グループホーム(共同生活援助)の利用者が入院したり、家族の家に外泊したりしたときに、事業所が入院先を訪問して支援したり、帰省の調整をしたりした場合に算定できるのが、入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算・帰宅時支援加算・長期帰宅時支援加算の4つです1。月単位で算定する加算と日単位で算定する加算があり、同じ月に併算定できない組み合わせがあります。本記事では、報酬告示と留意事項通知に沿って、単位数と算定のルールを整理します。
結論:4つの加算の単位数#
| 加算 | 算定のしかた | 単位数 |
|---|---|---|
| 入院時支援特別加算 | 1月に1回。その月の入院期間の日数の合計で区分 | 3日以上7日未満 561単位/7日以上 1,122単位 |
| 長期入院時支援特別加算 | 1日につき。1月の入院期間が2日を超える部分 | 介護サービス包括型 122単位/日中サービス支援型 150単位/外部サービス利用型 76単位 |
| 帰宅時支援加算 | 1月に1回。その月の外泊期間の日数の合計で区分 | 3日以上7日未満 187単位/7日以上 374単位 |
| 長期帰宅時支援加算 | 1日につき。1月の外泊期間が2日を超える部分 | 介護サービス包括型 40単位/日中サービス支援型 50単位/外部サービス利用型 25単位 |
入院期間・外泊期間は、いずれも初日と最終日を除いた日数で数えます1。
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入院時支援特別加算(561/1,122単位)#
準用される留意事項通知は、この加算を、長期間にわたる入院療養または頻回の入院療養が必要な利用者に対し、従業者が病院・診療所を訪問して入院期間中の被服等の準備や相談支援などの日常生活上の支援を行い、退院後の円滑な生活移行が可能となるよう病院・診療所と連絡調整を行った場合に、1月の入院日数の合計に応じて加算するものとしています2。
算定要件#
報酬告示は、次のすべてを満たす場合に、1月に1回を限度として算定するとしています1。
- 家族等から入院に係る支援を受けることが困難な利用者が、病院または診療所に入院したこと(事業所と同一敷地内に併設する病院・診療所への入院は除く)
- 事業所に置くべき従業者のうちいずれかの職種の者が、共同生活援助計画等に基づき、入院先の病院・診療所を訪問したこと
- 病院・診療所との連絡調整、被服等の準備その他の日常生活上の支援を行ったこと
区分と訪問回数#
| 区分 | その月の入院期間(初日・最終日を除く) | 必要な訪問回数 | 単位数 |
|---|---|---|---|
| イ | 3日以上7日未満 | 少なくとも1回以上 | 561単位 |
| ロ | 7日以上 | 少なくとも2回以上 | 1,122単位 |
入院期間が7日以上でも、**訪問が1回だけならイ(561単位)**を算定します2。留意事項通知は、グループホームのこの加算について宿泊型自立訓練の取扱いを準用するとしています32。
月をまたぐ入院#
入院期間が複数月にまたがる場合、2月目にその月の入院日数の合計が3日に満たなければ、2月目はこの加算を算定しません2。
長期入院時支援特別加算(1日122/150/76単位)#
入院時支援特別加算と同じ要件(家族等からの支援が困難・併設医療機関を除く・従業者の訪問と日常生活上の支援)で、1月の入院期間(初日・最終日を除く)が2日を超える場合に、その超える期間について1日につき算定します1。
- 単位数は事業所の類型で異なります:介護サービス包括型 122単位、日中サービス支援型 150単位、外部サービス利用型 76単位13。
- 継続して入院している場合は、告示上入院した初日から起算して3月が限度です1。留意事項通知も、1回の入院で月をまたぐ場合は、当該加算を算定できる期間の属する月を含め最大3月間まで算定できるとしています。2月目以降はその月の2日目までは算定できません2。
- 入院時支援特別加算を算定する月は算定できません。ただし、最初の月に入院時支援特別加算を算定した場合でも、1回の入院の2月目以降の月に長期入院時支援特別加算を算定することはできます(逆も同様)12。
- 長期帰宅時支援加算と同じ日には算定できません2。
帰宅時支援加算(187/374単位)#
利用者が共同生活援助計画等に基づき家族等の居宅等に外泊した場合に、1月に1回を限度として、その月の外泊期間の日数の合計に応じて算定します1。
| 区分 | その月の外泊期間(初日・最終日を除く) | 単位数 |
|---|---|---|
| イ | 3日以上7日未満 | 187単位 |
| ロ | 7日以上 | 374単位 |
- 準用される留意事項通知では、事業所が帰省に伴う家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行った場合に算定するとされています2。
- 帰省している間は、家族等と連携して居宅等での生活状況を把握し、その内容を記録します。必要に応じて計画を見直します2。
- 外泊が複数月にまたがる場合、2月目にその月の外泊日数の合計が3日に満たなければ、2月目は算定しません2。
長期帰宅時支援加算(1日40/50/25単位)#
家族等の居宅等への外泊で、1月の外泊期間(初日・最終日を除く)が2日を超える場合に、その超える期間について1日につき算定します1。
- 単位数:介護サービス包括型 40単位、日中サービス支援型 50単位、外部サービス利用型 25単位13。
- 継続して外泊している場合は、外泊した初日から起算して3月が限度です1。2月目以降は、その月の2日目までは算定できません2。
- 帰宅時支援加算を算定する月(期間)は算定できません。最初の月に帰宅時支援加算を算定した場合でも、1回の外泊の2月目以降の月に長期帰宅時支援加算を算定することはできます12。
- 長期入院時支援特別加算と同じ日には算定できません2。
算定できない利用者#
共同生活援助サービス費(Ⅱ)、日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅱ)、日中サービス支援型の体験的な利用(報酬告示第15の1の2の注6)、外部サービス利用型共同生活援助サービス費(Ⅲ)を算定している利用者で、病院または入所施設に入院・入所している者については、この4つの加算を算定できません3。体験的な入居中の利用者が入院した場合、入院中の支援は元の病院・入所施設が行うためです3。
計算例#
例1:介護サービス包括型・月の途中に入院 4月10日に入院し、4月20日に退院。入院期間(初日・最終日を除く)は11日〜19日の9日。期間中に2回訪問し、被服の準備と病院との連絡調整を行った。 → 7日以上・訪問2回以上なので、入院時支援特別加算(ロ)1,122単位(4月は長期入院時支援特別加算は算定しない)。
例2:同じ入院で訪問が1回だった場合 → 入院期間が7日以上でも、訪問1回なので入院時支援特別加算(イ)561単位2。
例3:介護サービス包括型・前月から入院が続いている月 入院が前月から続き、5月は1日から31日まで入院していた(入院初日から3月以内)。5月は入院時支援特別加算を算定せず、長期入院時支援特別加算を算定する場合、その月の3日目以降が対象なので、3日〜31日の 29日 × 122単位 = 3,538単位。
例4:日中サービス支援型・お盆の帰省 8月11日に帰省し、8月17日に戻った。外泊期間(初日・最終日を除く)は12日〜16日の5日。事業所が家族との日程調整と交通手段の手配を行い、帰省中の様子を記録した。 → 3日以上7日未満なので、帰宅時支援加算(イ)187単位。
サービスコード#
| 加算 | 区分 | サービスコード |
|---|---|---|
| 入院時支援特別加算 | イ/ロ | 335660/335661 |
| 長期入院時支援特別加算 | 包括型/日中支援型/外部利用型 | 335663/335664/335662 |
| 帰宅時支援加算 | イ/ロ | 335670/335671 |
| 長期帰宅時支援加算 | 包括型/日中支援型/外部利用型 | 335673/335674/335672 |
請求ソフトや国保連の帳票では「生援入院時支援特別加算1」のように表示されます4。
実務チェックリスト#
- 入院した利用者について、家族等からの入院に係る支援を受けることが困難かを確認し、記録したか
- 入院先が事業所と同一敷地内に併設する病院・診療所でないか
- 入院先を訪問した日と回数、支援の内容(被服等の準備・相談支援・入退院の手続・家族等への連絡調整など)を記録したか
- 入院期間・外泊期間を初日と最終日を除いて数えたか
- 7日以上の入院で1,122単位を算定するとき、訪問が2回以上あるか
- 同じ月に「入院時支援特別加算と長期入院時支援特別加算」「帰宅時支援加算と長期帰宅時支援加算」を重ねていないか
- 長期入院時支援特別加算と長期帰宅時支援加算を同じ日に重ねていないか
- 継続入院・継続外泊が初日から3月を超えていないか
- 帰省について、家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行い、帰省中の生活状況を記録したか
よくある質問#
Q. 入院先を訪問せず、電話で病院と連絡調整しただけでも算定できますか?#
算定要件は、従業者が入院先の病院・診療所を訪問し、連絡調整や日常生活上の支援を行うことです1。訪問の回数もイは1回以上、ロは2回以上と定められています2。
Q. 入院期間は入院日から数えますか?#
入院の初日と最終日を除いた日数で数えます1。たとえば10日に入院して20日に退院した場合は、11日〜19日の9日です。
Q. 入院時支援特別加算と長期入院時支援特別加算は、同じ入院で両方算定できますか?#
同じ月にはどちらか一方しか算定できません1。1回の入院が月をまたぐ場合は、最初の月に一方を算定していても、2月目以降の月にもう一方を算定することができます2。
Q. 利用者が友人の家に泊まった場合も帰宅時支援加算の対象ですか?#
告示は「家族等の居宅等において外泊した場合」で、共同生活援助計画等に基づくことが要件です1。どこまでを「家族等の居宅等」とするかの具体例は告示・通知に示されていないので、計画への位置付けとあわせて指定権者に確認してください。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第15 共同生活援助 3 入院時支援特別加算、3の2 長期入院時支援特別加算、4 帰宅時支援加算、5 長期帰宅時支援加算1
- 留意事項通知 共同生活援助 ㉑〜㉔(宿泊型自立訓練の取扱いを準用、算定できない利用者)3
- 留意事項通知 宿泊型自立訓練 入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算・帰宅時支援加算・長期帰宅時支援加算の取扱い(準用元)2
Footnotes#
-
厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(報酬告示・平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第15 共同生活援助 3〜5 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17
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同 宿泊型自立訓練 入院時支援特別加算・長期入院時支援特別加算・帰宅時支援加算・長期帰宅時支援加算の取扱い(pp.234-239:訪問回数、複数月にまたがる場合、併算定、記録) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17
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厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」共同生活援助 ㉑入院時支援特別加算〜㉔長期帰宅時支援加算の取扱い(pp.372-374)、体験的な利用の場合の取扱い(p.332) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
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厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード(令和8年6月施行)」Excel版 分冊2「10共同生活援助(その他)」シート (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696437.xlsx) ↩
