A型B型就労移行支援自立訓練

社会生活支援特別加算(480単位)の算定要件|対象者・施設基準4要件・3年の数え方(就労移行・A型・B型・自立訓練)

公開: 2026年10月7日更新: 2026年10月7日
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社会生活支援特別加算は、医療観察法の通院決定・退院許可決定を受けた人や、刑事施設・少年院などの矯正施設や更生保護施設を退所した人(いわゆる触法障害者)を日中活動系の事業所が受け入れ、特別な支援に対応した個別支援計画に基づいて地域生活のための相談支援や個別の支援を行った場合に、1日につき480単位を加算するものです1。算定できるのは自立訓練(機能訓練・生活訓練)・就労移行支援・就労継続支援A型・B型の6サービスで、支援を開始した日から3年以内が算定期間です1。

共同生活援助(グループホーム)・宿泊型自立訓練・施設入所支援で同じ対象者を支援する場合は、地域生活移行個別支援特別加算(670単位等)が対応します。本記事は通所系の社会生活支援特別加算について、対象者・施設基準4要件・3年の数え方を告示と留意事項通知の原文に沿って整理します。

単位数と算定できるサービス#

サービス報酬告示の位置単位数サービスコード
自立訓練(機能訓練)第10の8の2480単位・日41 6880
自立訓練(生活訓練)第11の12の2480単位・日42 6880
就労移行支援第12の15の4480単位・日43 6880
就労移行支援(養成施設)第12の15の4480単位・日44 6880
就労継続支援A型第13の14の3480単位・日45 6880
就労継続支援B型第14の16の2480単位・日46 6880

単位数は6サービスとも480単位で、いずれも「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届出を行った事業所」が、「厚生労働大臣が定める者」に対して、特別な支援に対応した個別支援計画(自立訓練計画・就労移行支援計画・就労継続支援A型計画・B型計画)に基づき、地域生活のための相談支援や個別の支援を行った日に算定します1。サービスコードは令和8年6月施行版のコード表で6サービスとも項目番号6880です2。

生活介護には社会生活支援特別加算の規定がありません12。生活介護の利用者で同じ対象者を受け入れる場合、通所側で算定できる加算はなく、居住側(グループホーム・施設入所支援)の地域生活移行個別支援特別加算で評価されます。

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対象者(厚生労働大臣が定める者)#

告示第556号は、対象者を次のとおり定めています3。

  • 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)第42条第1項第2号または第51条第1項第2号に基づく入院によらない医療を受ける者
  • 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第3条に規定する刑事施設、または少年院法第3条に規定する少年院からの釈放に伴い、関係機関と調整の結果、受け入れた者であって、釈放から3年を経過していないもの
  • これらに準ずる者

留意事項通知は、これを実務の言葉で次のように示しています4。

  • 医療観察法に基づく通院決定または退院許可決定を受けてから3年を経過していない者(通院期間が延長された場合は、その延長期間を限度)
  • 矯正施設または更生保護施設を退所等した後3年を経過していない者であって、保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により事業所を利用することになった者

つまり、本人が自主的に通い始めただけでは対象になりません。保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整を経て利用に至ったことが要件です4。

退所後しばらく在宅で過ごしてから利用を始めた場合#

矯正施設からの退所等の後、一定期間居宅で生活した後に、3年以内に保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により利用することになった場合は、事業所の利用を開始してから3年以内で必要と認められる期間が算定対象です4。退所日から数えるのではなく、利用開始日から数えます。

施設基準(4要件)#

告示第551号は、自立訓練(機能訓練)の基準(第十号ハ)を定め、生活訓練・就労移行支援・A型・B型はこれを準用します5。次の4点すべてに適合し、指定権者に届出を行う必要があります。

要件原文の要旨
(1)人員指定基準上置くべき従業者に加え、対象者に対する適切な支援を行うために必要な数の生活支援員を配置することが可能であること
(2)有資格者の指導体制社会福祉士、精神保健福祉士または公認心理師の資格を有する者を事業所に配置すること、または指定医療機関その他の関係機関から当該資格を有する者を事業所に訪問させることにより、対象者への支援について有資格者による指導体制が整えられていること
(3)研修従業者に対し、医療観察法に基づく入院によらない医療を受けている者または刑事施設・少年院を釈放された障害者の支援に関する研修が年1回以上行われていること
(4)協力体制保護観察所、更生保護施設、指定医療機関または精神保健福祉センターその他関係機関との協力体制が整えられていること

留意事項通知は、各要件の運用を次のように補足しています4。

  • (1)人員:あらかじめ指定基準上配置すべき従業者に加えて一定数の配置を求めるものではなく、対象者の受入時に適切な支援を行うために必要な数の人員を確保することが可能であり、有資格者による指導体制と、有資格者を中心とした連携体制により適切な支援を行えることが要件です。体制については、協議会の場等で関係機関の協力体制も含めて協議しておくことが望ましいとされています。
  • (3)研修:原則として事業所の従業者全員を対象に、対象者の特性の理解、対象者が通常有する課題とそれを踏まえた支援内容、関係機関との連携等について、①医療観察法の対象者や矯正施設等を出所した障害者の支援に実際に携わっている者を講師とする事業所内研修、②既に支援実績のある事業所の視察、③関係団体が行う研修会の受講、のいずれかの方法で行います。

有資格者は常勤でなければなりませんか#

告示は「配置すること又は……訪問させること」と定めるだけで、常勤・専従の要件は置いていません5。指定医療機関や精神保健福祉センター等から社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師に訪問してもらう形でも、有資格者による指導体制として認められます5。

行うべき支援(ア〜カ)#

加算の対象となる事業所は、次の支援を行います4。

  1. 本人や関係者からの聞き取り、経過記録、行動観察等によるアセスメントに基づき、犯罪行為等に至った要因を理解し、再び犯罪行為に及ばないための生活環境の調整と必要な専門的支援(教育または訓練)が組み込まれた個別支援計画の作成
  2. 指定医療機関や保護観察所等の関係者との調整会議の開催等
  3. 日常生活や人間関係に関する助言
  4. 医療観察法に基づく通院決定を受けた者に対する通院の支援
  5. 日中活動の場における緊急時の対応
  6. その他必要な支援

報酬告示の「特別な支援に対応した計画」とは、この1の計画を指します14。通常の個別支援計画に対象者であることを書き足すだけでは足りず、要因の理解と環境調整・専門的支援が計画に組み込まれていることが求められます。

算定期間「3年」の数え方#

  • 起算日は、当該者に対し支援等を開始した日です1。
  • 医療観察法に基づく通院期間の延長が行われた場合は、延長期間が終了するまで算定できます1。
  • 3年には、他の指定障害福祉サービスを行う事業所において社会生活支援特別加算を算定した期間を含みます1。前の事業所で2年算定していた利用者を受け入れた場合、自事業所で算定できるのは残り1年です。
  • 前述のとおり、退所後に在宅期間を挟んでから利用を始めた場合は、利用開始から3年以内で必要と認められる期間です4。

計算例#

その他地域(1単位10.00円)のB型事業所で、対象者が月20日利用した場合の加算額は次のとおりです6。

項目計算
1日当たり480単位 × 10.00円 = 4,800円
月20日4,800円 × 20日 = 96,000円
1級地(就労継続支援の単価11.14円)の場合480単位 × 11.14円 = 5,347円/日

基本報酬に上乗せされ、3年を限度に利用日ごとに加算されます1。

届出#

報酬告示は「都道府県知事又は市町村長に対して障害保健福祉部長が定める様式による届出を行った」事業所に算定を認めています1。施設基準4要件を満たした上で、加算の体制届を指定権者に提出してから算定を開始します。様式と提出期限は指定権者ごとに定められているため、届出前に確認してください。

よくある質問#

Q. 生活介護でも算定できますか#

できません。報酬告示に生活介護の社会生活支援特別加算は規定されておらず、サービスコード表にも項目がありません12。

Q. 更生保護施設を退所した人は対象ですか#

対象です。留意事項通知は「矯正施設若しくは更生保護施設を退所等の後、3年を経過していない者」と明記しています4。保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整を経て利用することが要件です。

Q. 退院許可決定を受けた人(入院から通院に移行した人)は対象ですか#

対象です。留意事項通知は「医療観察法に基づく通院決定又は退院許可決定を受けてから3年を経過していない者」としています4。告示第556号では、医療観察法第42条第1項第2号(通院決定)と第51条第1項第2号(退院許可とともに入院によらない医療を受ける決定)に基づく医療を受ける者と定めています3。

Q. 保護観察所との調整なしに、本人が自分で見学に来て契約した場合は#

対象外です。対象者は保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により事業所を利用することになった者に限られます4。

Q. 研修は外部の研修会への参加でもよいですか#

よいです。留意事項通知は、事業所内研修のほか、支援実績のある事業所の視察、関係団体が行う研修会の受講を方法として挙げています4。年1回以上が告示の要件です5。

Q. 以前の事業所で算定していた期間はリセットされますか#

されません。算定期間の3年には、他の事業所で社会生活支援特別加算を算定した期間を含みます1。

Q. グループホームと就労継続支援B型を併用している人はどうなりますか#

グループホーム側は地域生活移行個別支援特別加算(670単位)、B型側は社会生活支援特別加算(480単位)と、別の加算が対応します1。それぞれのサービスで施設基準・対象者要件を満たし、届出を行っている必要があります。グループホーム側の要件は地域生活移行個別支援特別加算を参照してください。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第10の8の2、第11の12の2、第12の15の4、第13の14の3、第14の16の2(480単位・対象者・3年の算定期間)1
  • 厚生労働大臣が定める者(平成18年厚生労働省告示第556号)第九(対象者の定義)3
  • 厚生労働大臣が定める施設基準(平成18年厚生労働省告示第551号)第十号ハ(4要件)、第十一号チ、第十二号ホ、第十三号ニ、第十四号リ(準用)5
  • 留意事項通知 第二の3(1)⑬(対象者・体制・研修・支援内容ア〜カ)、就労移行支援・A型・B型は準用4
  • サービスコード表(令和8年6月施行版)2、単価告示(平成18年厚生労働省告示第539号)6

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第10の8の2・第11の12の2・第12の15の4・第13の14の3・第14の16の2 社会生活支援特別加算 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14

  2. 厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)」分冊2 p.80・86・98・130・169・245(サービスコード41〜46の6880) (https://www.mhlw.go.jp/content/001696434.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  3. 厚生労働省「厚生労働大臣が定める者並びにこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める者」(平成18年厚生労働省告示第556号)第九 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8509&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3

  4. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(1)⑬ 社会生活支援特別加算の取扱い(p.223〜225)、(2)㉙(生活訓練・p.253)、就労移行支援⑱(p.273)、就労継続支援A型⑱(p.285)、就労継続支援B型㉒(p.302)は準用 (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12

  5. 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準並びにこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める施設基準」(平成18年厚生労働省告示第551号)第十号ハ(自立訓練(機能訓練))、第十一号チ(生活訓練)、第十二号ホ(就労移行支援)、第十三号ニ(就労継続支援A型)、第十四号リ(就労継続支援B型) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8504&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  6. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2

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