共同生活援助

グループホームから一人暮らしへ移行する支援の報酬|自立生活支援加算(Ⅰ〜Ⅲ)・退居後共同生活援助サービス費(2,000単位)・移行支援住居・ピアサポートの算定要件

公開: 2026年10月7日更新: 2026年10月7日

この分野をもう少し深く聞きたいなら無料セミナーの日程を見る

グループホーム(共同生活援助)から一人暮らし等への移行を支援する報酬は、令和6年度改定で入居中の支援・移行支援住居・退居後の訪問支援の3段階に再編されました1。入居中は自立生活支援加算(Ⅰ)1,000単位・月(介護サービス包括型・外部サービス利用型)または**(Ⅱ)500単位・回**(日中サービス支援型)、移行を目的とした住居を設ける場合は**(Ⅲ)80単位・日**、退居後は退居後共同生活援助サービス費2,000単位・月(退居月から3か月、市町村が認めれば6か月)で、それぞれにピアサポートや居住支援の上乗せがあります2。

本記事では、どの段階で何を算定するか、対象にならない利用者、施設基準(告示第551号)と留意事項通知の支援内容を整理します。グループホームの基本報酬はグループホームの基本報酬、名前の似た「地域移行加算」との違いは地域移行加算の算定要件と、名前の似た加算の見分け方を参照してください。

3段階の全体像#

段階名称単位数算定期間・回数対象サービスコード
入居中自立生活支援加算(Ⅰ)1,000単位・月計画見直し月から6月以内(退居した月まで)。月1回介護サービス包括型・外部サービス利用型33-5091
入居中 +居住支援連携体制(注4)+35単位・月(Ⅰ)算定者。居住支援法人等と月1回以上情報共有同上33-5092
入居中 +地域居住支援体制強化推進(注5)+500単位(Ⅰ)算定者。利用者1人につき月1回限度同上33-5093
入居中自立生活支援加算(Ⅱ)500単位・回入居中2回+退居後30日以内1回日中サービス支援型33-5090
移行支援住居自立生活支援加算(Ⅲ)80単位・日(3年以内)/72(3〜4年)/56(4〜5年)/40(5年超)移行支援住居の入居中、1日につき介護サービス包括型・外部サービス利用型(施設基準・届出)33-5094〜5097
移行支援住居 +ピアサポート実施加算100単位・月(Ⅲ)算定事業所。相談援助を受けた利用者数に応じ同上33-6891
退居後退居後共同生活援助サービス費2,000単位・月退居月から3月以内。市町村が認めれば6月以内介護サービス包括型(外部型は退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費)33-1801/1802
退居後 +退居後ピアサポート実施加算100単位・月退居後サービス費の算定事業所同上33-5104

単位数・コードはサービスコード表(令和8年6月施行版)によります3。

この分野をもう少し深く聞きたいなら無料セミナーの日程を見る

対象になる人・ならない人(共通)#

自立生活支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)はいずれも、居宅における単身等での生活を本人が希望し、かつ、単身等での生活が可能であると見込まれる利用者が対象です2。(Ⅰ)は利用期間が1月を超えると見込まれる利用者に限られ、退居後に他の社会福祉施設等への入所を希望している場合は算定しません2。

留意事項通知は、(Ⅰ)について次の人を対象外としています4。

  • 当該共同生活住居において、引き続き生活支援を受け続けることを希望する者
  • 事業所等の事情により退居を求める者
  • 単身等での生活の希望や意思の表明が十分に確認できていない状況の者
  • 他の共同生活援助事業所や社会福祉施設等への入所等を希望する者

(Ⅲ)も、単身等での生活の希望や移行支援住居への入居の意思表明が十分に確認できていない者、他の共同生活援助事業所や社会福祉施設等への入所等を希望する者は対象外です4。令和6年度改定の資料も「利用者がグループホームの継続的な利用を希望している場合や意思の表明が十分に確認できていない場合、事業所や支援者の都合による場合等は加算の対象外」と明記しています1。本人の意思が出発点で、事業所都合の退居は評価されません。

入居中:自立生活支援加算(Ⅰ)#

要件と算定期間#

告示は、事業所の従業者が共同生活援助計画を見直した上で、利用者に退居後の生活について相談援助を行い、かつ退居後に生活する居宅を訪問して、本人と家族等に退居後の障害福祉サービス等について相談援助・連絡調整を行った場合に、計画の見直しを行った日の属する月から6月以内(退居した場合は退居月まで)、月1回を限度に算定すると定めています2。

留意事項通知は手順を次のように示しています4。

  1. 利用者の希望する単身等の生活に係る意向を確認する
  2. サービス管理責任者が計画の変更に係る会議を開催し、支援の方針・内容を従業者に確認・共有する
  3. 変更後の計画の原案について利用者に同意を求め、計画を交付した月から6月間算定できる

行うべき支援#

次の内容を含む支援を、個々の利用者の状況に応じて提供します(漫然かつ画一的な提供は不可)4。

  • 住居の確保に係る支援
  • 生活環境の変化に伴い必要となる情報の提供・助言(ゴミ捨て、家電の使い方、買い物場所の確認等を本人とともに実施)
  • 生活環境の変化に伴い必要となる指定障害福祉サービス事業者等や医療機関等との連絡調整(サービス担当者会議等への出席、事業所等への同行支援を含む)

上乗せ:居住支援連携体制(35単位)と地域居住支援体制強化推進(500単位)#

  • 注4(35単位・月):(Ⅰ)を算定している事業所が、住宅確保要配慮者居住支援法人または居住支援協議会に対して月1回以上、利用者の住宅の確保・居住の支援に必要な情報を共有した場合2。自立生活援助の居住支援連携体制加算の規定を準用します4。
  • 注5(500単位):(Ⅰ)を算定している事業所が、利用者の同意を得て、居住支援法人と共同して居宅での生活上必要な説明・指導を行った上で、協議会または保健・医療・福祉関係者による協議の場にその内容と住宅確保・居住支援の課題を報告した場合に、利用者1人につき月1回限度24。

日中サービス支援型:自立生活支援加算(Ⅱ)#

日中サービス支援型は(Ⅰ)ではなく(Ⅱ)です。計画を見直した上で退居後の生活の相談援助と退居後の居宅訪問・連絡調整を行った場合に入居中2回を限度、退居後30日以内に居宅を訪問して相談援助を行った場合に退居後1回を限度に、500単位を算定します。退居後に他の社会福祉施設に入所する場合等は算定しません2。留意事項通知は療養介護の「地域移行加算」と同趣旨とし、退居して他の共同生活援助等の住居に入居する場合は算定できないとしています4。

移行支援住居:自立生活支援加算(Ⅲ)#

移行支援住居とは#

利用者の希望を踏まえ、一定期間の支援により退居後に一人暮らし等へ移行することを目的とした共同生活住居です。告示第551号の施設基準は次のとおりです5。

施設基準
(1)移行支援住居を1以上有すること
(2)移行支援住居の定員が2人以上7人以下
(3)基準上のサービス管理責任者に加え、専ら移行支援入居者の支援に従事し、社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有するサービス管理責任者を1以上配置(移行支援入居者が8人以上の場合は、1に、7を超えて7またはその端数を増すごとに1を加えた数以上)
(4)入居に際し、計画作成に係る会議を開催した上で、利用者の意向を反映した共同生活援助計画を作成
(5)移行支援入居者に対し、住居の確保その他の退居後の一人暮らし等に移行するための活動に関する相談、外出の際の同行、指定障害福祉サービス事業者等・医療機関等との連絡調整等の支援を実施

留意事項通知は、定員以内であればサテライト型住居を含む複数の住居を1つの移行支援住居とできること、移行支援住居のサービス管理責任者は世話人または生活支援員と兼務して差し支えないこと、移行支援住居を設けた場合はインターネット等で公表すべきことを示しています4。

算定期間#

移行支援住居への入居から3年です。ただし、引き続き移行支援住居での支援が効果的であると市町村が認める者は3年を超えて算定可能です。単位数は利用期間に応じて80→72→56→40単位と下がります24。

移行支援住居を退居後に引き続き他の共同生活住居等での支援が必要と認められる利用者には、他の障害福祉サービス事業者を紹介するなど適切な対応を行います(指定基準第210条の2第3項の退居時の援助義務)46。

ピアサポート実施加算(100単位・月)#

(Ⅲ)を算定している事業所が、障害者ピアサポート研修修了者を従業者として2名以上(うち1名以上は障害者等)配置し、そのいずれかにより従業者への配慮等の研修を年1回以上行っている場合に、障害者等である研修修了者がその経験に基づき相談援助を行った利用者の数に応じて算定します2。

退居後:退居後共同生活援助サービス費(2,000単位・月)#

要件#

告示第551号の施設基準に適合する事業所の従業者が、**退居した利用者(入居中に自立生活支援加算(Ⅰ)または(Ⅲ)を算定していた者に限る)**の居宅を訪問して共同生活援助を行った場合に、退居の日の属する月から3月以内、1月につき算定します。3月を超えて引き続き支援が必要と市町村が認めた利用者は6月以内まで算定できます2。外部サービス利用型には退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費(同額)があります2。

施設基準(告示第551号 第十六号イ)は次の2点です5。

  1. 一人暮らし等への移行に向けて、計画作成に係る会議を開催した上で、利用者の意向を反映した共同生活援助計画を作成すること
  2. 居宅における自立した日常生活の定着に必要な援助として、おおむね週1回以上利用者の居宅を訪問し、心身・環境・日常生活全般の状況を把握し、情報提供・助言・相談、指定障害福祉サービス事業者等や医療機関等との連絡調整等を実施すること

留意事項通知は、対象者を「(Ⅰ)または(Ⅲ)を算定する利用者であって、退居に先立って一人暮らし等への移行に向けた共同生活援助計画が作成されているもの」とし、原則おおむね週1回以上の支援を行うものの、月途中の開始や終了に向けた頻度調整を考慮して、訪問または同行支援による本人への対面支援を1月に2日以上行った場合に算定できるとしています4。

支援内容(ア〜エ)#

  • ア 利用者の居宅への訪問による心身の状況、環境、日常生活全般の状況の把握
  • イ 生活環境の変化に伴い必要となる情報提供・助言(ゴミ捨て、家電の使い方、買い物場所の確認等を本人とともに実施)
  • ウ 指定障害福祉サービス事業者等や医療機関等との連絡調整(サービス担当者会議等への出席、事業所等への同行支援を含む)
  • エ 協議会等への出席、居住支援法人や居住支援協議会等との連絡調整その他の関係機関との連携4

退居後ピアサポート実施加算(100単位・月)#

退居後共同生活援助サービス費を算定している事業所で、ピアサポート実施加算と同じ配置・研修要件(研修修了者2名以上・うち1名以上は障害者等・年1回以上の研修)を満たし、障害者等である研修修了者が相談援助を行った場合に、利用者数に応じて算定します2。

計算例#

その他地域(1単位10.00円)の介護サービス包括型で、入居中に(Ⅰ)を6か月算定し、退居後3か月間訪問支援した場合27。

段階計算金額
入居中(Ⅰ)1,000単位×6月60,000円
 居住支援連携体制(注4)35単位×6月2,100円
退居後サービス費2,000単位×3月60,000円
合計12,210単位122,100円

1級地(共同生活援助の単価11.60円)なら、退居後サービス費は2,000単位×11.60円=23,200円/月です7。

よくある質問#

Q. 自立生活支援加算(Ⅰ)を算定していない利用者が退居した後も、退居後共同生活援助サービス費を算定できますか#

できません。退居後サービス費の対象は、入居中に自立生活支援加算(Ⅰ)または(Ⅲ)を算定していた者に限られます2。

Q. 事業所の都合で退居してもらう利用者に(Ⅰ)を算定できますか#

できません。留意事項通知は「事業所等の事情により退居を求める者」を対象外としています4。

Q. 退居後サービス費は、電話での相談だけの月も算定できますか#

できません。留意事項通知は、訪問または同行支援による本人への対面支援を1月に2日以上行った場合に算定できるとしています4。施設基準もおおむね週1回以上の居宅訪問を求めています5。

Q. 退居後4か月目以降も支援が必要です#

3月を超えて引き続き支援が必要であると市町村が認めた利用者については、退居月から6月以内まで算定できます2。市町村に相談してください。

Q. 日中サービス支援型でも(Ⅰ)を算定できますか#

できません。日中サービス支援型は(Ⅱ)(500単位・回、入居中2回・退居後1回)です2。

Q. 移行支援住居のサービス管理責任者は兼務できますか#

基準上のサービス管理責任者とは別に、社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有するサービス管理責任者を1人以上配置する必要がありますが、その人は世話人または生活支援員の職務と兼務して差し支えありません45。

Q. (Ⅰ)と(Ⅲ)は同じ利用者に両方算定できますか#

(Ⅲ)は移行支援住居の入居者に対する1日単位の加算、(Ⅰ)は計画見直しから6か月の月単位の加算で、告示に明示的な排他規定はありません2。令和6年度改定の資料は「移行支援住居の入居者については自立支援加算(Ⅲ)として一括して評価」としています1。運用は指定権者に確認してください。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第15の1の2の3・1の2の4(退居後共同生活援助サービス費・退居後外部サービス利用型)、第15の2(自立生活支援加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)・注1〜5)、第15の1の4の5・1の4の6(ピアサポート実施加算・退居後ピアサポート実施加算)2
  • 留意事項通知 共同生活援助サービス費 ④⑤(退居後共同生活援助サービス費・p.336〜337)、⑳ 自立生活支援加算の取扱い(p.368〜372)4
  • サービスコード表(令和8年6月施行版)3
  • 厚生労働大臣が定める施設基準(平成18年厚生労働省告示第551号)第十六号イ(退居後共同生活援助サービス費)・ヘ(自立生活支援加算(Ⅲ)・移行支援住居)、第十八号イ・ニ(外部サービス利用型)5
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(共同生活援助・一人暮らし等への移行支援)1
  • 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第210条の2第3項(退居時の援助)6
  • 単価告示(平成18年厚生労働省告示第539号)7

Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」共同生活援助(p.24:自立生活支援加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)、退居後共同生活援助サービス費、ピアサポート実施加算等の新設) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第15の1の2の3・1の2の4、第15の2、第15の1の4の5・1の4の6 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18

  3. 厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)」分冊2 p.72(33-1801/1802・6891・5104)、p.76(33-5090〜5097) (https://www.mhlw.go.jp/content/001696434.pdf) ↩ ↩2

  4. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(5)共同生活援助サービス費 ④⑤(p.336〜337)・⑳(p.368〜372) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16

  5. 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準並びにこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める施設基準」(平成18年厚生労働省告示第551号)第十六号イ・ヘ、第十八号イ・ニ (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8504&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  6. 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第210条の2第3項 (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171) ↩ ↩2

  7. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3

無料セミナー|この内容、専門家がくわしく解説します。

報酬改定の最新動向や運営のつまずきどころを、就労継続支援A型・B型の事業所向けにオンラインで定期開催しています。

  • 参加費無料
  • オンライン開催
  • 事前申込制