児童発達支援には、職員を手厚く配置したときに算定できる加算が2つあります。児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算です。
紛らわしいのは、この2つが同じ単位数の区分をもつ一方で、「5年」の数え方が違う点です。留意事項通知はこの違いをわざわざ「留意されたい」と名指しで注意しています。
まず2つの加算の関係#
| 児童指導員等加配加算 | 専門的支援体制加算 | |
|---|---|---|
| 何を加配するか | 児童指導員等又はその他の従業者を1以上 | 理学療法士等を1以上 |
| 配置方法 | 区分により常勤専従/常勤換算 | 常勤換算による配置 |
| 併給 | 可能(互いに「算定に必要となる従業者の員数」に相手の分を含める) | 同左 |
どちらも「児童発達支援給付費の算定に必要とする員数に加えて」配置することが条件です12。基準人員を満たしただけでは算定できません。
併給する場合の数え方に注意が要ります。専門的支援体制加算を算定しているときは、児童指導員等加配加算の「必要とする員数」に専門的支援体制加算の分を含めて数えます。逆も同様です12。つまり2つとも取るには、基準人員+2名分の上乗せが必要になります。
単位数(児童発達支援・令和8年6月版)#
児童指導員等加配加算は**①経験年数(5年以上/5年未満)②配置形態(常勤専従/常勤換算)**の組み合わせで4区分、加えて「その他の従業者」の区分があります3。
児童発達支援センターで行う場合(定員別・1日につき)#
| 区分 | 30人以下 | 31〜40 | 41〜50 | 51〜60 | 61〜70 | 71〜80 | 81人〜 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (1)常勤専従・5年以上 | 62 | 53 | 42 | 34 | 29 | 25 | 22 |
| (2)常勤専従・5年未満 | 51 | 43 | 34 | 27 | 23 | 20 | 18 |
| (3)常勤換算・5年以上 | 41 | 35 | 27 | 22 | 19 | 16 | 15 |
| (4)常勤換算・5年未満 | 36 | 31 | 24 | 19 | 17 | 14 | 13 |
| (5)その他の従業者 | 30 | 26 | 20 | 16 | 14 | 12 | 11 |
センター以外で行う場合(定員別・1日につき)#
| 区分 | 10人以下 | 11〜20人 | 21人以上 |
|---|---|---|---|
| (1)常勤専従・5年以上 | 187 | 125 | 75 |
| (2)常勤専従・5年未満 | 152 | 101 | 59 |
| (3)常勤換算・5年以上 | 123 | 82 | 49 |
| (4)常勤換算・5年未満 | 107 | 71 | 43 |
| (5)その他の従業者 | 90 | 60 | 36 |
重症心身障害児の場合(定員別・1日につき)#
| 区分 | 5人 | 6人 | 7人 | 8人 | 9人 | 10人 | 11人〜 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (1)常勤専従・5年以上 | 374 | 312 | 267 | 234 | 208 | 187 | 125 |
| (2)常勤専従・5年未満 | 305 | 253 | 216 | 188 | 167 | 149 | 98 |
| (3)常勤換算・5年以上 | 247 | 206 | 176 | 154 | 137 | 123 | 82 |
| (4)常勤換算・5年未満 | 214 | 178 | 153 | 134 | 119 | 107 | 71 |
| (5)その他の従業者 | 180 | 150 | 129 | 113 | 100 | 90 | 60 |
専門的支援体制加算は(3)と同額#
専門的支援体制加算の単位数は、センターで41/35/27/22/19/16/15、センター以外で123/82/49、重症心身障害児の場合は定員5人で247です3。これは児童指導員等加配加算の**(3)常勤換算・経験5年以上と完全に同額**です。
つまり単位数では選べません。どちらを算定するかは、後述の職種要件と経験年数の数え方で決まります。
ここが本題:同じ「5年」でも数え方が違う#
留意事項通知は、専門的支援体制加算について児童指導員等加配加算と異なる点を明示しています2。
| 児童指導員等加配加算 | 専門的支援体制加算 | |
|---|---|---|
| 経験の起算 | 資格取得又はその職種として配置された以後の経験に限らない1 | 保育士・児童指導員は資格取得又は任用からの児童福祉事業の経験が必要2 |
| 教育職の経験 | 幼稚園・特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育経験も含まれる1 | 含まれない2 |
同じ人・同じ職歴でも、児童指導員等加配加算では5年に届くが、専門的支援体制加算では届かないことが起こります。特別支援学校の教員経験がある職員を採用したケースが典型です。
職種の範囲も違う#
児童指導員等(加配加算)1
児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、手話通訳士・手話通訳者、特別支援学校免許取得者、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者
理学療法士等(専門的支援体制加算)2
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士(5年以上)、児童指導員(5年以上)、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員
専門的支援体制加算の側には手話通訳士・特別支援学校免許取得者・強度行動障害支援者養成研修修了者が入りません。また保育士・児童指導員は5年以上が要件そのものになっています。
常勤換算まわりの実務ルール#
異なる職種を組み合わせて1名以上にできる#
常勤換算の区分(3)〜(5)では、児童指導員等とその他の従業者といった異なる職種の配置により常勤換算で1名以上とすることも可能です1。
ただし報酬区分が異なる場合は、低い方で算定します1。
| 組み合わせ | 算定する報酬 |
|---|---|
| 児童指導員等 + その他の従業者 | その他の従業者の報酬 |
| 経験5年以上の児童指導員等 + その他の従業者 | その他の従業者の報酬 |
| 経験5年以上の児童指導員等 + 経験5年未満の児童指導員等 | 経験5年未満の報酬 |
「上位区分の人を混ぜれば上位で取れる」わけではない点に注意が必要です。
多機能型の常勤の扱い#
多機能型事業所で児童発達支援と放課後等デイサービスを行う場合、たとえば児発の保育士と放デイの保育士を兼務している者は、勤務時間の合計が所定の時間に達していれば常勤要件を満たします1。専門的支援体制加算でも同様に常勤換算要件を満たします2。
サービス提供時間帯は事業所で直接支援#
児童指導員等加配加算は常時見守りが必要な障害児への支援等の強化が目的であるため、対象となる職員はサービス提供時間帯を通じて事業所で直接支援にあたることが基本とされています1。
通所支援計画がないと算定できない#
専門的支援体制加算は、通所支援計画を作成していない場合、当該作成していない障害児については算定できません2。
よくある質問#
Q. 2つの加算は同時に算定できますか?#
できます。ただし互いに「算定に必要となる従業者の員数」に相手の加算分を含めて数えるため、実質的に基準人員に加えて2名分の配置が必要です12。
Q. 特別支援学校の教員経験は5年に数えられますか?#
加算により異なります。児童指導員等加配加算では幼稚園・特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育経験も含まれますが1、専門的支援体制加算では含まれません2。
Q. 保育士資格を取る前の児童福祉事業の経験は数えられますか?#
児童指導員等加配加算では、経験年数は資格取得又はその職種として配置された以後の経験に限らないとされています1。一方、専門的支援体制加算では保育士・児童指導員について資格取得又は任用からの経験が必要です2。
Q. 常勤換算で、経験5年以上の人と5年未満の人を組み合わせた場合は?#
経験5年未満の報酬を算定します1。
Q. 単位数はどちらが有利ですか?#
児童指導員等加配加算の(3)常勤換算・経験5年以上と専門的支援体制加算は同額です3。単位数では差がつかないため、職種要件と経験年数の数え方で判断することになります。
Q. 常勤専従だと単位数はどれくらい変わりますか?#
センター以外・定員10人以下の場合、常勤専従・経験5年以上が187単位、常勤換算・経験5年以上が123単位です(1日につき)3。配置形態の差が大きく効きます。