**自立訓練(機能訓練)の基本報酬(機能訓練サービス費)**は、通所で行う(Ⅰ)が利用定員5区分(定員20人以下819単位〜81人以上629単位)、居宅を訪問して行う(Ⅱ)が所要時間と内容の3区分(1時間未満265・1時間以上606・視覚障害者に対する専門的訓練779単位)で、ほかに共生型・基準該当(各721単位)があります1。令和6年度改定では、頸髄損傷による四肢麻痺等の利用者や社会生活の自立度評価指標(SIM)を活用して評価・公表する事業所を評価するリハビリテーション加算(Ⅰ)48単位が新設されました12。
機能訓練は標準利用期間が1年6か月(頸髄損傷による四肢の麻痺等は3年)のサービスで、利用者の平均利用期間が標準利用期間+6か月を超えると基本報酬が**95%**に減算されます13。本記事では、基本報酬の全単位数、(Ⅰ)(Ⅱ)の使い分け、減算、リハビリテーション加算の要件、主な加算を告示と留意事項通知に沿って整理します。標準利用期間と支給決定の更新は標準利用期間と支給決定更新を参照してください。
機能訓練とは(対象と期間)#
指定基準は、機能訓練を「利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、規則第6条の6第1号に規定する期間にわたり、身体機能又は生活能力の維持、向上等のために必要な訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行うもの」と定めています4。施行規則第6条の6第1号が定める期間(標準利用期間)は1年6か月間で、頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある場合は3年間です3。支給決定の更新や超過減算の実務は標準利用期間と支給決定更新にまとめています。
人員は、看護職員・理学療法士・作業療法士または言語聴覚士・生活支援員の総数が常勤換算で利用者数の6分の1以上、看護職員・PT/OT/ST・生活支援員がそれぞれ1人以上、サービス管理責任者が利用者60人以下で1人以上です4。
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基本報酬の全単位数(1日につき)#
機能訓練サービス費(Ⅰ)通所#
| 利用定員 | 単位数 | 地方公共団体設置(1000分の965) | コード |
|---|---|---|---|
| 20人以下 | 819 | 790 | 41-1151 |
| 21〜40人 | 732 | 706 | 41-1111 |
| 41〜60人 | 695 | 671 | 41-1121 |
| 61〜80人 | 667 | 644 | 41-1131 |
| 81人以上 | 629 | 607 | 41-1141 |
利用者を通所させて機能訓練を提供した場合、または施設入所支援を併せて利用する者に機能訓練を提供した場合に算定します15。
機能訓練サービス費(Ⅱ)訪問#
| 区分 | 単位数 | コード |
|---|---|---|
| 所要時間1時間未満 | 265 | 41-1211 |
| 所要時間1時間以上 | 606 | 41-1221 |
| 視覚障害者に対する専門的訓練 | 779 | 41-1231 |
(Ⅱ)は、自立訓練(機能訓練)計画に基づき、日中活動サービスを利用する日以外の日に利用者の居宅を訪問して機能訓練を提供した場合に算定します5。所要時間は実際に要した時間ではなく、計画に位置付けられた内容の訓練を行うのに要する標準的な時間で算定します1。留意事項通知は「居宅を訪問して提供した場合」の内容を次のとおり示しています5。
- 運動機能及び日常生活動作能力の維持・向上を目的として行う各種訓練等とこれらに関する相談援助
- 食事、入浴、健康管理等の居宅における生活に関する訓練と相談援助
- 住宅改修に関する相談援助
- その他必要な支援
**視覚障害者に対する専門的訓練(779単位)**は、視覚障害者である利用者に対し、歩行訓練士(国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科、国の委託による視覚障害生活訓練指導員研修、またはこれに準ずる歩行訓練・生活訓練の技術者養成研修を修了した者)が行う歩行訓練や日常生活訓練等で、その従業者が居宅を訪問する体制について届出を行った事業所で算定します15。
共生型・基準該当#
共生型機能訓練サービス費と基準該当機能訓練サービス費はいずれも721単位です。共生型は介護保険の通所介護事業所等である共生型自立訓練(機能訓練)事業所に通所させた場合、基準該当は通所介護事業所等または病院等基準該当自立訓練(機能訓練)事業所に通所させた場合に算定します15。共生型事業所がサービス管理責任者を1人以上配置し地域に貢献する活動を行っている場合は、1日58単位(サービス管理責任者配置等加算)を加算します15。
減算と算定の制限#
| 減算 | 内容 |
|---|---|
| 地方公共団体設置 | (Ⅰ)・共生型は所定単位数の1000分の9651 |
| 定員超過・人員欠如 | 利用者数または従業者数が告示第550号の基準に該当する場合、定める割合1(定員超過利用減算・人員欠如減算) |
| 計画未作成 | 自立訓練(機能訓練)計画が作成されていない:3月未満70%、3月以上50%1 |
| 標準利用期間超過 | 利用開始から1年以上の利用者のサービス利用期間の平均が、標準利用期間に6月を加えた期間を超えている:95%1 |
| 情報公表未報告 | 5%(指定障害者支援施設は10%)1 |
| 業務継続計画未策定 | 1%(指定障害者支援施設は3%)1 |
| 身体拘束廃止未実施 | 1%(指定障害者支援施設は10%)1 |
| 虐待防止措置未実施 | 1%1 |
| 他サービス利用中 | 利用者が機能訓練以外の障害福祉サービスを受けている間は算定しない1 |
訪問(Ⅱ)には特別地域加算があり、厚生労働大臣が定める地域(離島・中山間地域等)に居住する利用者の居宅を訪問した場合、1回につき所定単位数の**15%**を加算します1。
リハビリテーション加算(Ⅰ)48単位・(Ⅱ)20単位#
要件(告示の(1)〜(6))#
| 基準 | |
|---|---|
| (1) | 医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種が共同して利用者ごとのリハビリテーション実施計画を作成 |
| (2) | 実施計画に従い、医師または医師の指示を受けたPT・OT・STが機能訓練を行い、利用者の状態を定期的に記録 |
| (3) | 実施計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて見直し |
| (4) | 施設入所者については、リハビリを行う医師・PT・OT・STが看護師・生活支援員等に日常生活上の留意点・介護の工夫等の情報を伝達 |
| (5) | (4)以外の利用者については、必要に応じ、指定特定相談支援事業者を通じて居宅介護等の従業者に情報を伝達 |
| (6) | 事業所の支援プログラムの内容を公表し、利用者の生活機能の改善状況等を評価してその結果を公表 |
- (Ⅰ)48単位:(1)〜(5)に適合する事業所が、頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者で実施計画が作成されている者に機能訓練を行った場合、または**(1)〜(6)すべて**に適合する事業所が、実施計画が作成されている障害者に機能訓練を行った場合1
- (Ⅱ)20単位:(1)〜(5)に適合する事業所が、(Ⅰ)の対象以外の障害者で実施計画が作成されている者に機能訓練を行った場合。(Ⅰ)を算定している場合は算定しない1
令和6年度改定は、(Ⅰ)を「頸髄損傷による四肢麻痺等の状態にある者、または現行の要件に加えて社会生活の自立度評価指標(SIM)を活用して評価を実施等した場合」として新設しました2。
留意事項通知の運用#
- 利用者ごとに個別のリハビリテーションを行った場合に算定しますが、原則として利用者全員に対して実施すべきものです5
- 生活介護のリハビリテーション加算の規定を準用します。ただし、リハビリテーション実施計画の作成頻度は、機能訓練では概ね2週間以内および3月ごとです5。カンファレンスや計画の手順は生活介護のリハビリテーション加算を参照してください
- (Ⅰ)の生活機能の改善状況等の評価は、「リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」(平成21年3月31日障障発第0331003号)に基づき実施し、評価結果を公表していること5
サービスコードは(Ⅰ)41-6031、(Ⅱ)41-6030です6。
主な加算(単位数一覧)#
| 加算 | 単位数 | 要点 |
|---|---|---|
| 福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ) | 15/10/6単位・日 | 常勤の生活支援員に占める社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・作業療法士・公認心理師の割合35%/25%、常勤75%または3年以上30%1 |
| ピアサポート実施加算 | 100単位・月 | 障害者ピアサポート研修修了者2名以上(1名以上は障害者等)、年1回以上の研修。機能訓練サービス費(Ⅰ)または共生型を算定していること15 |
| 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 51/41単位・日 | 視覚障害者等が50%/30%以上で専門性を有する従業者を40分の1/50分の1以上加配1 |
| 高次脳機能障害者支援体制加算 | 41単位・日 | 6 |
| 初期加算 | 30単位・日 | 利用開始日から30日以内6 |
| 欠席時対応加算 | 94単位・回 | 月4回限度6 |
| 利用者負担上限額管理加算 | 150単位・月 | 1 |
| 食事提供体制加算 | 30単位・日 | 低所得者等。令和9年3月31日までの時限1 |
| 送迎加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 21/10単位・片道 | 同一敷地内は70%6 |
| 障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 500/250単位・日(拠点等+50) | 障害者支援施設等の入所者の体験利用(解説)6 |
| 社会生活支援特別加算 | 480単位・日 | 医療観察法対象者等(解説)6 |
| 就労移行支援体制加算 | 定員20人以下57〜81人以上7単位・日×前年度の就労定着者数 | 6 |
| 緊急時受入加算 | 100単位・日 | 地域生活支援拠点等6 |
| 集中的支援加算 | 1,000単位 | 月4回限度6 |
| 特別地域加算 | 所定単位数の15%・回 | 訪問(Ⅱ)のみ1 |
計算例#
その他地域(1単位10.00円)の定員20人の事業所で、頸髄損傷による四肢麻痺の利用者が通所で月20日利用し、リハビリテーション加算(Ⅰ)を算定する場合17。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 機能訓練サービス費(Ⅰ)定員20人以下 | 819単位×20日=16,380単位 |
| リハビリテーション加算(Ⅰ) | 48単位×20日=960単位 |
| 合計 | 17,340単位=173,400円 |
1級地(自立訓練の単価11.18円)なら819単位は9,156円/日です7。
よくある質問#
Q. 通所と訪問を同じ利用者に併用できますか#
(Ⅱ)は「日中活動サービスを利用する日以外の日」に居宅を訪問した場合に算定するものです5。同じ日に通所(Ⅰ)と訪問(Ⅱ)の両方を算定する規定はありません。
Q. 訪問(Ⅱ)の所要時間は実際にかかった時間ですか#
いいえ。自立訓練(機能訓練)計画に位置付けられた訓練を行うのに要する標準的な時間で算定します1。
Q. 標準利用期間超過減算はどう判定しますか#
利用開始から1年以上の利用者について、サービス利用期間(利用開始日から各月末まで)の平均が、標準利用期間(1年6か月、頸髄損傷等は3年)に6か月を加えた期間を超えている場合に95%になります1。利用開始から1年に満たない利用者は平均の計算から除きます1。
Q. リハビリテーション加算(Ⅰ)は頸髄損傷の利用者だけですか#
いいえ。頸髄損傷による四肢麻痺等の利用者は(1)〜(5)の要件で、それ以外の利用者は支援プログラムの公表と生活機能の改善状況の評価・公表(要件(6))を加えた(1)〜(6)で(Ⅰ)を算定できます1。
Q. リハビリテーション実施計画の見直しはどのくらいの頻度ですか#
機能訓練では概ね2週間以内および3月ごとです(生活介護とは異なります)5。
Q. 視覚障害者への訪問訓練(779単位)は誰が行う必要がありますか#
歩行訓練士(国リハ学院視覚障害学科・国委託の視覚障害生活訓練指導員研修・準ずる研修の修了者)が居宅を訪問する体制を届け出た事業所で、その従業者が訪問して行った場合です15。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第10の1 機能訓練サービス費(注1〜5)、第10の1の2・1の3・2・4の2・4の7 等1
- 留意事項通知 第二の3(1)機能訓練サービス費 ①(区分)・③(ピアサポート)・⑧(リハビリテーション加算)(p.216〜222)5
- 標準利用期間(施行規則第6条の6第1号)3
- サービスコード表(令和8年6月施行版)分冊2 p.79〜806
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容 p.282
- 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第155条・第156条・第162条4
- 単価告示(平成18年厚生労働省告示第539号)7
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第10 自立訓練(機能訓練) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24 ↩25 ↩26 ↩27 ↩28 ↩29 ↩30 ↩31 ↩32 ↩33
-
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」p.28(自立訓練:SIMの活用と報酬上の評価、リハビリテーション加算(Ⅰ)48単位の一部新設) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2 ↩3
-
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則」(平成18年厚生労働省令第19号)第6条の6第1号 (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100019) ↩ ↩2 ↩3
-
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第155条(基本方針)、第156条(従業者の員数)、第162条(準用:第58条 自立訓練(機能訓練)計画) (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171) ↩ ↩2 ↩3
-
厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(1)機能訓練サービス費(p.216〜222) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14
-
厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)」分冊2 自立訓練(機能訓練)p.79〜80 (https://www.mhlw.go.jp/content/001696434.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11
-
厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3