勤務形態一覧表(正式名「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」)は、事業所の職員一人ひとりの職種・勤務形態・資格・勤務時間を1か月分並べて、人員基準を満たしているかを示す表です。指定申請で使う様式として、国は**標準様式4(勤務体制一覧表)**を示し、「原則、変更を加えずに」活用するよう求めています1。標準様式4のExcelには、サービスごとのシートと、各項目の書き方を示した注記が付いています2。本記事では、その注記に沿って記入項目を順に整理します。常勤・常勤換算の考え方そのものは「人員配置の利用者数と常勤換算の数え方」で解説しています。
結論:書き方の要点#
- 勤務形態は記号で書く:A=常勤で専従、B=常勤で兼務、C=非常勤で専従、D=非常勤で兼務2
- 常勤かどうかは雇用形態ではなく勤務時間で決まる。週40時間が常勤の事業所なら、非正規雇用でも週40時間勤務する職員は常勤2
- 勤務時間は申請する事業に係る従業者(管理者を含む)の1か月分を入れる。指定基準の確認には4週分で差し支えない2
- 1人の勤務時間数は、その事業所の常勤の勤務時間数が上限2
- 常勤職員の休暇等は、期間が暦年で1月を超えない限り、常勤換算の計算上は勤務したものとみなせる(勤務時間欄に「休」と書いて合計に含める)。非常勤職員の休暇等は含められない2
- 資格は持っている資格を全部ではなく、人員基準上求められる資格等を書く2
- 必要な項目を満たしていれば、事業所のシフト表等で代替できる2
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標準様式4とは#
令和7年3月31日に示され、令和8年4月1日から施行された指定申請等の様式で、標準様式4が「勤務体制一覧表」です。対象は、居宅介護から就労系、共同生活援助、障害者支援施設、相談支援、児童発達支援・放課後等デイサービス、保育所等訪問支援までの各サービスです1。国は、法定様式は変更を加えずに使用し、標準様式についても原則、変更を加えずに活用するよう示しています1。様式の統一の経緯と、法定様式・標準様式の違いは「指定申請・変更届の様式が全国統一に」で整理しています。
Excelファイルには、汎用のシートのほか、サービスごとのシート(居宅介護、生活介護、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助、障害者支援施設、児童発達支援・放課後等デイサービスなど)が入っています3。サービス別のシートには、職種の選択肢と、人員基準の判定に使う欄があらかじめ用意されています3。
記入項目と書き方#
汎用シートの注記に沿って、項目ごとの書き方をまとめます2。表の番号は様式の見出しの番号です。注記の番号はこれと1つずれている箇所があり、サービス別シート(就労系など)では欄が増えるぶん番号がさらにずれます。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 年月・サービス種別・事業所名 | 最初に入力する |
| (1) 記載する期間 | 「4週」か「暦月」を選ぶ |
| (2) 予定/実績の別 | 「予定」か「実績」を選ぶ |
| (3) 常勤の従業者が勤務すべき時間数 | 事業所で定めている常勤の勤務時間数を入れる(時間/週・時間/月) |
| (4) 職種 | 従業者の職種を入れる。職種ごとにまとめて記入する |
| (5) 勤務形態 | A〜Dの記号を入れる(次の節) |
| (6) 資格 | 人員基準上求められる資格等を入れる。必要に応じて資格証・研修修了証等の写しを添付する |
| (7) 氏名 | 従業者の氏名 |
| (8) 勤務時間 | 申請する事業に係る従業者(管理者を含む)の1か月分の勤務時間を日ごとに入れる |
| (9) 勤務時間数合計 | 従業者ごとの合計。上限は常勤の勤務時間数 |
| (10) 週平均の勤務時間数 | 従業者ごとの週平均 |
| (11) 兼務状況 | 他の事業所・施設との兼務は兼務先の名称と兼務する職務の内容を書く。同一事業所内の兼務も職務の内容を書く。特記事項欄としても使える |
様式には計算式が設定されていますが、結果に誤りがないか確認するよう注記されています2。
勤務形態はA〜Dの記号で書く#
| 記号 | 区分 |
|---|---|
| A | 常勤で専従 |
| B | 常勤で兼務 |
| C | 非常勤で専従 |
| D | 非常勤で兼務 |
様式の注記は、常勤を「当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること」とし、雇用の形態は考慮しないとしています。例として、常勤者が週40時間勤務とされている事業所なら、非正規雇用でも週40時間勤務する従業者は常勤扱いになるとしています2。
「専従」は、解釈通知では、原則としてサービス提供時間帯を通じて指定障害福祉サービス等以外の職務に従事しないことをいいます。ここでいうサービス提供時間帯は、その従業者の事業所での勤務時間(療養介護と生活介護はサービスの単位ごとの提供時間)で、常勤・非常勤の別は問いません4。兼務している職員は、(11)の兼務状況欄に兼務先と職務の内容を書きます2。
常勤の定義は解釈通知の「常勤」と同じで、解釈通知は、事業所で定める常勤の勤務時間数が週32時間を下回る場合は32時間を基本とすること、短時間勤務の措置を受けている職員の例外なども定めています4。
勤務時間を書くときの注意#
1人の時間は常勤の時間数が上限#
勤務時間数として入力できるのは、その事業所で常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数が上限です2。常勤の職員が残業しても、その分を上乗せして1人を1を超えて数えることはできません。解釈通知も、勤務延べ時間数に算入できる時間数は常勤の勤務時間数が上限としています4。
常勤職員の休暇は「休」と書いて合計に含める#
常勤の職員の休暇等は、その期間が暦年で1月を超えるものでない限り、常勤換算の計算上は勤務したものとみなすことができます。この場合、勤務時間欄に**「休」**と書き、勤務時間の合計に含めます2。
一方、非常勤職員の休暇等は常勤換算の計算に含めることができません2。
常勤要件のある職員が産前産後休業・育児休業・介護休業などで長く休む場合は、求められる資質を有する複数の非常勤職員を常勤換算して人員基準を満たす扱いが解釈通知に定められています4。詳しくは「人員配置の利用者数と常勤換算の数え方」を参照してください。
4週分の入力でもよい#
勤務時間は1か月分を入れますが、指定基準の確認に際しては4週分の入力で差し支えないとされています2。
サービス別シートの追加の欄#
サービス別のシートには、汎用シートに無い欄があります3。
| シート | 追加されている主な欄 |
|---|---|
| 就労継続支援A型・B型、就労移行支援 | 施設外就労の有無(有・無を選ぶ)。前年度の平均値(平均利用者数・利用者延べ数・開所日数)、人員に関する基準(職業指導員及び生活支援員の必要な配置数)、人員基準に関する実人数集計(専従・兼務・常勤・非常勤・常勤換算数) |
| 生活介護 | 前年度の平均値に加え、平均障害支援区分を出すための区分2〜6の延べ利用者数、所要時間別の利用者数(※利用者延べ数の内数。所要時間は、送迎や障害特性等による配慮事項を含む、個別支援計画に位置付けられた標準的な時間) |
| 共同生活援助(3類型) | 前年度の平均値に、区分1以下〜区分6の障害支援区分別の延べ利用者数と、個人居宅介護の利用者数の欄 |
| 居宅介護など訪問系 | サービス提供責任者の必要数を判定する欄(利用者数・サービス提供時間・従業者数による判定。基準の数値は居宅介護と重度訪問介護で異なる) |
前年度の平均値の欄には、新規申請の場合は推定数を書くよう注記されています3。新設時の利用者数の数え方(6か月未満は定員の90%など)は「人員配置の利用者数と常勤換算の数え方」を参照してください。
就労継続支援A型・B型、共同生活援助、生活訓練、障害者支援施設、児童発達支援・放課後等デイサービスなどのシートでは、資格の欄に「人員基準・加配加算上、求められる資格等」を書くよう注記されています3。就労移行支援などのシートは「人員基準上」だけです3。
運営指導では実績と照合される#
国の運営指導マニュアルは、従業者の員数について、確認文書である勤務体制一覧表をもとに、勤務実績表や、その根拠となるタイムカードなどから、実際に必要な員数が確保されているかを確認するとしています。勤怠管理システムやスマートフォンのアプリで管理している場合は、画面上で確認し、その仕組みや見方、勤務実績について管理者等から説明を受けるとしています5。
一覧表の時間が、出勤簿・タイムカード・勤怠システムの記録と食い違わないようにしておくことが、そのまま運営指導の準備になります。
シフト表で代替できる#
必要な項目を満たしていれば、各事業所で使用するシフト表等をもって代替書類として差し支えないとされています2。ふだん使っているシフト表に、職種・勤務形態(A〜D)・資格・氏名・日ごとの勤務時間・合計・週平均・兼務状況がそろっていれば、それを出せます。どれかが欠けているなら、標準様式4に転記する方が確実です。
記入前のチェックリスト#
- 年月・サービス種別・事業所名を入れたか
- 記載する期間(4週・暦月)と、予定・実績の別を選んだか
- 常勤の勤務時間数(時間/週・時間/月)は就業規則等で定めた時間と一致しているか(週32時間を下回っていないか)
- 職種ごとにまとめて並べたか
- 勤務形態をA〜Dの記号で入れたか(常勤かどうかを雇用形態で判断していないか)
- 管理者の勤務時間も入れたか
- 1人の合計が常勤の勤務時間数を超えていないか
- 常勤職員の休暇は「休」と書いて合計に含めたか(暦年で1月を超えていないか)
- 非常勤職員の休暇を合計に含めていないか
- 兼務している職員の兼務先・兼務する職務を書いたか(同一事業所内の兼務も)
- 資格は人員基準上(A型・B型は加配加算上も)求められるものを書き、必要に応じて資格証・修了証の写しを用意したか
- 計算式の結果を確かめたか
よくある質問#
Q. パートでも週40時間働いていれば常勤ですか?#
常勤の勤務時間が週40時間の事業所なら、常勤です。様式の注記は、常勤かどうかに雇用の形態は考慮しないとしています2。
Q. 常勤職員が休暇等を取った日はどう書きますか?#
休暇等の期間が暦年で1月を超えない限り、勤務時間欄に「休」と書き、勤務時間の合計に含めます2。常勤換算の計算上は勤務したものとみなせます2。
Q. 非常勤職員が休んだ日も勤務時間に入れてよいですか?#
入れられません。非常勤職員の休暇等は、常勤換算の計算に含めることができないとされています2。
Q. 管理者も書きますか?#
書きます。勤務時間は、申請する事業に係る従業者(管理者を含む)の1か月分を入れるとされています2。
Q. 資格はすべて書く必要がありますか?#
いいえ。保有資格をすべて書くのではなく、人員基準上求められる資格等を書きます2。就労継続支援A型・B型のシートでは、加配加算上求められる資格等も書くとされています3。
Q. 自治体独自の様式を使ってもよいですか?#
国は、標準様式を原則変更を加えずに活用するよう示しています1。提出先の指定権者がどの様式を受け付けるかは、所管の案内を確認してください。
制度上の根拠#
- 指定申請の標準様式4(勤務体制一覧表)汎用シートの記入方法の注記2
- 同 サービス別シート(就労継続支援A型・B型、生活介護 ほか)の追加欄と注記3
- 指定申請等の様式の公布についての事務連絡(標準様式は原則変更を加えずに活用・標準様式4=勤務体制一覧表)1
- 集団指導・運営指導マニュアル(勤務体制一覧表をもとにした員数の確認)5
- 解釈通知(障発第1206001号)第二 総論2 用語の定義(常勤換算方法・勤務延べ時間数・常勤・専従、休業中の非常勤による換算)4
Footnotes#
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厚生労働省「指定申請等の様式(こども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める様式等)の公布について」(令和7年3月31日事務連絡)p.1(施行期日・法定様式は変更を加えずに使用)、p.2(標準様式は原則変更を加えずに活用)、p.7(標準様式4 勤務体制一覧表と対象サービス) (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001471282.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
厚生労働省「指定申請の標準様式4(勤務体制一覧表)」(Excel)勤務形態一覧表(汎用)シートの記入方法の注記 (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001471581.xlsx) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24
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同 勤務形態一覧表(就労継続支援A型・B型)・(就労移行支援)・(生活介護)・(共同生活援助)・(居宅介護)・(重度訪問介護)ほか各サービスのシート (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001471581.xlsx) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(解釈通知・障発第1206001号)第二 総論2 用語の定義((1)常勤換算方法、(2)勤務延べ時間数、(3)常勤、(4)専従)pp.13-16 (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472116.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」(令和8年6月)p.33 (https://www.mhlw.go.jp/content/260609-2.pdf) ↩ ↩2