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定員超過減算の基準ルールと超過判定の計算方法|弾力的運用の条件も解説

公開: 2026年7月1日更新: 2026年10月19日

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定員超過減算とは#

定員超過減算は、障害福祉サービス事業所の利用者数が指定された利用定員を超過した場合に適用される減算です1。日々の利用者数の管理は事業所運営の基本であり、超過した場合は報酬の減額だけでなく、指導・監査の対象にもなります。

定員超過の判定には「1日単位」と「過去3か月平均」の2つの基準があり、いずれかに該当した場合に減算が適用されます。本記事では、定員規模ごとの判定基準や計算例を含めて詳しく解説します。


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減算率#

定員超過減算の減算率は、基本報酬の70%で算定(30%減算)です1。

項目内容
減算率所定単位数の**70%**で算定(30%減算)
減算対象減算の対象日(または月)の利用者全員分の基本報酬
加算の扱い加算は減算対象外(基本報酬のみ減算)

1日単位で判定に該当した場合はその日の全利用者、3か月平均で判定に該当した場合はその月の全利用者が減算対象となります。


減算が適用される2つの基準#

定員超過減算は、以下のいずれかの基準に該当した場合に適用されます1。

1日単位の判定#

1日の利用者実人数が、利用定員に応じた超過基準を超えた場合に、その日の利用者全員に対して減算が適用されます。

利用定員規模減算となる基準(1日の利用者数)
50人以下利用定員 × 150% を超える場合
51人以上(利用定員 − 50)× 125% + 75 を超える場合

定員20人の事業所の場合(50人以下に該当)

超過基準 = 20 × 150% = 30人

1日の利用者数が30人を超えた日は、その日の全利用者について減算が適用されます。

定員60人の事業所の場合(51人以上に該当)

超過基準 =(60 − 50)× 125% + 75 = 12.5 + 75 = 87.5人 → 計算の過程で生じる端数は切り上げるため88人1

1日の利用者数が88人を超えた日、つまり89人以上の日に減算が適用されます。

3か月平均の判定#

過去3か月間の延べ利用者数が、利用定員に応じた基準を超えた場合に、その月の利用者全員に対して減算が適用されます。

利用定員規模減算となる基準
11人以下(利用定員 + 3)× 過去3か月間の開所日数 を超える場合
12人以上利用定員 × 過去3か月間の開所日数 × 125% を超える場合

定員10人の事業所の場合(11人以下に該当、3か月間の開所日数が計60日と仮定)

超過基準 =(10 + 3)× 60 = 780人日

過去3か月間の延べ利用者数が780人日を超えた場合に減算が適用されます。

定員20人の事業所の場合(12人以上に該当、3か月間の開所日数が計60日と仮定)

超過基準 = 20 × 60 × 125% = 1,500人日

過去3か月間の延べ利用者数が1,500人日を超えた場合に減算が適用されます。

入所系サービスの基準(療養介護・短期入所・宿泊型自立訓練・施設入所支援)#

上の2つの基準は日中活動系(通所系)のものです。療養介護、短期入所、宿泊型自立訓練、施設入所支援は、留意事項通知の別の項目で、より低い倍率が定められています1。

判定利用定員減算となる基準
1日単位50人以下1日の利用者数が 利用定員 × 110% を超える
1日単位51人以上1日の利用者数が (利用定員 − 50)× 105% + 55 を超える
過去3か月定員規模を問わない過去3か月間の延べ利用者数が 利用定員 × 開所日数 × 105% を超える

1日単位で超えた場合はその1日について、過去3か月で超えた場合はその1月間について、利用者全員が減算の対象です1。たとえば定員40人の施設入所支援なら、1日の基準は 40 × 110% = 44人で、45人以上の日が減算になります。なお、短期入所で定員超過特例加算を算定している期間は、定員超過利用減算と大規模減算は適用されません1。


計算例#

定員20人の就労継続支援B型事業所で、ある月に1日だけ31人が利用した場合を想定します。

  • 1日の超過基準: 20 × 150% = 30人
  • 当日の利用者数: 31人 → 30人を超えているため減算適用
  • 基本報酬が584単位の場合: 584 × 70% = 408.8 → 409単位(1人あたり。割合を乗じる計算のたびに小数点以下を四捨五入)2
  • 1日分の影響額: (584 − 409)× 31人 = 5,425単位の減収

このように、1日の超過であっても全利用者が減算対象となるため、影響は非常に大きくなります。


定員の弾力的運用#

次の利用者は、減算の判定に使う利用者数の算定から除くことができます(留意事項通知の「利用者数の算定に当たっての留意事項」)1。

ケース内容
措置による利用者市町村が措置(身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・児童福祉法)として行った利用者を受け入れる場合は、利用者数の算定から除くことができる
定員枠外の入所者「地域生活への移行が困難になった障害者及び離職した障害者の入所施設等への受入について」通知により定員の枠外とされる入所者、災害等やむを得ない理由により定員の枠外とされる入所者は、利用者数の算定から除くことができる
一時的なアセスメント就労移行支援で、一時的にアセスメントを受ける利用者は、利用者数の算定から除くことができる

多機能型事業所の取扱いは、後述の「よくある質問」を参照してください。


対象サービス#

定員超過減算の対象は、留意事項通知が次のサービスとして挙げているものです1。

  • 療養介護
  • 生活介護
  • 短期入所
  • 施設入所支援
  • 自立訓練(機能訓練)
  • 自立訓練(生活訓練)
  • 就労選択支援
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型

共同生活援助(グループホーム)は、この通知の定員超過利用減算の対象に挙がっていません。 訪問系サービス(居宅介護等)も定員の概念がないため対象外です。障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)は別の留意事項通知で取り扱われるため、本記事の対象外です。


予防策#

日々の管理#

  • 利用者数の日次モニタリングを徹底し、定員超過のリスクを早期に把握する
  • 利用スケジュール管理で、曜日ごとの利用者数を平準化する
  • 定員の150%ライン(50人以下の場合)を常に意識した受入れ調整を行う

中長期の対応#

  • 定員に近い状態が続く場合は、定員変更の届出を検討する
  • 3か月平均を定期的に算出し、125%ライン(12人以上の場合)を超えないよう管理する
  • 体験利用の受入れを計画する場合は、利用者数への算入の扱いを指定権者に確認し、受入れ枠を事前に設定する

よくある質問#

Q. 定員20人で21人利用した日は全員が減算対象ですか?#

定員20人の場合、1日の超過基準は20 × 150% = 30人です。そのため、21人の利用では基準を超えておらず、減算は適用されません。ただし、3か月平均の基準にも注意が必要です1。

Q. 体験利用者は定員に含まれますか?#

通知が利用者数から除外できるとして挙げているのは、措置による入所者、災害等のやむを得ない事情による受入れなどに限られ、体験利用の扱いは明記されていません1。受け入れる前に、指定権者に算入の扱いを確認し、定員に余裕があることを確かめてください。

Q. 3か月平均はどの時点で判定されますか?#

通知は「直近の過去3月間」の利用者の延べ数で判定するとしています1。どの3か月を用いるか(当該月を含むか)は通知に明記されていないので、指定権者の運用を確認してください。

Q. 多機能型事業所で一方のサービスだけ超過した場合はどうなりますか?#

多機能型事業所では、1日単位の判定も過去3か月間の判定も、サービスごとに超過基準を算出します。合計定員の範囲内であっても、個別のサービスが自分の基準を超えれば減算の対象になり、他のサービスの空きと相殺することはできません1。

たとえば、生活介護20人・自立訓練(生活訓練)10人・就労継続支援B型10人(合計40人)の事業所で、1日あたりの減算の基準は、生活介護が30人、生活訓練が15人、B型が15人です。B型が16人になれば、生活介護が10人しか来ていなくても、B型の利用者全員が減算の対象になります1。

なお、過去3か月間の判定で「利用定員+3」を用いる11人以下の規定は、多機能型事業所では複数のサービスの利用定員の合計が11人以下の場合に適用されます1。

Q. 定員超過を解消した翌月は通常の報酬に戻りますか?#

1日単位の判定では超過した日のみ減算が適用されるため、超過していない日は通常の報酬で算定されます。3か月平均の判定では、3か月間の実績が基準を下回れば翌月以降は通常の報酬に戻ります1。


Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬に関する留意事項通知」(令和6年度・⑺ 定員超過に該当する場合の所定単位数の算定について、pp.15〜20) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16

  2. 厚生労働省・こども家庭庁「…基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年5月28日障発0528第1号による一部改正後)第二 1 通則(単位数算定の端数処理:割合を乗ずる計算のたびに四捨五入)p.8 (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/22e1d393/20260528_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_29.pdf) ↩

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