グループホーム(共同生活援助)の看護職員配置加算は、指定基準の人員に加えて看護職員を常勤換算で1以上配置した事業所が、1日につき70単位を算定する加算です1。日常的な健康管理や医療機関との連絡調整を事業所の中で行える体制を評価するもので、算定すると、医療連携体制加算((Ⅵ)を除く)は算定できなくなります2。本記事では、報酬告示と留意事項通知に沿って、要件と医療連携体制加算との関係を整理します。
結論:要件の早見表#
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 70単位(1日につき) |
| 対象 | 介護サービス包括型・日中サービス支援型・外部サービス利用型の共同生活援助 |
| 配置 | 指定基準の員数に加え、専従の看護職員を常勤換算で1以上 |
| 複数の住居がある場合 | 常勤換算で1以上かつ利用者数÷20以上 |
| 行う支援 | 健康管理、看護の提供、医療機関との連絡調整・受診支援、常時の連絡体制、重度化対応の指針と入居時の説明・同意(ア〜オ) |
| 届出 | 都道府県知事に届け出る |
| 医療連携体制加算 | 算定する事業所は医療連携体制加算((Ⅵ)を除く)の算定対象外 |
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算定要件#
看護職員を常勤換算で1以上#
報酬告示は、指定基準に定める員数の従業者に加え、看護職員を常勤換算方法で1以上配置しているものとして都道府県知事に届け出た事業所が、1日につき70単位を算定するとしています1。
留意事項通知は、この看護職員を「専ら当該指定共同生活援助事業所等の職務に従事する」者としています2。常勤換算の数え方は「人員配置の利用者数と常勤換算の数え方」を参照してください。
複数の共同生活住居がある場合#
複数の共同生活住居をもつ事業所では、適切な支援に必要な人員を確保する観点から、看護職員の員数が常勤換算で1以上かつ利用者の数を20で除して得た数以上であることが必要です2。
計算例:住居が3か所で利用者の数が30人の事業所 30 ÷ 20 = 1.5 → 看護職員を常勤換算で1.5以上配置する必要があります(1以上という条件より大きいので、1.5が基準になります)。
行う支援(ア〜オ)#
この加算は、看護職員の配置により、日常的な健康管理、看護の提供、喀痰吸引等に係る指導、医療機関との連絡調整等を行える体制を整備する事業所を評価するものです。そのため、算定する事業所は、利用者の状況に応じて次の支援を行うとされています2。
- ア 利用者に対する日常的な健康管理
- イ 医療ニーズが必要な利用者への看護の提供等
- ウ 定期または緊急時における医療機関との連絡調整および受診等の支援
- エ 看護職員による常時の連絡体制の確保
- オ 重度化した利用者の対応に係る指針の作成、および入居時における利用者または家族への説明と同意
医療連携体制加算との関係#
看護職員配置加算を算定する事業所は、医療連携体制加算(医療連携体制加算(Ⅵ)を除く)の算定対象になりません2。報酬告示の医療連携体制加算の注も、(Ⅵ)以外の区分(注1〜5・注7)で、看護職員配置加算を算定している利用者((Ⅴ)は算定している場合)については算定しないとしています3。
| 加算 | 内容 | 看護職員配置加算との併算定 |
|---|---|---|
| 医療連携体制加算(Ⅰ)〜(Ⅳ) | 医療機関等との連携により、外部の看護職員が訪問して看護を行う | できない23 |
| 医療連携体制加算(Ⅴ) | 外部の看護職員が訪問して、認定特定行為業務従事者に喀痰吸引等の指導を行う | できない23 |
| 医療連携体制加算(Ⅵ) | 認定特定行為業務従事者が喀痰吸引等を行う | 看護職員配置加算による除外の対象外23 |
| 医療連携体制加算(Ⅶ) | 施設基準に適合するものとして届け出た事業所の区分 | できない23 |
事業所に看護職員を置く(看護職員配置加算)か、外部の医療機関と連携して看護職員に訪問してもらう(医療連携体制加算(Ⅰ)〜(Ⅴ))かは、どちらか一方を選ぶ構造です。医療連携体制加算の各区分の要件と単位数は、この記事では扱いません。
医療的ケアが必要な利用者を受け入れる体制を評価する加算には、医療的ケア対応支援加算もあります。詳しくは「グループホームの重度障害者支援加算と医療的ケア対応支援加算」を参照してください。
サービスコード#
請求ソフトや国保連の帳票では「生援看護職員配置加算」(サービスコード 336640、70単位)と表示されます4。
実務チェックリスト#
- 指定基準の人員(世話人・生活支援員・サービス管理責任者など)とは別に、看護職員を配置しているか
- 看護職員は専ら当該事業所の職務に従事しているか(他の事業所・職務との兼務になっていないか)
- 常勤換算で1以上か。複数の住居がある場合は、利用者数÷20以上も満たしているか
- 健康管理・看護・医療機関との連絡調整と受診支援・常時の連絡体制の記録を残しているか
- 重度化した利用者の対応に係る指針を作成し、入居時に利用者または家族に説明して同意を得ているか
- 医療連携体制加算((Ⅵ)以外)を同時に請求していないか
- 都道府県知事への届出を済ませたか(算定開始月は届出日で決まる。「加算の体制届は15日までに」)
よくある質問#
Q. 看護職員は非常勤でもよいですか?#
要件は「常勤換算方法で1以上」なので、非常勤の看護職員を複数人あわせて常勤換算1以上にすることもできます1。ただし、専ら当該事業所の職務に従事する看護職員であることが必要です2。
Q. 住居が1か所のグループホームでも利用者数÷20の基準はかかりますか?#
利用者数÷20以上という基準は、留意事項通知が「複数の共同生活住居を有する」事業所について定めているものです2。住居が1か所なら、常勤換算で1以上が要件です1。
Q. 看護職員配置加算と医療連携体制加算(Ⅵ)は両方算定できますか?#
留意事項通知は、看護職員配置加算の算定対象事業所は医療連携体制加算の算定対象とならないとしつつ、(Ⅵ)をその除外から外しています2。告示の(Ⅵ)の注も、算定しない場合として医療的ケア対応支援加算と(Ⅰ)〜(Ⅳ)を挙げるだけで、看護職員配置加算は挙げていません3。(Ⅵ)は、認定特定行為業務従事者が喀痰吸引等を行った場合の区分です3。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第15 共同生活援助 1の4の3 看護職員配置加算1
- 留意事項通知 共同生活援助 ⑩看護職員配置加算の取扱い(p.344-345)2
- 報酬告示 別表 第15の7 医療連携体制加算 注3
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(報酬告示・平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第15 1の4の3 看護職員配置加算 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」共同生活援助 ⑩看護職員配置加算の取扱い(pp.344-345) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
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報酬告示 別表 第15の7 医療連携体制加算 注1〜7(注1〜5・注7は看護職員配置加算を算定している利用者等は算定しない。注6=(Ⅵ)は医療的ケア対応支援加算と(Ⅰ)〜(Ⅳ)のみを除外) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード(令和8年6月施行)」Excel版 分冊2 共同生活援助のシート (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696437.xlsx) ↩
