地域生活移行個別支援特別加算は、医療観察法の通院決定を受けた人や矯正施設・更生保護施設を退所した人(いわゆる触法障害者)を受け入れ、特別な支援に対応した個別支援計画に基づいて地域生活のための相談援助や個別支援を行う事業所を評価する加算です1。共同生活援助・宿泊型自立訓練・重度障害者等包括支援では670単位・日、施設入所支援では**(Ⅰ)12単位(体制)+(Ⅱ)306単位(対象者)で、いずれも支援開始から3年以内**(医療観察法の通院期間が延長された場合はその終了まで)が算定期間です1。就労系・生活介護・自立訓練(通所)で同じ対象者を支援する場合は社会生活支援特別加算(480単位)が対応します1。
単位数と算定できるサービス#
| サービス | 告示の位置 | 単位数 | 算定期間 |
|---|---|---|---|
| 共同生活援助 | 第15の6 | 670単位・日 | 支援開始から3年以内(通院期間延長時はその終了まで。他事業所で算定した期間を含む) |
| 宿泊型自立訓練 | 第11の5の9 | 670単位・日 | 同上 |
| 重度障害者等包括支援(包括支援として提供される共同生活援助の中で支援を行った場合) | 第4の2の6 | 670単位・日 | 同上 |
| 施設入所支援 | 第9の9 | (Ⅰ)12単位・日(届出を行った施設の単位で全入所者)、(Ⅱ)306単位・日(対象者) | (Ⅱ)は3年以内 |
| 就労移行支援・A型・B型(参考) | 第12の15の4、第13の14の3、第14の16の2 | 社会生活支援特別加算 480単位・日 | 3年以内 |
いずれも「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合」するものとして届出を行った事業所が、「厚生労働大臣が定める者」に対して算定します1。精神障害者地域移行特別加算と地域生活移行個別支援特別加算を同じ利用者に併せて算定することはできません(精神障害者地域移行特別加算の注)1。
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対象者(厚生労働大臣が定める者)#
留意事項通知(施設入所支援の項。共同生活援助・宿泊型自立訓練・重度包括は準用)は、対象者を次のとおり示しています2。
- 医療観察法に基づく通院決定を受けてから3年を経過していない者(通院期間が延長された場合はその延長期間を限度)
- 矯正施設(刑務所、拘置所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院)または更生保護施設を退所等(退院、退所、釈放、仮釈放)した後3年を経過していない者であって、保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により事業所を利用することとなった者
矯正施設からの退所等の後、一定期間居宅で生活してから3年以内に保護観察所・地域生活定着支援センターとの調整で利用することになった場合は、利用開始から3年以内で必要と認められる期間が算定対象です2。
体制要件(施設入所支援の(Ⅰ)、他サービスの施設基準)#
留意事項通知は体制について次のとおり示しています2。
- 指定基準上の従業者に加えて一定数の配置を求めるものではないが、常に新たな利用者を受け入れる可能性を踏まえた関係機関との連携等のための体制、受入時に必要な人員を確保できる体制、または有資格者による指導体制が整えられていること
- 主たる対象が精神障害である事業所では、精神科を担当する医師による月2回以上の定期的な指導体制
- 従業者に対する研修会:原則として従業者全員を対象に、対象者の特性の理解、通常有する課題とそれを踏まえた支援内容、関係機関との連携等について、矯正施設等を退所した障害者の支援に実際に携わる者を講師とする事業所内研修、支援実績のある事業所の視察、関係団体の研修会受講等の方法で行う
支援内容(アセスメントから緊急対応まで)#
加算の対象となる事業所は次の支援を行います2。
- 本人や関係者からの聞き取り、経過記録、行動観察等によるアセスメントに基づき、犯罪行為等に至った要因を理解し、これを誘発しないような環境調整と、地域生活への移行に向けた必要な専門的支援(教育または訓練)が組み込まれた個別支援計画の作成
- 指定医療機関や保護観察所等の関係者との調整会議の開催
- 日常生活や人間関係に関する助言
- 医療観察法に基づく通院決定を受けた者に対する通院の支援
- 他のサービス等を利用する時間帯も含めた緊急時の対応
- その他必要な支援
計算例#
その他地域(10.00円)の介護サービス包括型・区分4(372単位)の対象者を1日支援した場合、372+670=1,042単位、10,420円です。3年間を限度に利用日ごとに加算します1。
よくある質問#
Q. 他の事業所で既にこの加算を算定していた利用者を受け入れた場合、3年はリセットされますか?#
されません。算定期間の3年には、他の指定障害福祉サービス事業所や障害者支援施設で地域生活移行個別支援特別加算を算定した期間を含みます1。
Q. 保護観察所との調整なしに自主的に入居した人は対象ですか?#
対象者は、保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整により事業所を利用することとなった者です。調整を経ていない場合は要件を満たしません2。
Q. 精神障害者地域移行特別加算とどちらを算定しますか?#
同じ利用者に両方は算定できません(精神障害者地域移行特別加算は、地域生活移行個別支援特別加算を算定している場合は算定しない)。対象要件(医療観察法・矯正施設 vs 精神科病院1年以上入院)に応じて選びます1。詳しくは精神障害者地域移行特別加算を参照してください。
Footnotes#
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報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表介護給付費等単位数表 第15の6(共同生活援助 670単位)、第11の5の9(宿泊型自立訓練 670単位)、第4の2の6(重度障害者等包括支援 670単位)、第9の9(施設入所支援(Ⅰ)12単位・(Ⅱ)306単位)、第12の15の4・第13の14の3・第14の16の2(社会生活支援特別加算 480単位)、第15の6の2 注(精神障害者地域移行特別加算との排他) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項」第二 3(1)⑭ 地域生活移行個別支援特別加算の取扱い(p.195〜197:(Ⅰ)の体制・研修、(Ⅱ)の対象者〔医療観察法通院決定3年以内・矯正施設等退所後3年以内で保護観察所または地域生活定着支援センターとの調整〕、支援内容(ア)〜(カ))、第二 3(5)㉕(共同生活援助は準用) https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
