サービス管理責任者(サビ管)の研修は、基礎研修 → 実践研修 → 更新研修の3段階です。時間数は告示第544号の別表に定められており、基礎研修15時間、実践研修14.5時間、更新研修13時間、これに前提となる相談支援従事者初任者研修の講義部分11時間が加わります1。本記事では、この研修体系を「いつ受けられるか」「受講中に何ができるか」「落とすとどうなるか」まで含めて整理します。
実務経験の年数ルートは「サビ管の実務経験要件 判定ガイド」で、配置基準は「サービス管理責任者の配置要件と研修制度」で扱っています。
全体像(結論)#
| 順序 | 研修 | 時間数 | 受講できる時期 |
|---|---|---|---|
| 1 | 相談支援従事者初任者研修(講義部分) | 11時間 | 基礎研修修了者となるための要件2 |
| 2 | サービス管理責任者基礎研修 | 15時間 | 実務経験者、または実務経験者となるまでの期間が2年以内の者2 |
| 3 | (実務) | — | 基礎研修修了後、実践研修受講開始日前5年間に通算2年以上の相談支援・直接支援の業務2 |
| 4 | サービス管理責任者実践研修 | 14.5時間 | 上記を満たした後。修了して初めてサビ管になれる2 |
| 5 | サービス管理責任者更新研修 | 13時間 | 実践研修修了年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの各年度末まで2 |
🧮 受講可否と更新期限を自動計算するツールがあります:サビ管 要件チェッカー — 実務経験の充足状況から基礎研修の受講可否を判定し、実践研修の受講要件と更新研修の期限(実践研修修了年度から逆算した年度末)を表示します。
サビ管の要件は「実務経験+研修修了」の2階建てで、研修だけ・経験だけでは要件を満たしません。
各研修のカリキュラムと時間数#
告示は各研修について「別表に定める内容以上のもの」と規定しているため、都道府県の実施要綱で科目や時間が上乗せされることがあります1。以下は国が定める下限です。
基礎研修(別表第一)=15時間#
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 講義 | サービス管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義 | 7.5 |
| 演習 | サービス提供プロセスの管理に関する演習 | 7.5 |
| 合計 | 15 |
相談支援従事者初任者研修(講義部分・別表第二)=11時間#
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 講義 | 障害児者の地域支援と相談支援従事者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)の役割に関する講義 | 5 |
| 講義 | 相談支援におけるケアマネジメントの手法に関する講義 | 3 |
| 講義 | 障害者総合支援法及び児童福祉法の概要並びにサービス提供のプロセスに関する講義 | 3 |
| 合計 | 11 |
実践研修(別表第三)=14.5時間#
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 講義 | 障害福祉の動向に関する講義 | 1 |
| 講義・演習 | サービス提供に関する講義及び演習 | 6.5 |
| 講義・演習 | 人材育成の手法に関する講義及び演習 | 3.5 |
| 講義・演習 | 多職種及び地域連携に関する講義及び演習 | 3.5 |
| 合計 | 14.5 |
更新研修(別表第四)=13時間#
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 講義 | 障害福祉の動向に関する講義 | 1 |
| 講義・演習 | サービス提供の自己検証に関する演習 | 5 |
| 講義・演習 | サービスの質の向上と人材育成のためのスーパービジョンに関する講義及び演習 | 7 |
| 合計 | 13 |
科目名から分かるとおり、基礎研修は「サービス提供プロセスの理解」、実践研修は「人材育成と多職種・地域連携」、更新研修は「自己検証とスーパービジョン」と、段階ごとに求められる役割が上がっていく設計です。
受講のタイミング設計(採用計画に直結する3点)#
1. 基礎研修は要件充足の2年前から受けられる#
基礎研修は「実務経験者となるために必要な年数に達する日までの期間が2年以内である者」も対象です2。つまり、実務経験が5年に達する2年前(3年目)から受講を始められます。研修は都道府県ごとに年数回・定員制で行われるため、要件充足の年に受講枠を取れないと配置がその分遅れます。逆算して2年前から枠を押さえるのが実務上の定石です。
2. 基礎研修修了者は「計画作成等の業務」を担える#
サビ管が配置されている事業所では、個別支援計画の作成等(指定基準第58条第2項〜第5項等)の業務を基礎研修修了者に行わせることができます。さらに、サビ管に加えてその基礎研修修了者を置くことで、置くべきサビ管の数に達しているものとみなすことができます3。増員が必要になった局面で、実践研修修了を待たずに体制を組める規定です。
3. 実践研修の実務要件は「受講開始日前5年間に通算2年以上」#
基礎研修修了後に必要な実務は、実践研修受講開始日前5年間に通算2年以上の相談支援・直接支援の業務です2。「基礎研修修了後2年以内に実践研修を受けなければならない」という期限は告示に存在しません。
なお、基礎研修受講開始日にすでに実務経験者だった人は、基礎研修修了後、実践研修受講開始日前5年間に通算6か月以上、個別支援計画の作成等の業務に従事していれば実践研修を受講できます2。この短縮ルートがあるため、実務経験を満たしてから基礎研修を受ける人と、2年前倒しで受ける人では、その後の道筋が変わります。
更新研修を落とすとどうなるか#
更新研修は、実践研修を修了した日の属する年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの各年度の末日までに修了します2。受講対象は、サビ管・児発管・管理者・相談支援専門員として現に従事している実践研修修了者か、更新研修受講開始日前5年間に通算2年以上これらの業務に従事していた実践研修修了者です2。
期日までに更新研修修了者とならなかった場合、その人は基礎研修修了者とみなされます。サビ管に戻るには、更新研修ではなく実践研修を改めて修了する必要があります2。年度末が期限なので、年度をまたいだ時点で失効する点に注意してください。
実施主体と申込み#
研修の実施主体・日程・定員・申込方法は都道府県(または都道府県が指定した研修事業者)が定めます。告示が定めるのはカリキュラムの下限(別表)であり、開催回数や受講要件の証明方法は都道府県ごとに異なります1。受講予定者の実務経験証明書の様式も指定権者ごとに違うため、募集要項を早めに確認してください。
実務チェックリスト#
- サビ管候補者ごとに、実務経験の充足予定日とその2年前(基礎研修の受講可能日)を人事台帳に記録しているか
- 基礎研修修了者を、個別支援計画の作成等の業務に位置づけているか(配置数のみなしを使えるか)
- 実践研修の受講要件(前5年間に通算2年以上、または実務経験者なら6か月以上の計画作成等業務)を満たしているか確認したか
- 現任サビ管全員について、実践研修修了年度から数えた**更新期限(年度末)**を一覧化しているか
- 都道府県の研修日程・申込期限をカレンダー化しているか(定員制のため前年度中に動く必要がある)
よくある質問#
Q. 研修は合計何時間ですか?#
国が定める下限は、相談支援従事者初任者研修(講義部分)11時間、基礎研修15時間、実践研修14.5時間、更新研修13時間です1。都道府県の実施要綱で上乗せされる場合があります。
Q. 基礎研修は実務経験を満たしてからでないと受講できませんか?#
いいえ。実務経験者となるまでの期間が2年以内の者も受講できます2。
Q. 基礎研修だけ修了した職員に個別支援計画を作らせてよいですか?#
サビ管が配置されている事業所であれば、個別支援計画の作成等の業務を基礎研修修了者に行わせることができます。加えて、その基礎研修修了者を置くことで配置すべきサビ管の数に達しているものとみなすこともできます3。
Q. 更新研修は誰でも受けられますか?#
サビ管・児発管・管理者・相談支援専門員として現に従事している実践研修修了者、または受講開始日前5年間にこれらの業務に通算2年以上従事していた実践研修修了者が対象です2。現場を離れて5年間従事実績がない場合、更新研修の受講対象になりません。
Q. サビ管と児発管の研修は別物ですか?#
カリキュラムは共通の体系で組まれており、別表第二の科目名にも「相談支援従事者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)の役割に関する講義」と併記されています1。ただし児童発達支援管理責任者の要件そのものは別の告示で定められているため、配置要件は各制度の告示で確認してください。
制度上の根拠#
- 告示第544号 別表第一〜第四(各研修のカリキュラム・時間数)1
- 同 第一号イ(2)(基礎研修・実践研修・更新研修の受講要件と期限、更新未修了の効果)2
- 同 第一号ホ(基礎研修修了者による業務実施と配置数のみなし)3