年7月26日更新: 2026年7月26日

「児発管の実務経験要件はサビ管と同じ」と説明されることがありますが、告示を読み比べると2か所で明確に違います。しかもどちらも、介護分野からの転職者や国家資格保有者が実際に引っかかる箇所です。

本記事は児発管の要件を定める告示第230号(障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの)の条文に沿って、実務経験の判定方法を整理します。


児発管の要件は「第一号(実務経験)」+「第二号(研修)」#

告示は、児発管を第一号及び第二号に定める要件を満たす者と定めています1

内容
第一号実務経験(本記事の主題)
第二号基礎研修 → 実践研修 → 更新研修

サビ管との決定的な違い2点#

違い① 児発管には「除外期間」がある#

**サビ管(告示544号)**の実務経験要件はこう書かれています2

(一)及び(二)の期間が通算して五年以上である者、(三)の期間が通算して八年以上である者又は(一)から(三)までの期間が通算して三年以上かつ(四)の期間が通算して三年以上である者

単純な通算です。一方、**児発管(告示230号)**はこうです1

イ及びロの期間を通算した期間が五年以上かつ当該期間からハの期間を通算した期間を除いた期間が三年以上である者、ニの期間を通算した期間が八年以上かつ当該期間からホの期間を通算した期間を除いた期間が三年以上である者又はイ、ロ及びニの期間を通算した期間からハ及びホの期間を通算した期間を除いた期間が三年以上かつヘの期間が通算して五年以上である者

◯◯を除いた期間が三年以上」という条件が上乗せされています。除外されるのはハ・ホ=高齢者施設・介護保険事業・特例子会社等の期間です。

つまり児発管は、通算年数を満たすだけでは足りず、高齢者分野等を差し引いた期間が3年以上必要です。

違い② 国家資格ルートの年数が違う#

サビ管児発管
国家資格に基づく業務の期間3年((四))25年(ヘ)1

国家資格ルートで要件を満たそうとする場合、児発管はサビ管より2年長い期間が必要です。


期間の種類(イ〜ヘ)#

判定の前提として、告示が定める6種類の期間を押さえます1

記号内容除外対象か
相談支援事業・児童相談所・児童家庭支援センター・里親支援センター・発達障害者支援センター・高次脳機能障害者支援センター等の従事者が行う相談支援の業務
(1)〜(5)の施設・事業の者であって社会福祉主事任用資格者等であるものが行う直接支援の業務
老人福祉施設・救護施設・更生施設・介護老人保健施設・介護医療院・地域包括支援センター等の従業者、居宅介護支援事業・介護予防支援事業等の従事者が行う相談支援の業務+老人福祉施設等・老人居宅介護等事業・特例子会社・助成金受給事業所等の従業者(社会福祉主事任用資格者等)が行う直接支援の業務✅ 除外
ロの(1)〜(5)の者であって社会福祉主事任用資格者等でない者が行う直接支援の業務
老人福祉施設等・老人居宅介護等事業・特例子会社・助成金受給事業所等の従業者であって社会福祉主事任用資格者等でない者が行う直接支援の業務✅ 除外
医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・管理栄養士・栄養士・精神保健福祉士・公認心理師が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間

ハとホが高齢者・一般雇用分野で、この2つが控除されます。ハは「有資格者」、ホは「無資格者」の区分です。


3つの判定ルート#

いずれか1つを満たせば「実務経験者」です1

ルート1(相談支援+有資格の直接支援)#

条件判定式
通算イ + ロ ≧ 5年
かつ 除外後(イ + ロ)− ハ ≧ 3年

ルート2(無資格の直接支援)#

条件判定式
通算ニ ≧ 8年
かつ 除外後ニ − ホ ≧ 3年

ルート3(国家資格ルート)#

条件判定式
除外後(イ + ロ + ニ)−(ハ + ホ)≧ 3年
かつ 国家資格ヘ ≧ 5年

具体例で確認する#

例1:介護老人保健施設7年 → 放課後等デイサービス2年(無資格)#

  • ニ(直接支援・無資格)に該当する期間のうち、老健の7年はホにも該当します
  • ルート2:ニ=9年 ≧ 8年 ✅ / ニ − ホ = 9 − 7 = 2年 < 3年

要件を満たしません。通算9年あっても、高齢者分野を除くと2年しかないためです。単純通算だと思っていると誤ります。あと1年、障害児分野で従事すれば満たします。

例2:看護師として病院で6年 → 児童発達支援で2年(直接支援・無資格)#

  • ヘ(国家資格)=6年 ≧ 5年 ✅
  • (イ+ロ+ニ)−(ハ+ホ)= 2年 < 3年

満たしません。国家資格の年数は足りていても、除外後の3年が別途必要だからです。なおサビ管であれば(四)=3年でよいため、同じ経歴でも判定が変わり得ます。

例3:相談支援事業所で3年 → 児童発達支援で社会福祉主事任用資格者として2年#

  • イ=3年、ロ=2年、ハ=0年
  • ルート1:イ+ロ=5年 ≧ 5年 ✅ / (イ+ロ)− ハ = 5年 ≧ 3年 ✅

満たします。高齢者分野が0年なので除外の影響を受けません。


判定の実務手順#

  1. 職歴をイ〜ヘのどれに当たるかで仕分ける(同じ期間が複数に該当し得ます。たとえば老健での無資格の直接支援はニかつホ
  2. ルート1 → ルート2 → ルート3の順に当てはめる
  3. どのルートも、通算要件と除外後要件の両方を確認する
  4. 実際の認定は指定権者が行うため、判定は必ず指定権者に確認する

同じ期間を複数の記号に重複計上できるわけではない点、また期間の数え方(常勤換算・従事日数の扱い等)は指定権者の運用によるため、最終確認は必須です。


研修要件(第二号)の概要#

実務経験を満たしたうえで、研修が必要です1

研修位置づけ
児童発達支援管理責任者基礎研修実務経験者、または実務経験者となるために必要な年数に達する日までの期間が2年以内である者が受講できる(=前倒し受講が可能
児童発達支援管理責任者実践研修下記の受講要件を満たす基礎研修修了者が受講
児童発達支援管理責任者更新研修実践研修を修了した日の属する年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの各年度の末日までに修了

実践研修の受講要件(いずれか)#

#要件
(1)基礎研修修了者となった日以後、実践研修受講開始日前5年間に通算して2年以上、相談支援の業務又は直接支援の業務に従事した者((2)に該当する者を除く)
(2)基礎研修受講開始日において実務経験者である者であって、基礎研修修了者となった日以後、実践研修受講開始日前5年間において通算して6月以上、個別支援計画の作成等に関する業務に従事した者
(3)平成31年4月1日時点の旧告示による児発管研修修了者で、同日以後に相談支援従事者初任者研修(講義部分)修了者となった者(実践研修受講開始日前5年間に通算2年以上、相談支援又は直接支援の業務に従事した者に限る)

更新研修の受講要件#

サビ管・児発管・管理者・相談支援専門員として現に従事している実践研修修了者、または更新研修受講開始日前5年間においてこれらの業務に通算して2年以上従事していた実践研修修了者が対象です1

なお、実践研修を修了した日から5年を経過する日の属する年度の末日までの間は、更新研修修了者でない者も更新研修修了者とみなされます1


児発管が欠けた場合のみなし配置#

やむを得ない事由により児発管が欠けた事業所では、次のとおり扱われます1

状況みなし期間
配置される者が実務経験者である場合事由の発生した日から起算して1年間
そのみなし児発管が基礎研修修了者(事由発生日後に修了した者を除く)であって、事由発生日以前から引き続き当該事業所に配置されている場合事由の発生した日から実践研修修了者となるまでの間(事由発生日から起算して2年間を限度)

「1年」と「2年」は条件が違います。基礎研修修了者で、かつ欠員発生前から在籍していた場合に限り2年です。


よくある質問#

Q. サビ管の実務経験要件を満たしていれば児発管もそのまま満たせますか?#

満たせるとは限りません。児発管にはハ・ホ(高齢者施設・介護保険事業・特例子会社等)を除いた期間が3年以上という条件が上乗せされており、国家資格ルートの年数も5年(サビ管は3年)です12

Q. 介護の現場が長い場合はどう数えますか?#

老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・居宅介護支援事業等での期間はハまたはホに当たり、除外の対象です。通算年数は満たしても、除外後の3年に届かないケースが典型的な不足パターンです1

Q. 国家資格があれば5年で足りますか?#

ヘが5年以上あることに加えて、(イ+ロ+ニ)−(ハ+ホ)≧ 3年も必要です。国家資格の年数だけでは要件を満たしません1

Q. 実務経験の年数に達する前に基礎研修を受けられますか?#

受けられます。基礎研修は、実務経験者に加えて実務経験者となるために必要な年数に達する日までの期間が2年以内である者も対象です1

Q. 更新研修を受けそびれるとどうなりますか?#

実践研修を修了した日から5年を経過する日の属する年度の末日までは更新研修修了者とみなされます1。その期限までに更新研修を修了する必要があります。

Q. 児発管が急に退職した場合、すぐに基準違反になりますか?#

やむを得ない事由による欠員の場合、実務経験者を配置すれば1年間は要件を満たすものとみなされます。基礎研修修了者で欠員発生前から在籍していた者であれば、実践研修修了までの間(2年間を限度)みなされます1


関連記事#


Footnotes#

  1. 障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの(平成24年厚生労働省告示第230号)第一号・第二号・第七号 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

  2. 指定障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの等(平成18年厚生労働省告示第544号)一のイ(1) 2 3

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