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処遇改善加算の計画書・実績報告書|提出期限と2年保存・変更届出書が必要な6ケース【令和8年度版】

公開: 2026年7月26日更新: 2026年7月26日

処遇改善加算は「届出して終わり」ではありません。事業年度の初めに計画書を出し、年度が終わったら実績報告書を出すという1年サイクルの事務があり、報告を怠れば算定要件を満たさないものとして返還の対象になります。

本記事は令和8年度分の通知(障障発0331第1号・こ支障第78号・令和8年3月31日)を一次情報として、計画書と実績報告書の期限・様式・保存年限を整理します。令和7年度分の届出には令和7年度分の通知(障障発0307第1号・令和7年3月7日)が適用されるため、該当箇所は分けて示します1


年間サイクルの全体像#

段階提出物期限保存
年度当初処遇改善計画書(別紙様式2-1〜2-3)初めて加算を算定する月の前々月の末日まで根拠資料と併せて2年間
期中に変更変更届出書(別紙様式4)変更後の加算の算定を開始する月の前月15日まで
賃金水準を引き下げる場合特別事情届出書(別紙様式5)該当時
年度終了後実績報告書(別紙様式3-1・3-2)最終の加算の支払があった月の翌々月の末日まで根拠資料と併せて2年間

計画書・実績報告書とも、提出先は事業所の所在地の都道府県知事等(指定都市・中核市を含む)です2


処遇改善計画書#

提出期限は「前々月の末日」#

計画書は、当該事業年度において初めて処遇改善加算を算定する月の前々月の末日までに提出します2。たとえば6月から算定するなら4月末日が期限です。

なお、確認の事務に要する時間が十分確保できる場合等において、都道府県知事等が提出期日を延長しても差し支えないとされています2。実際の期限は必ず指定権者の案内で確認してください。

令和8年度の特例期日#

令和8年度は6月から相談支援系が加算対象に加わる関係で、期日が2本立てになっています2

対象計画書の提出期限
令和8年4月・5月から算定する事業者(6月以降の分と併せて提出)令和8年4月15日
加算新設事業所(計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援)のみが所属するなど、4月・5月分は算定せず6月以降に算定する事業者令和8年6月15日

体制届出についても、後者の事業者は原則の令和8年5月15日ではなく令和8年6月15日を期日として差し支えないとされ、5月15日とする場合でも6月15日までの算定区分の変更等を受け付けるなど柔軟に取り扱うこととされています2

様式が2-1〜2-3の3種類に#

令和7年度分は別紙様式2-1・2-2の2種類でしたが、令和8年度分は別紙様式2-1から2-3までの3種類で作成します23。年度をまたいで前年の様式を使い回さないよう注意が必要です。

複数事業所をもつ法人の特例#

複数の事業所を有する事業者は、計画書等を事業者(法人)単位で一括して作成して差し支えありません。ただし提出自体は、各事業所の指定等権者である都道府県知事等それぞれに対して期日までに行う必要があります。各指定等権者に出す書類の記載事項は、「提出先」の項目以外は同一の内容で差し支えないとされています4


実績報告書#

提出期限は「最終の加算の支払があった月の翌々月の末日」#

実績報告書は、各事業年度における最終の加算の支払があった月の翌々月の末日までに提出します2

この算定の仕方が分かりにくいので、通知自身が具体例を示しています。

年度最終月分の支払実績報告書の提出期日
令和7年度令和8年3月分 → 令和8年5月通常の場合 令和8年7月31日5
令和8年度令和9年3月分 → 令和9年5月通常の場合 令和9年7月31日2

3月分の報酬が5月に支払われるため、その翌々月末=7月末が期限になる、という組み立てです。

「⑥のみの変更」は実績報告書と一緒に#

計画書の内容に変更があった場合は原則として変更届出書を期中に出しますが、⑥(就業規則の改訂)のみの変更である場合は、実績報告書を提出する際に変更届出書をあわせて届け出る扱いです4


変更届出書が必要になる6ケース#

計画書の内容に次のいずれかの変更があった場合、別紙様式4の変更届出書を提出します。期限は変更後の加算の算定を開始する月の前月15日までです4

#ケース添付する様式(令和8年度分)
吸収合併・新設合併等により計画書の作成単位が変更となる場合変更届出書+別紙様式2-1
一括申請の事業者で、関係する事業所に増減(新規指定・廃止等)があった場合変更届出書+様式2-1の2、3(1)及び3(4)、様式2-2、様式2-3
キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲの適合状況に変更(加算区分に変更が生じる場合に限る)変更届出書+様式2-1の2及び3(1)〜(5)、様式2-2、様式2-3
**キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)**の適合状況に変更があり加算区分に変更が生じる場合変更届出書+様式2-1の3(5)、様式2-2、様式2-3
加算区分の変更を行う場合、新規に算定する場合変更届出書+様式2-1〜2-3
就業規則を改訂した場合(福祉・介護職員の処遇に関する内容に限る)変更届出書に改訂の概要を記載

④については、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより特定事業所加算を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合も、同様に変更の届出を行うこととされています4


賃金水準を引き下げる場合(特別事情届出書)#

事業の継続を図るために、職員の賃金水準(加算による賃金改善分を除く)を引き下げた上で賃金改善を行う場合は、別紙様式5の特別事情届出書に次の4点を記載して届け出ます6

  1. 法人の収支(障害福祉サービス等事業による収支に限る)について、利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示す内容
  2. 職員の賃金水準の引き下げの内容
  3. 当該法人の経営及び職員の賃金水準の改善の見込み
  4. 引き下げについて適切に労使の合意を得ていること等の必要な手続きに関して、労使の合意の時期及び方法等

年度を超えて賃金を引き下げることとなった場合は、次年度の加算を算定するために必要な届出を行う際に、特別事情届出書を再度提出する必要があります6


保管が必要な書類#

計画書の提出にあたっては、計画書のチェックリストを確認するとともに、記載内容の根拠となる資料と次の書類を適切に保管し、都道府県知事等から求めがあった場合には速やかに提示しなければなりません6

書類
労働基準法第89条に規定する就業規則等(賃金・退職手当・臨時の賃金等に関する規程。キャリアパス要件Ⅰに係る任用要件及び賃金体系に関する規程、キャリアパス要件Ⅲに係る昇給の仕組みに関する規程を就業規則と別に作成している場合はそれらの規程を含む)
労働保険に加入していることが確認できる書類(労働保険関係成立届、労働保険概算・確定保険料申告書等)

届出時に一律の添付は求められない#

文書負担軽減の観点から、計画書及び実績報告書の内容を証明する資料は、事業者が適切に保管し求めに応じて速やかに提出することを要件として、届出時に全ての事業者から一律に添付を求めてはならないとされています。また別紙様式について押印は要しません7


返還・取消しになるケース#

都道府県知事等は、次のいずれかに該当する場合、既に支給された加算の一部若しくは全部を不正受給として返還させること又は加算を取り消すことができます6

#ケース
(1)加算の算定額に相当する賃金改善が行われていない、賃金水準の引下げを行いながら特別事情届出書の届出が行われていない等、大臣基準告示及び通知に記載の算定要件を満たさない場合
(2)虚偽又は不正の手段により加算を受けた場合

複数の事業所を有する法人が一括して計画書を作成している場合は、各事業所の指定等権者間で協議し、必要に応じて監査等を連携して実施することとされています(都道府県が調整することが望ましい)6


職員への周知義務#

加算を算定する事業者は、次の点に努めることとされています8

  • 事業所における賃金改善を行う方法等について、計画書を用いるなどにより職員に周知するとともに、就業規則等の内容についても職員に周知すること
  • 職員から賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員の賃金改善に係る内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること
  • 加算の目的や大臣基準告示第2号イ(5)等を踏まえ、労働基準法等を遵守すること

よくある質問#

Q. 実績報告書を出さないとどうなりますか?#

実績の報告は大臣基準告示第2号イ(4)等に規定された算定要件です2。要件を満たさない場合は、既に支給された加算の一部又は全部を不正受給として返還させる、又は加算を取り消すことができるとされています6

Q. 令和7年度の実績報告書はいつまでですか?#

令和8年3月分の加算の支払が令和8年5月であることから、通常の場合令和8年7月31日が提出期日です5

Q. 前年度と内容が同じでも実績報告書は必要ですか?#

必要です。実績報告は「その年度に実際に賃金改善が行われたか」を報告するものであり、各事業年度について提出が求められます2

Q. 計画書と実績報告書はいつまで保存しますか?#

いずれも根拠資料と併せて2年間保存します2

Q. 複数の事業所を運営している場合、計画書は事業所ごとに作りますか?#

法人単位で一括して作成して差し支えありません。ただし提出は各事業所の指定等権者ごとに期日までに行い、記載事項は「提出先」以外は同一で差し支えありません4

Q. 経営が苦しく賃金水準を下げざるを得ない場合はどうすればよいですか?#

賃金水準を引き下げた上で賃金改善を行う場合は、特別事情届出書(別紙様式5)の提出が必要です。届出をせずに引下げを行うと返還・取消しの対象になり得ます6。年度を超えて引下げが続く場合は、次年度の届出時に再度提出が必要です6

Q. 令和8年度から様式は変わりましたか?#

変わりました。計画書は令和7年度分の別紙様式2-1・2-2から、令和8年度分は別紙様式2-1〜2-3の3種類になっています23。実績報告書は別紙様式3-1・3-2です2


関連記事#


Footnotes#

  1. 厚生労働省・こども家庭庁「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年度分・障障発0331第1号/こ支障第78号・令和8年3月31日)p.1、p.14

  2. 同通知(令和8年度分)p.11 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

  3. 厚生労働省「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和7年度分・令和7年改正版)p.9 2

  4. 同通知(令和8年度分)p.12 2 3 4 5

  5. 同通知(令和7年度分)p.9 2

  6. 同通知(令和8年度分)p.13 2 3 4 5 6 7 8

  7. 同通知(令和8年度分)p.14

  8. 同通知(令和8年度分)p.14

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