グループホーム(共同生活援助)には、利用者・家族・地域住民の代表者・市町村の担当者などで構成する地域連携推進会議を開き、おおむね年1回以上事業の運営状況を報告して要望や助言を聴くこと、おおむね年1回以上その構成員に事業所を見学してもらうこと、その記録を作成して公表することが義務付けられています1。令和6年度の基準改正で新設され、令和7年3月31日までの経過措置(努力義務)を経て、現在は義務です2。本記事では、指定基準(171号)と解釈通知に沿って、会議の構成・回数・見学・記録の扱いを整理します。
結論:やることの早見表#
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会議の開催と報告 | 地域連携推進会議を開き、おおむね1年に1回以上、事業の運営に係る状況を報告し、要望・助言等を聴く1 |
| 構成員 | 利用者とその家族、地域住民の代表者、共同生活援助について知見を有する者、市町村の担当者等1 |
| 開催方法 | テレビ電話装置等(ウェブ会議)を活用できる12 |
| 見学 | 会議とは別に、おおむね1年に1回以上、構成員が事業所を見学する機会を設ける。複数の住居(サテライト型住居を含む)があれば住居ごと12 |
| 記録 | 報告・要望・助言等の記録を作成し、公表する1。5年間保存2 |
| 代替 | 外部の者による評価(第三者評価等)とその公表等を講じていれば、会議・見学・記録の公表の規定は適用しない1 |
| 対象 | 介護サービス包括型(第210条の7)、日中サービス支援型(第213条の10)、外部サービス利用型(第213条の22で準用)13 |
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会議の目的と構成員#
構成員は、指定基準では「利用者及びその家族、地域住民の代表者、共同生活援助について知見を有する者並びに市町村の担当者等」です1(解釈通知は「福祉や経営について知見を有する者」と表現しています2)。
- 利用者・利用者家族・地域住民の代表者は必ず参画することが望ましいとされています。市町村の担当者等は、市町村に多数の施設等がある場合など出席が難しい場合もあるため、可能な範囲での出席が望まれるとされています4。
- 「市町村の担当者」は、事業所の所在市町村の担当者です(利用者の支給決定を行う市町村ではありません)4。
解釈通知は、地域連携推進会議を、事業所が利用者・家族・地域住民の代表者・知見を有する者・市町村の担当者等に対して提供しているサービス内容等を明らかにし、地域との連携により、効果的な事業運営、サービスの透明性と質の確保、利用者の権利擁護等を目的として設置するものとしています2。
- 各事業所が自ら設置します2。
- 事業所の指定申請時に、すでに設置されているか、確実な設置が見込まれることが必要です2。
- ウェブ会議システム等で開催できますが、厚生労働省の「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン」等を守る必要があります2。
見学は住居ごとに#
会議の開催とは別に、おおむね1年に1回以上、地域連携推進会議の構成員(地域連携推進員)が事業所を見学する機会を設けます12。
- 複数の共同生活住居(サテライト型住居を含む)がある場合は、すべての住居に外部の目を入れて透明性を確保する必要があるため、住居ごとにおおむね年1回以上の見学の機会を設けなければなりません2。
- 居室の見学は、その居室の利用者の了承を得た上でなければ行えません2。
記録の作成・公表と5年保存#
第三者評価で代えられる#
事業所が、提供するサービスの質について外部の者による評価を受け、その実施状況を公表している場合(またはこれに準ずる措置として都道府県知事が定めるものを講じている場合)は、会議の開催・見学・記録の公表の規定は適用されません1。この場合は、第三者評価等の実施状況(実施した直近の年月日、評価機関の名称、評価結果)を公表し、その記録を5年間保存します2。
日中サービス支援型は協議会等への報告も必要#
日中サービス支援型の事業者は、地域連携推進会議に加えて、協議会(法第89条の3第1項)等に対し、定期的に事業の実施状況と、地域連携推進会議での報告・要望・助言等の内容または第三者評価の結果等を報告し、協議会等の評価を受け、要望・助言等を聴く機会を設けなければなりません。その記録も整備します3。この協議会等への報告は、第三者評価で代えることができない点が、介護サービス包括型との違いです3。
経過措置は終了#
地域連携推進会議の設置等の義務付けには1年間の経過措置があり、令和7年3月31日までは努力義務とされていました2。現在は義務です。
実務チェックリスト#
- 構成員(利用者・家族・地域住民の代表者・共同生活援助について知見を有する者・市町村の担当者等)を決め、会議を設置したか
- おおむね年1回以上、会議で事業の運営状況を報告し、要望・助言等を聴いたか
- おおむね年1回以上、構成員の見学の機会を設けたか。複数の住居(サテライト型を含む)があれば住居ごとに設けたか
- 居室を見学してもらう場合、その居室の利用者の了承を得たか
- 会議の報告・要望・助言等の記録を作成し、公表したか。5年間保存しているか
- 第三者評価で代える場合、評価の実施状況(直近の実施年月日・評価機関名・結果)を公表し、記録を保存しているか
- 日中サービス支援型の場合、協議会等への定期報告と評価の受審、その記録の整備をしているか
よくある質問#
Q. 会議はオンラインで開いてもよいですか?#
テレビ電話装置等を活用して行うことができます1。個人情報の保護に関するガイドライン等を守る必要があります2。
Q. 住居が5か所あります。見学は年5回必要ですか?#
複数の共同生活住居がある場合は、住居ごとにおおむね年1回以上、見学の機会を設けなければならないとされています2。すべての住居が年1回以上、見学の対象になる必要があります。
Q. 第三者評価を受けていれば、会議を開かなくてもよいですか?#
外部の者による評価とその実施状況の公表等を講じている場合は、会議の開催・見学・記録の公表の規定は適用されません1。ただし、日中サービス支援型の協議会等への報告義務は残ります3。
Q. 会議の記録はどこで公表すればよいですか?#
指定基準は公表の方法を定めていませんが1、厚生労働省のQ&Aは、ホームページや広報誌への掲載、事業所内への掲示など、多くの者が閲覧可能となるよう広く公表することが望ましいとしています5。
Q. 構成員は全員が毎回出席しなければなりませんか?#
Q&Aは、利用者・利用者家族・地域住民の代表者は必ず参画することが望ましく、市町村の担当者等は可能な範囲での出席が望まれるとしています4。
制度上の根拠#
- 指定基準(平成18年厚生労働省令第171号)第210条の7(地域との連携等)、第213条の10(日中サービス支援型)、第213条の22(外部サービス利用型への準用)13
- 解釈通知(障発第1206001号)第十五 共同生活援助 運営に関する基準(地域との連携等)pp.228-230、日中サービス支援型 pp.242-2432
- 令和6年度報酬改定等に関するQ&A VOL.1 問48・問49、VOL.3 問1245
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第210条の7(地域との連携等)、第213条の22(準用) (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16
-
厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(解釈通知・障発第1206001号)共同生活援助 地域との連携等(pp.228-230:会議の目的・設置・ウェブ開催・住居ごとの見学・居室見学の了承・記録の5年保存・第三者評価の公表・経過措置)、日中サービス支援型(pp.242-243) (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472116.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18
-
同 第213条の10(日中サービス支援型指定共同生活援助の地域との連携等) (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日)問48・問49(p.19) (https://www.mhlw.go.jp/content/001260473.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.3」(令和6年5月10日)問12(p.6) (https://www.mhlw.go.jp/content/001253308.pdf) ↩ ↩2