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地域移行加算(500単位)の算定要件と、名前の似た加算の見分け方|地域移行促進加算・地域移行支援体制加算・地域移行支援(相談支援)との違い

公開: 2026年6月19日更新: 2026年10月7日

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⚠️ 訂正(2026-10-07):本記事の旧版には、報酬告示に基づかない記述(共同生活援助・療養介護以外の「対象サービス」の誤り、電話による相談援助で算定できるとの記述、「月1回限度」、体制届・保存期間の記述など)が含まれていました。報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)と留意事項通知に基づいて全面的に書き直しています。

「地域移行」と名の付く加算は4つある|まず見分ける#

「地域移行加算」で検索すると、名前の似た別の加算が並びます。報酬告示上、障害福祉サービスの事業所・施設が算定する「地域移行」の付く加算は、次のとおり別の加算です1。

名称算定するサービス単位数何を評価するか
地域移行加算施設入所支援・宿泊型自立訓練・療養介護500単位/回(入所中2回+退所後1回)退所前の相談援助・居宅訪問と、退所後30日以内の居宅訪問1
地域移行促進加算(Ⅰ)(Ⅱ)施設入所支援(Ⅰ)120単位/日、(Ⅱ)60単位/日(月3回限度)地域生活支援拠点等に位置づけられた施設の、体験宿泊の連絡調整(Ⅰ)や見学・地域活動への同行(Ⅱ)12
地域移行支援体制加算施設入所支援定員×障害支援区分別に2〜15単位/日×定員減少数(1年間)前年度に退所して6か月以上地域生活が続いている人がいて、入所定員を減らした実績13
地域移行支援体制強化加算宿泊型自立訓練55単位/日地域移行支援員の加配(施設基準への適合と届出)1

このほか、精神障害者地域移行特別加算(300単位/日。精神科病院に1年以上入院し退院後1年以内の人への支援。共同生活援助・宿泊型自立訓練・重度障害者等包括支援)、強度行動障害者地域移行特別加算(300単位/日。障害者支援施設等や障害児入所施設等に1年以上入所し退所後1年以内の強度行動障害者への支援。共同生活援助・宿泊型自立訓練・重度障害者等包括支援)、地域生活移行個別支援特別加算(医療観察法対象者等への支援)があります1。

さらに、「地域移行支援」は加算ではなく、相談支援事業所が行う地域相談支援(個別給付)のサービス名です。報酬は別の告示(平成24年厚生労働省告示第124号)で定められ、地域移行支援サービス費(Ⅰ)3,613単位/月などの体系です(後述)4。「地域移行支援加算」という名称の加算は告示にありません。

本記事では、このうち検索の多い**地域移行加算(500単位)**を中心に、促進加算・支援体制加算・相談支援の地域移行支援との違いまで解説します。

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地域移行加算とは|500単位・入所中2回+退所後1回#

地域移行加算は、入所期間が1か月を超えると見込まれる利用者の退所に先立って、施設の従業者が退所後の生活について相談援助を行い、かつ、退所後に生活する居宅を訪問して本人と家族等に退所後の障害福祉サービスや保健医療・福祉サービスについて相談援助と連絡調整を行った場合に入所中2回を限度として500単位を加算し、退所後30日以内に居宅を訪問して相談援助を行った場合に退所後1回を限度として500単位を加算するものです1。退所後に他の社会福祉施設等に入所する場合は加算しません1。

項目内容
単位数500単位(1回につき)1
回数入所中(退所前)2回+退所後1回=最大3回1
算定日退所前分は退所日に算定、退所後の訪問相談は訪問日に算定5
対象サービス施設入所支援(報酬告示 第9の8。対象は生活介護等を受ける入所者)、宿泊型自立訓練(第11の5の8。利用期間2年超の者を除く)、療養介護(第5の2。入院期間1月超が見込まれる者)1
体制の届出告示上、届出要件はありません(支援を行った都度の算定)1

「退所後の居宅」に含まれるもの・含まれないもの#

留意事項通知は、退所後の居宅生活に福祉ホームや共同生活援助(グループホーム)の共同生活住居での生活を含むとしています5。したがって、入所施設からグループホームへ移る場合も地域移行加算の対象です。

一方、次の場合は算定できません5。

  • 退所して病院または診療所へ入院する場合
  • 退所して他の社会福祉施設等へ入所する場合
  • 死亡退所の場合

相談援助の内容(5つの例示)#

留意事項通知が示す相談援助の内容は次のとおりです5。

  1. 退所後の障害福祉サービスの利用等に関する相談援助
  2. 食事、入浴、健康管理等の居宅における生活に関する相談援助
  3. 運動機能・日常生活動作能力の維持向上を目的とした各種訓練等に関する相談援助
  4. 住宅改修に関する相談援助
  5. 介護等に関する相談援助

記録と算定の組み合わせ#

  • 相談援助を行った日と内容の要点を記録します5。
  • 退所前の相談援助分を算定していなくても、退所後の訪問による相談援助を行えば、その分は算定できます5。
  • 告示は退所前・退所後とも「居宅を訪問し」て相談援助を行うことを要件にしています。電話のみの相談援助で算定できるという規定はありません1。

共同生活援助(グループホーム)には地域移行加算はない#

グループホームの告示(第15)に地域移行加算はありません。グループホームから一人暮らし等への移行を評価するのは自立生活支援加算です。(Ⅰ)は1,000単位/月(計画見直し月から6か月以内、月1回限度)、(Ⅱ)は日中サービス支援型で入居中2回+退居後30日以内1回の500単位、(Ⅲ)は利用期間に応じた日額(80〜40単位)で、いずれも退居後の居宅を訪問して相談援助・連絡調整を行うことが要件です1。

地域移行促進加算(Ⅰ)(Ⅱ)|施設入所支援・令和6年度から拡充#

地域生活支援拠点等に位置づけられ、市町村・拠点関係機関との連携担当者を1名以上配置していることを届け出た障害者支援施設が算定します2。

区分単位数内容
(Ⅰ)120単位/日入所者が地域移行支援(相談支援)の体験的な宿泊支援(単身生活に向けたもの)を利用する場合に、施設の従業者が地域移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行ったときに、所定単位数に代えて算定。体験宿泊加算が算定されている期間に限り、施設入所支援の外泊として扱い、入院・外泊時加算と併せて算定可。開始日と終了日は算定しない12
(Ⅱ)60単位/日(1月に3回限度)宿泊を伴わない地域移行に向けた支援を、施設の職員が同行して実施。例:グループホームや通所事業所の見学・食事体験、地域の催しへの参加、一人暮らしをしている障害者の生活状況の見学、買い物や公共交通機関の利用体験。昼間実施サービスの時間帯に行ったものも対象12

(Ⅱ)は令和6年度改定で新設されたものです6。

地域移行支援体制加算|定員を減らした実績を1年間評価#

前年度に当該施設から退所し、地域生活が6か月以上継続している者が1人以上いて、利用定員を減少させた施設が、利用定員と障害支援区分に応じた所定単位数に定員の減少数を乗じた単位数を、1年間を限度として1日につき加算します13。令和6年度改定で新設されました6。

利用定員区分6区分5区分4区分3区分2以下
40人以下15131186
41〜50人97654
51〜60人76543
61〜70人54332
71〜80人43322
81人以上33222

単位は「1日につき・定員減少1人あたり」です1。留意事項通知の要件は次の2つです3。

  • ア:前年度(4月〜3月)に施設を退所し、退所から6か月以上、地域での生活(グループホーム等への入居、または賃貸等による地域生活)が継続している者がいること。介護保険施設へ入居するための退所や病院への長期入院のための退所は除く
  • イ:その実績を踏まえて、翌年度から入所定員を、その人数分減少させていること

例:定員45人→42人に減らし、区分6の場合、9単位×3人=27単位/日を1年間加算します1。

関連する減算:地域移行等意向確認体制未整備減算#

令和6年度改定で、すべての入所者に地域移行や施設外の日中活動の意向を確認することが運営基準に規定され、意向確認の担当者選任とマニュアル作成が令和6年度から努力義務、令和8年度から義務になりました。未整備の場合は5単位/日の減算(令和8年4月1日から適用)です67。

地域移行支援(相談支援)との関係|「地域移行支援加算」はない#

地域移行支援は、障害者支援施設や精神科病院等に入所・入院している人の地域生活への移行を支援する地域相談支援(個別給付)で、指定一般相談支援事業者が行います。施設側の地域移行加算とは制度も算定主体も別で、同じ利用者について施設が地域移行加算を算定しつつ、相談支援事業所が地域移行支援を提供することは両立します。地域移行促進加算(Ⅰ)は、まさにこの両者の連携(体験宿泊の連絡調整)を評価する加算です12。

地域移行支援の報酬(令和8年6月施行のサービスコード表より)は次のとおりです4。

項目単位数
地域移行支援サービス費(Ⅰ)/(Ⅱ)/(Ⅲ)3,613/3,157/2,422単位(1月につき)
初回加算500単位
集中支援加算500単位
退院・退所月加算2,700単位(入院期間3月以上1年未満の場合は3,200単位)
障害福祉サービスの体験利用加算(Ⅰ)/(Ⅱ)500/250単位(1日につき。地域生活支援拠点等の場合+50)
体験宿泊加算(Ⅰ)/(Ⅱ)300/700単位(地域生活支援拠点等の場合+50)
地域生活支援拠点等機能強化加算500単位(1月につき)
ピアサポート体制加算/居住支援連携体制加算/地域居住支援体制強化推進加算100/35/500単位(1月につき)

基本報酬(Ⅰ)〜(Ⅲ)は令和6年度改定で3,504/3,062/2,349単位から引き上げられました6。

実務チェックリスト(地域移行加算)#

  1. 入所期間が1か月を超える見込みの利用者か(療養介護は入院期間、宿泊型は利用期間で、2年超は対象外)1
  2. 退所前:退所後の生活についての相談援助と、退所後に住む居宅への訪問(本人・家族等への相談援助・連絡調整)を行ったか。2回まで1
  3. 退所後:30日以内に居宅を訪問して相談援助を行ったか。1回まで1
  4. 退所先が病院・診療所、他の社会福祉施設等、死亡退所ではないか(グループホーム・福祉ホームは対象)5
  5. 相談援助の日と内容の要点を記録したか5
  6. 請求:退所前分は退所日、退所後分は訪問日で算定5

よくある質問#

Q. 「地域移行支援加算」とはどの加算のことですか?#

報酬告示にその名称の加算はありません。文脈により、①施設入所支援の地域移行支援体制加算(定員減少の実績)、②相談支援の地域移行支援(サービス費)、③施設の地域移行加算(500単位)のいずれかを指していることが多いので、上の見分け表で確認してください14。

Q. グループホームから一人暮らしに移った場合、地域移行加算を算定できますか?#

できません。共同生活援助に地域移行加算はなく、退居に向けた支援は自立生活支援加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)で評価されます1。

Q. 入所施設からグループホームに移る場合は対象ですか?#

対象です。留意事項通知は、退所後の居宅生活に共同生活援助の共同生活住居での生活を含むとしています5。

Q. 退所後30日を過ぎてから訪問した場合は?#

退所後分(1回)は「退所後30日以内に居宅を訪問」が要件なので算定できません。退所前の2回分は、要件を満たしていれば退所日に算定できます15。

Q. 退所後の相談援助を電話で行った場合は?#

告示は「居宅を訪問し」て相談援助を行うことを要件にしており、電話のみでの算定を認める規定はありません1。訪問が難しい事情がある場合は、算定前に指定権者に確認してください。

Q. 退所前の相談援助をしていなくても、退所後の訪問分だけ算定できますか?#

できます。退所前の加算を算定していない場合でも、退所後の訪問による相談援助を行えば、その分は算定できます5。

Q. 地域移行促進加算と地域移行加算は同時に算定できますか?#

別の加算で、要件も別です。促進加算は地域生活支援拠点等に位置づけられた施設の届出が前提で、(Ⅰ)は体験宿泊期間中の日額、(Ⅱ)は見学等の同行(月3回)です。地域移行加算は退所に伴う回数制の加算です。告示に併算定を禁じる規定はありませんが、個別の併算定の可否は指定権者に確認してください12。

Q. 地域移行支援体制加算は何年間算定できますか?#

定員を減らした実績に対して1年間を限度に、1日につき所定単位数×定員減少数を加算します1。

Footnotes#

  1. 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表介護給付費等単位数表 第5の2(療養介護 地域移行加算)、第9の8(施設入所支援 地域移行加算)、第9の8の2(地域移行促進加算(Ⅰ)(Ⅱ))、第9の13の2(地域移行支援体制加算)、第11の5の8(宿泊型自立訓練 地域移行加算)、第11の1の3(地域移行支援体制強化加算)、第11の5の10・第15の6の2・第4の2の7(精神障害者地域移行特別加算:宿泊型自立訓練・共同生活援助・重度障害者等包括支援)、第11の5の11・第15の6の3・第4の2の8(強度行動障害者地域移行特別加算)、第15の2(自立生活支援加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24 ↩25 ↩26 ↩27 ↩28 ↩29

  2. 厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項」第二 3(1)⑬ 地域移行促進加算の取扱い(p.192〜195:拠点への位置づけと連携担当者、(Ⅰ)体験宿泊加算期間中・外泊扱い・初日最終日は算定しない、(Ⅱ)同行支援の例示) https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. 同上 第二 3(1)㉑ 地域移行支援体制加算(p.209〜210:ア 前年度に退所し6月以上地域生活継続、イ 翌年度から定員を人数分減少) https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3

  4. 厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版・分冊2)」23 地域相談支援(地域移行支援)サービスコード表(p.369)、施設入所支援(p.27)、宿泊型自立訓練(p.91)、共同生活援助(p.76) https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696434.pdf / 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定地域相談支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成24年厚生労働省告示第124号) https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei/dl/kokuji-h24-124a.pdf ↩ ↩2 ↩3

  5. 厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項」第二 2(5)③ 地域移行加算の取扱い(p.106〜107:㈠居宅生活に福祉ホーム・共同生活住居を含む、㈡退院日・訪問日に算定、㈢算定できない3類型、㈣記録、㈤相談援助の内容、㈥退院前分がなくても退院後分は算定可)。施設入所支援は3(1)⑫、宿泊型自立訓練は2(2)⑱で準用 https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12

  6. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」p.2(地域移行等意向確認体制未整備減算5単位/日、地域移行促進加算(Ⅱ)新設、地域移行支援体制加算新設)、p.23(障害者支援施設における地域移行を推進するための取組)、p.27(地域移行支援サービス費の見直し) https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  7. 前掲コード表(分冊2)p.26 施設入所支援「地域移行等意向確認体制未整備減算 注 令和8年4月1日から適用 −5単位/日」 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696434.pdf ↩

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