国保連から届く「返戻等一覧表」に載った請求は、障害福祉サービス費等が支払われません。内容を確認し、必要に応じて訂正して、改めて請求する必要があります1。本記事では、宮城県国民健康保険団体連合会の対応マニュアルが「特に発生件数の多いエラー」として取り上げた返戻コード30件を、原因の型ごとに整理し、確認する場所と対応方法をまとめます。
本記事の原因・対応は宮城県国保連のマニュアルに基づきます1。問い合わせ先(市町村・指定権者)や手続きの細部は、所属の国保連合会の案内も確認してください。
結論:返戻は「どこを直すか」で4つに分かれる#
| 型 | 主なコード | まず確認するもの | 直す・問い合わせる先 |
|---|---|---|---|
| ① 重複・支払済 | EC01・EC02・EC08・EC09・ED01 | 同じ請求を二重に送っていないか、すでに支給決定済みか | 自事業所(支給決定済みの請求を直すなら、先に市町村等へ過誤申立) |
| ② 受給者証・台帳と合わない | EE01・EE67・EG02・EG05・EG12・EG17・EG20・EG29・EG41・EG71・EG76・EG77・EG78・EH11・EN02・PA41 | 受給者証の記載(受給者証番号・支給決定期間・上限額管理事業所・食事提供体制加算対象者など)と請求の一致。EE01・EE67 は請求した事業所番号 | 請求が誤りなら自事業所で訂正。請求が正しければ、受給者台帳は市町村等、事業所台帳は指定権者に状況を確認 |
| ③ 金額・管理結果の記載 | EJ08・EN21 | 上限額管理結果票の管理結果、利用者負担額② | 自事業所 |
| ④ 明細書・実績記録票・上限額管理結果票の記載 | PP08・PP19・PQ84・PR15・PU51・PU61・PW59 | 請求明細書と実績記録票の整合、実績記録票の中の記載(時間の重複・提供通番・実費)、上限額管理結果票の関係事業所 | 自事業所 |
マニュアルは、関係機関を「事業所」「市町村」「指定機関(宮城県・仙台市)」に分けて示しています。国保連の受給者台帳は市町村が、事業所台帳は指定機関が作成・登録している情報です1。
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① 重複・支払済#
| コード | メッセージ(要旨) | 主な原因 | 対応 |
|---|---|---|---|
| EC01 | 該当の請求情報は既に受付済、または請求情報内で重複 | ①同じ受付月に、同じ請求(サービス提供月・受給者証番号)を複数送信(1回目の誤りに気づき、取下げをせずに再送信した など) ②同じ受付月に、同じ市町村・同じ提供年月の請求書を複数送信 | 1回目の送信分だけが受け付けられ、2回目以降が返戻。1回目に誤りがあれば市町村等へ過誤申立。同じ内容なら対応不要。請求書の重複は支払いに影響しない |
| EC02 | 該当の情報は既に受付済、または情報内で重複 | 明細書・実績記録票で同じ項目を二重に請求(実績記録票に同日・同様の支援実績を2行作成)、計画相談の請求を2回送信 | 二重の項目を訂正して再請求。計画相談の重複はEC01と同様 |
| EC08 | 上限額管理結果票は既に受付済 | 提出済みの上限額管理結果票を、作成区分「新規」で再送信(例:7月受付で提出したものを8月受付で「新規」で再送信) | 訂正は作成区分「修正」で提出 |
| EC09 | 修正・取消の対象となる上限額管理結果票が無い | 「新規」とすべきところを「修正」で作成、または元の結果票が返戻になっていた | 作成区分・提出の有無・返戻状況を確認。未提出・返戻なら「新規」で提出 |
| ED01(ED02) | 該当の請求情報は既に支払確定済(ED01は基本情報、ED02は明細情報の重複) | 過去に同じ受給者・同じサービス提供月の請求が支給決定済み(支払いが確定した状態)になっているのに、市町村に過誤の依頼をせずに再送信 | 支給決定済みの請求を再請求するときは、先に市町村等へ過誤申立をしてから請求 |
「過誤(取下げ)」は、既に支払いを受けた請求を取り下げることです。マニュアルの「支給決定済み」は、障害福祉サービス費等の支払いが確定した状態を指します(受給者証の支給決定期間とは別の意味です)1。
② 受給者証・台帳と合わない#
このグループは、マニュアルの対応方法がほぼ共通しています。受給者証の該当欄(EE01・EE67 は請求した事業所番号)を確認し、請求内容が正しければ市町村等(事業所台帳の場合は指定機関)に状況を確認する、です。原因は「事業所の請求誤り」と「市町村等・指定機関の台帳の未登録・誤登録」の両方があり得ます1。
| コード | メッセージ(要旨) | 受給者証などで確認する欄 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|---|
| EE01(EE03) | 事業所台帳にサービス提供年月時点で有効な事業所情報が無い | 上限額管理結果票の事業所番号 | 指定機関 |
| EE67 | 事業所台帳に有効な上限額管理事業所の指定情報が無い | 請求明細書の上限額管理事業所の事業所番号 | 指定機関 |
| EG02(EG01) | 受給者台帳に有効な受給者の認定情報が無い | 受給者証番号 | 市町村等 |
| EG05 | 上限額管理事業所番号が受給者台帳と一致しない | 請求明細書と受給者証の上限額管理事業所 | 市町村等 |
| EG12(EG09) | 有効な利用者負担上限月額情報が無い | 負担上限月額・適用期間 | 市町村等 |
| EG17 | 上限額管理対象外の受給者 | 上限額管理対象者該当の有無・上限額管理事業所名 | 市町村等 |
| EG20(EG45) | 受給資格を喪失している受給者 | サービス種別・支給決定期間 | 市町村等 |
| EG29 | 上限額管理対象外なのに「管理結果」に値がある | 上限額管理対象者該当の有無・上限額管理事業所名 | 市町村等 |
| EG41 | 食事提供加算対象者が「無し」 | 食事提供体制加算対象者 | 市町村等 |
| EG71 | 特定障害者特別給付費(補足給付)の支給決定が有効期間外 | 補足給付の支給内容 | 市町村等 |
| EG76 | 計画相談支援有無が「無し」 | 計画相談支援給付費の支給内容 | 市町村等 |
| EG77 | 相談支援給付の有効期間外 | 計画相談支援給付費の支給期間 | 市町村等 |
| EG78 | 相談支援給付費請求書の事業所番号が台帳と一致しない | 計画相談支援給付費の支給内容 | 市町村等 |
| EH11(EH08・EH13) | サービスコードに該当する支給決定が有効でない | 該当サービスの支給決定期間 | 市町村等 |
| EN02 | 上限額管理「無し」なのに管理結果額が設定されている | 上限額管理対象者該当の有無・上限額管理事業所名 | 市町村等 |
| PA41 | 食事提供体制加算情報が無い、または対象者「無し」 | 食事提供体制加算対象者有無・適用有効期間 | 市町村等 |
(出典:宮城県国保連 対応マニュアル 返戻等一覧表 No.6〜19・21・23)1
③ 金額・管理結果の記載#
| コード | メッセージ(要旨) | 主な原因 | 対応 |
|---|---|---|---|
| EJ08 | 管理結果と管理結果後利用者負担額の関係が不正 | 上限額管理結果票の「管理結果番号」と「管理結果後利用者負担額」の内容が一致していない(例:他事業所の負担が発生しないのに、管理結果「3(合算額が上限月額を超過するため調整)」で請求) | 管理結果と管理結果後利用者負担額の内容を確認 |
| EN21 | 利用者負担額②が1割相当額、または市町村が定める額と一致しない | 利用者負担額②に「0」を入力した など | 利用者負担額②には1割相当額を入力。受給者証の特記事項欄に市町村が定める額の記載がある場合は、その額と1割相当額のうち小さい額 |
上限額管理結果票の書き方は「利用者負担額一覧表と上限額管理結果票の書き方」で解説しています。
④ 明細書と実績記録票が合わない#
| コード | メッセージ(要旨) | 主な原因 | 対応 |
|---|---|---|---|
| PP08 | 上限額管理結果票に存在しない事業所の請求明細書がある | 上限額管理結果票に関係事業所の記載が漏れた | 結果票の関係事業所の記載漏れを確認 |
| PP19 | 実績記録票に該当するサービスが請求明細書に無い | 明細書と実績記録票は基本的にセットで請求するため、明細書が返戻になったか、明細書の請求が漏れると実績記録票も返戻になる | 明細書が返戻になったのか、請求漏れかを確認 |
| PQ84 | 明細書のサービス提供量が実績記録票の算定時間数の合計を超える | 明細書の「サービス提供量」または実績記録票の「算定時間数」の誤り | 両者を確認 |
| PR15 | 授業後に支援を行った場合の報酬の回数が、実績記録票の算定回数を超える | 例:明細書5回・実績記録票4回 | 明細書の回数と実績記録票の算定回数を確認 |
| PU51 | 実績記録票の「サービス内容」に、同一時間で重複できないサービスがある | 例:居宅介護の身体介護と家事援助が同一日で時間が重複 | 実績記録票の日付・サービス内容・開始/終了時間を確認 |
| PU61 | 「算定時間数」が同じ「提供通番」の最終行に設定されていない | 同一提供通番の最終の開始時間の行に算定時間数が無い | 提供通番・日付・開始時間・算定時間数を確認 |
| PW59 | 実費算定の光熱水費の小計が、日ごとの合計を超える | 例:小計1,100円・明細の合計1,000円 | 実績記録票の補足給付関係情報と実費算定の合計を確認 |
(出典:宮城県国保連 対応マニュアル 返戻等一覧表 No.20・22・24〜30)1
返戻を受けたときの流れ#
- 返戻等一覧表で、エラーコードと「種別」(請求書・明細書・計画相談請求書・実績記録票・上限額管理結果票)を確認する1
- 上の表で型を見分け、受給者証・請求データ・実績記録票を突き合わせる
- 事業所の誤りなら訂正して再請求する。支給決定済みの請求を直す場合は、先に市町村等へ過誤申立をする1
- 請求が正しいのに返戻になる場合(台帳の未登録・誤登録の可能性)は、市町村等または指定権者に状況を確認する1
警告(一次審査処理結果票)との違い#
警告となった請求は「一次審査処理結果票」に載り、支払いは行われます(同じ請求が返戻等一覧表にも載った場合を除く)。ただし内容に応じて、過誤(取下げ)をして再請求すべきかの確認が必要です1。警告の一部は令和7年11月審査分から返戻へ移行する予定とされています。詳しくは「警告から返戻に移行するエラーコード(令和7年11月審査)」を参照してください。
よくある質問#
Q. 返戻になった請求は、いつ請求し直せますか?#
返戻になった請求は支払われないので、内容を確認・訂正して改めて請求します1。請求の締切は「国保連への請求手続きと15日ルール」も参照してください。
Q. 受給者証どおりに請求したのに返戻になりました。#
受給者台帳は市町村等が登録している情報なので、台帳の未登録・誤登録の可能性があります。請求内容が正しければ、市町村等に状況を確認してください1。
Q. 同じ請求を2回送ってしまいました。#
1回目の送信分だけが受け付けられ、2回目以降は返戻(EC01)になります。2回の内容が同じなら対応は不要です。1回目に誤りがある場合は、市町村等へ過誤申立をしてください1。