地域協働加算は、就労継続支援B型のうち**「利用者の就労や生産活動等への参加等」で評価する報酬体系(就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ))**を選んでいる事業所が、**地域住民その他の関係者と協働して行う取組(生産活動収入があるものに限る)**により就労支援を行い、その活動内容をインターネット等で公表した場合に、取組に参加して支援を受けた利用者の数に応じて1日につき30単位を加算するものです12。
平均工賃月額で評価するサービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の事業所は算定できません1。令和3年度報酬改定で参加等評価方式の新設と同時に創設され、令和6年度改定でも30単位のまま維持されています34。本記事では、要件・「協働した取組」の範囲・公表の方法・人数の数え方を告示と留意事項通知に沿って整理します。
単位数と算定要件#
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 30単位・日(取組に参加して支援を受けた利用者1人につき)1 |
| 算定できる事業所 | 就労継続支援B型サービス費**(Ⅳ)・(Ⅴ)・(Ⅵ)**(参加等評価方式)を算定している事業所1 |
| 取組の内容 | 持続可能で活力ある地域づくりに資することを目的として、地域住民その他の関係者と協働して行う取組により就労継続支援B型を行うこと。当該B型に係る生産活動収入があるものに限る1 |
| 公表 | 当該B型に係る就労、生産活動その他の活動の内容を、インターネットの利用その他の方法により公表していること1 |
| 人数の数え方 | 当該取組に参加し、支援を受けた利用者の数に応じて算定2 |
| サービスコード | 46-68855 |
告示の注は「1のニの就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)、ホの(Ⅴ)又はヘの(Ⅵ)を算定している指定就労継続支援B型事業所等において、利用者に対して、持続可能で活力ある地域づくりに資することを目的として、地域住民その他の関係者と協働して行う取組により指定就労継続支援B型等(当該指定就労継続支援B型等に係る生産活動収入があるものに限る。)を行うとともに、当該指定就労継続支援B型等に係る就労、生産活動その他の活動の内容についてインターネットの利用その他の方法により公表した場合に、当該指定就労継続支援B型等を受けた利用者の数に応じ、1日につき所定単位数を加算する」と定めています1。注に届出の要件は置かれていません。
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「地域住民その他の関係者と協働した取組」とは#
留意事項通知は、協働の相手方として地域住民、地元企業、農業等生産者、自治体その他の関係者を挙げ、取組は生産活動収入の発生に係るものに限るとしています2。
したがって、次の2点を満たす必要があります。
- 協働の相手が地域にいること。事業所単独の生産活動や、法人内の他事業所とだけ行う活動は「地域住民その他の関係者と協働」に当たりません。
- その取組から生産活動収入が発生していること。収入を伴わない地域清掃や交流行事だけでは要件を満たしません。
典型的には、地元企業からの受注作業を地域住民と一緒に行う、農業生産者の作業を請け負う(農福連携)、自治体から委託を受けた業務を地域と協働で行う、といった形が該当します。いずれも、取組の目的が「持続可能で活力ある地域づくりに資すること」であることが前提です1。
公表の方法#
告示は「インターネットの利用その他の方法により公表」としており、方法は限定されていません1。事業所のウェブサイトに取組の内容(協働の相手方、生産活動の内容、利用者の参加状況など)を掲載するのが最も確実です。ウェブサイトが無い場合でも「その他の方法」(広報誌、事業所での掲示、自治体の広報への掲載など)で公表していれば要件を満たしますが、運営指導で公表の事実を示せるよう、公表物の写しと公表日を保管してください。
人数の数え方と計算例#
加算は事業所の利用者全員ではなく、当該取組に参加し、支援を受けた利用者の数に応じて算定します2。協働の取組に参加しなかった利用者の分は算定できません。
その他地域(1単位10.00円)の事業所で、地域協働の取組に1日8人が参加し、月20日実施した場合の加算額は次のとおりです16。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 1日当たり | 30単位 × 8人 = 240単位(2,400円) |
| 月20日 | 240単位 × 20日 = 4,800単位(48,000円) |
| 1級地(就労継続支援の単価11.14円)の場合 | 30単位 × 11.14円 = 334円/人・日 |
参加等評価方式の報酬体系との関係#
令和3年度報酬改定で、B型の基本報酬は「平均工賃月額」に応じて評価する体系に加え、「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する体系が新設され、事業所ごとに選択する仕組みになりました。報酬体系の選択は各年度の4月に行うことを基本とし、年度途中での変更はできません3。地域協働加算は、この参加等評価方式の事業所について「利用者の多様な働く意欲に応えつつ、就労を通じた地域での活躍の場を広げる取組」を評価するために創設されたものです3。
令和6年度改定では、参加等評価方式に人員配置6:1の区分(サービス費(Ⅳ))が新設され、地域協働加算は30単位のまま維持されました4。サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)の単位数と人員配置の違いは就労継続支援B型 基本報酬 全単位数一覧表を参照してください。
同じく参加等評価方式の事業所だけが算定できる加算にピアサポート実施加算(100単位・月)があります7。B型の加算全体は就労継続支援B型の加算一覧にまとめています。
よくある質問#
Q. 平均工賃月額方式(サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ))の事業所でも算定できますか#
できません。告示はサービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)を算定している事業所に限っています1。
Q. 地域の清掃活動に利用者が参加しています。対象になりますか#
生産活動収入が発生していなければ対象外です。告示は「生産活動収入があるものに限る」、留意事項通知は「生産活動収入の発生に係るものに限る」としています12。
Q. 取組に参加していない利用者の分も算定できますか#
できません。留意事項通知は「当該取組に参加し、支援を受けた利用者の数に応じ」算定するとしています2。
Q. 公表はウェブサイトでなければなりませんか#
告示は「インターネットの利用その他の方法により公表」としており、方法は限定されていません1。公表の事実を示せる記録は残してください。
Q. 届出は必要ですか#
告示の注に届出の要件はありません1。参加等評価方式(サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ))の選択自体は基本報酬の体制に関わるため、指定権者への届出の扱いは申請先に確認してください。
Q. 年度の途中で参加等評価方式に切り替えて算定を始められますか#
報酬体系の選択は各年度の4月に行うことを基本とし、年度途中の変更はできないとされています3。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第14の11 地域協働加算(30単位・(Ⅳ)〜(Ⅵ)・協働した取組・生産活動収入・公表)1
- 留意事項通知 第二の3(2)就労継続支援B型サービス費 地域協働加算の取扱い(協働の相手方の例示、生産活動収入の発生に係るものに限る、参加し支援を受けた利用者の数)2
- 同告示 第14の2 ピアサポート実施加算7
- 令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(報酬体系の類型化・地域協働加算の創設)3
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(参加等評価方式の6:1新設・地域協働加算30単位の維持)4
- サービスコード表(令和8年6月施行版)5、単価告示(平成18年厚生労働省告示第539号)6
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第14の11 地域協働加算 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
-
厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(2)就労継続支援B型サービス費 地域協働加算の取扱い(p.298) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
-
厚生労働省「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和3年2月4日 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)就労継続支援B型 ①多様な就労支援ニーズに対応するための報酬体系の類型化(p.48)、③地域住民との協働やピアサポートの専門性の評価(p.49) (https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000743384.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」就労継続支援B型(p.31:「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系、地域協働加算(現行)30単位/日) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2 ↩3
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厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)」分冊2 p.245(46-6885 就継B地域協働加算) (https://www.mhlw.go.jp/content/001696434.pdf) ↩ ↩2
-
厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2
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同告示 第14の2 ピアサポート実施加算(100単位・月) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2
