サビ管については「常勤かつ専従の一律義務は存在しない」ことを条文で確認できます。児発管はここが違います。 基準省令に「専任かつ常勤」と明記されているためです。
「児発管の兼務ルールはサビ管と同じ」という説明は、この一点で誤りになります。本記事は児発管の配置・専任・兼務を、指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)の条文で整理します。
結論:児発管は「専任かつ常勤」が1人以上必要#
条文を並べると差がはっきりします。
サビ管(指定障害福祉サービス基準 第186条第5項)3
第一項第二号のサービス管理責任者のうち、一人以上は、常勤でなければならない。
児発管(指定通所支援基準 第5条第8項・第66条第8項)12
第一項第二号に掲げる児童発達支援管理責任者のうち、一人以上は、専任かつ常勤でなければならない。
サビ管には「常勤」しか書かれていませんが、児発管は「専任かつ常勤」です。この規定は児童発達支援(第5条第8項)と放課後等デイサービス(第66条第8項)の両方に置かれています。
「専任」の意味#
専任とは、他の職務と兼ねずにその職務に専念することです。したがって、1人しか児発管を配置していない事業所では、その児発管を他の職務と兼務させることは条文上できません。兼務させるには、専任かつ常勤の児発管を別に1人確保しておく必要があります。
配置人数の基本#
児童発達支援・放課後等デイサービスとも、児発管は1以上です12。
| サービス | 従業者の員数 |
|---|---|
| 児童発達支援(児童発達支援センターであるものを除く) | ①児童指導員又は保育士:単位ごとに提供時間帯を通じて専ら従事する者が、障害児10人まで2以上/10人を超える場合は2に、10を超えて5又はその端数を増すごとに1を加えた数以上 ②児発管 1以上1 |
| 放課後等デイサービス | 同上の配置に加えて 児発管 1以上2 |
児童指導員又は保育士についても、1人以上は常勤でなければなりません12。
なお、機能訓練を行う場合は機能訓練担当職員を、医療的ケアを恒常的に受けることが不可欠である障害児に医療的ケアを行う場合は看護職員を、それぞれ置く必要があります(看護職員は、医療機関等との連携による訪問、登録喀痰吸引等事業者による喀痰吸引等の実施など一定の場合に置かないことができます)2。
管理者との兼務は可能#
管理者については、条文が明示的に兼務を認めています4。
指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援事業所ごとに専らその職務に従事する管理者を置かなければならない。ただし、指定児童発達支援事業所の管理上障害児の支援に支障がない場合は、当該指定児童発達支援事業所の他の職務に従事させ、又は当該指定児童発達支援事業所以外の事業所、施設等の職務に従事させることができる。
管理者は原則専従ですが、支障がない場合は同一事業所内の他の職務にも、他の事業所等の職務にも従事できます。
ここから導かれる整理は次のとおりです。
| 組み合わせ | 可否 |
|---|---|
| 管理者 × 児発管 | 管理者側の但し書きにより可能(管理上支障がない場合)。ただし児発管が1人だけの場合、その者は専任である必要があるため、実質的に兼務させられない |
| 児発管 × 児童指導員・保育士 | 専任かつ常勤の児発管が1人以上確保されていることが前提。1人配置の事業所では不可 |
管理者と児発管の兼務が語られることは多いのですが、成立させるには児発管側の「専任」要件を先に満たしておく必要がある点が見落とされがちです。
従たる事業所を設置する場合#
主たる事業所と一体的に管理運営を行う従たる事業所を設置できます5。
従たる事業所を設置する場合においては、主たる事業所及び従たる事業所の従業者(児童発達支援管理責任者を除く)のうちそれぞれ一人以上は、常勤かつ専ら当該主たる事業所又は従たる事業所の職務に従事する者でなければならない。
つまり「主従それぞれに常勤専従を1人以上」という要求から、児発管は除外されています。児発管は主たる事業所と従たる事業所をまたいで配置できる、という趣旨です。
サビ管も同じ構造で、指定障害福祉サービス基準 第79条第2項が「従業者(サービス管理責任者を除く)」としています6。この点は両者で共通です。
保育所等の児童との交流時の特例#
保育所・家庭的保育事業所等に入所し、又は幼保連携型認定こども園に入園している児童と、事業所に通所している障害児を交流させるときは、障害児の支援に支障がない場合に限り、障害児の支援に直接従事する従業者について、これら児童への保育に併せて従事させることができます7。
また、併せて設置する他の社会福祉施設の職務に従事させることができる旨の規定も置かれています7。
多機能型事業所の特例#
児童発達支援と放課後等デイサービス等を組み合わせて行う多機能型事業所については、従業者の員数に関する読替規定が置かれています8。「指定児童発達支援事業所」を「多機能型事業所」と読み替える等の整理により、多機能型事業所全体として員数を満たす形になります。
具体的な人員配置は指定権者の運用によるため、多機能型を検討する場合は事前に確認してください。
よくある質問#
Q. 児発管とサビ管で兼務ルールは同じですか?#
同じではありません。児発管は基準省令に「一人以上は、専任かつ常勤」と明記されています12。サビ管は「一人以上は、常勤」で専任の要求がありません3。
Q. 児発管1人の事業所で、その人を管理者と兼務させられますか?#
児発管が1人だけの場合、その者が「専任かつ常勤」の要件を担うことになるため、条文上は兼務させられません。管理者側は但し書きで兼務が認められていますが4、児発管側の専任要件が制約になります。実際の取扱いは指定権者に確認してください。
Q. 児発管は児童指導員としてもカウントできますか?#
児童指導員又は保育士の員数は「単位ごとにその提供を行う時間帯を通じて専ら当該支援の提供に当たる」者で数えます12。専任かつ常勤の児発管を別に確保していない限り、同一人を両方に充てることはできません。
Q. 従たる事業所を作った場合、児発管は両方に必要ですか?#
従たる事業所の特例では、常勤かつ専従を求める対象から児発管は除外されています5。主たる事業所と従たる事業所をまたいだ配置が想定されています。
Q. 放課後等デイサービスも同じ規定ですか?#
はい。「一人以上は、専任かつ常勤」は児童発達支援(第5条第8項)と放課後等デイサービス(第66条第8項)の両方に置かれています12。
Q. 児童発達支援センターも同じですか?#
第5条は「児童発達支援センターであるものを除く」と定めており、センターについては別に規定が置かれています1。センターを運営する場合は該当条文と指定権者の案内を確認してください。
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Footnotes#
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児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)第5条(従業者の員数)第1項・第6項・第8項 https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
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同令 第66条(従業者の員数)第1項・第2項・第6項・第8項(放課後等デイサービス)https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
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指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第186条第5項 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3
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前掲 平成24年厚生労働省令第15号 第7条(管理者)https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩ ↩2
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同令 第8条(従たる事業所を設置する場合における特例)第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩ ↩2
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前掲 平成18年厚生労働省令第171号 第79条(従たる事業所を設置する場合における特例)第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩
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前掲 平成24年厚生労働省令第15号 第5条第8項〜第9項(他の社会福祉施設の職務との併従・保育所等の児童との交流時の取扱い)https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩ ↩2
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同令 第80条(多機能型事業所に関する特例・従業者の員数に関する特例)https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015 ↩