児童指導員等加配加算は、児童発達支援・放課後等デイサービスの基準人員に加えて、児童指導員等またはその他の従業者を1人以上配置した事業所が算定する加算です。誰を「児童指導員等」として数えられるかは告示と留意事項通知で決まっており、児童指導員・保育士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・手話通訳士・手話通訳者・特別支援学校免許取得者・心理担当職員・視覚障害児支援担当職員・強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者の11職種です12。この範囲に入らない人は「その他の従業者」として最も低い区分(定員10人以下で90単位)になります1。
本記事は従業者の資格要件に絞って整理します。児童指導員の10の資格ルート、保育士の範囲、心理担当職員・視覚障害児支援担当職員の要件、「5年以上」と「常勤専従」で分かれる5つの区分の判定、基準人員との数え方、常勤の定義、届出を扱います。単位数の全表と専門的支援体制加算との「5年」の数え方の違いは児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算の比較を参照してください。
全体像(誰を・どう配置すると・どの区分か)#
| 区分 | 配置する人 | 配置形態 | 単位数(放デイ・児発センター以外、定員10人以下/11〜20人/21人以上) |
|---|---|---|---|
| (1) | 5年以上児童福祉事業に従事した経験を有する児童指導員等 | 常勤専従 | 187/125/75 |
| (2) | 児童指導員等(5年未満) | 常勤専従 | 152/101/59 |
| (3) | 5年以上の児童指導員等 | 常勤換算 | 123/82/49 |
| (4) | 児童指導員等(5年未満) | 常勤換算 | 107/71/43 |
| (5) | その他の従業者 | 常勤換算 | 90/60/36 |
いずれも、基本報酬の算定に必要となる従業者の員数(専門的支援体制加算を算定している場合はその加算に必要な員数も含む)に加えて1人以上を配置することが条件です12。基準人員を満たしているだけでは算定できません。
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児童指導員等に入る11職種#
留意事項通知は「児童指導員等」を次のとおり定義しています2。
| 職種 | 根拠・要件 |
|---|---|
| 児童指導員 | 児童福祉施設基準第43条の資格要件(下記10ルート)。通所基準第5条は施設基準第21条第6項の「児童の生活指導を行う者」を児童指導員としている45 |
| 保育士 | 児童福祉法の保育士。認定地方公共団体の区域内の地域限定保育士、旧国家戦略特別区域限定保育士(事業実施区域内)を含む1 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 各国家資格 |
| 手話通訳士 | 手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令に基づく審査・証明事業(平成元年厚生省告示第122号)に規定する手話通訳士1 |
| 手話通訳者 | 告示に明記1 |
| 特別支援学校免許取得者 | 教育職員免許法に規定する特別支援学校の教員の免許状を有する者1 |
| 心理担当職員 | 公認心理師、その他大学(短期大学を除く)または大学院で心理学科等を修了して卒業し、個人及び集団心理療法の技術を有する者、またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者に限る2 |
| 視覚障害児支援担当職員 | 国立障害者リハビリテーションセンターの学院の視覚障害学科の教科を履修した者、またはこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成を行う研修を修了した者2 |
| 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者 | 基礎研修の修了で足りる(実践研修は不要)2 |
看護職員はこの11職種に含まれていません。看護職員は医療的ケア区分の基本報酬や看護職員加配加算で評価され、加配加算では「その他の従業者」です12。
児童指導員の10の資格ルート(児童福祉施設基準第43条)#
| 号 | 要件 |
|---|---|
| 1 | 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者 |
| 2 | 社会福祉士 |
| 3 | 精神保健福祉士 |
| 3の2 | こども家庭ソーシャルワーカー |
| 4 | 大学(短期大学を除く)で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学科またはこれらに相当する課程を修めて卒業した者 |
| 5 | 大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得し、大学院への入学を認められた者 |
| 6 | 大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専攻する研究科またはこれらに相当する課程を修めて卒業した者 |
| 7 | 外国の大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学科等を修めて卒業した者 |
| 8 | 高等学校・中等教育学校を卒業した者(大学入学資格者、12年の学校教育修了者等を含む)で、2年以上児童福祉事業に従事したもの |
| 9 | 幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校の教諭の免許状を有する者で、都道府県知事が適当と認めたもの |
| 10 | 3年以上児童福祉事業に従事した者で、都道府県知事が適当と認めたもの |
9号・10号は「都道府県知事が適当と認めたもの」が要件に入っているため、指定権者ごとに確認方法が異なります。指定申請・変更届で提出する資格証明書類(卒業証明書、成績証明書、実務経験証明書等)は指定権者の手引きに従ってください。4号は「専修する学科」で、科目単位の履修だけでは5号(優秀な成績で大学院入学を認められた者)の要件になります5。
基準人員との数え方(加配の「土台」)#
加配加算は基準人員に加えて配置する人で算定するため、まず基準人員を満たす必要があります。
| サービス | 基準人員(児童指導員または保育士) | 根拠 |
|---|---|---|
| 児童発達支援(センター以外) | 単位ごとに提供時間帯を通じて専従で、障害児10人まで2人以上、10人を超えて5人またはその端数ごとに1人を加えた数以上。1人以上は常勤。児童発達支援管理責任者1人以上(1人以上は専任かつ常勤) | 通所基準第5条4 |
| 放課後等デイサービス | 同上(障害児10人まで2人以上、5人ごとに+1)。1人以上は常勤。児童発達支援管理責任者1人以上(1人以上は専任かつ常勤) | 通所基準第66条4 |
基準人員として数えられるのは児童指導員または保育士(機能訓練担当職員・看護職員は提供時間帯を通じて専従する場合に合計数に含められる)で、加配加算の「児童指導員等」より狭い範囲です。たとえば理学療法士や特別支援学校免許取得者は加配加算の「児童指導員等」には入りますが、基準人員の児童指導員・保育士の数には入りません(機能訓練担当職員として専従する場合を除く)4。
基準人員が欠けていると人員欠如減算(70%・3月以上で50%)の対象になり、加配の前提を失います。減算の詳細は放課後等デイサービスの基本報酬・児童発達支援の基本報酬を参照してください。
区分の判定(経験年数×配置形態)#
5年以上の経験#
区分(1)(3)の「5年以上児童福祉事業に従事した経験」には、幼稚園・特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育に従事した経験も含まれ、資格取得またはその職種として配置された以後の経験に限りません2。専門的支援体制加算の「理学療法士等」としての保育士・児童指導員は資格取得後の経験に限られ、特別支援学校等の経験は含まれないため、同じ人でも加算によって5年の判定が変わります6。
常勤専従か常勤換算か#
| 区分 | 配置形態 |
|---|---|
| (1)(2) | 常勤専従により配置 |
| (3)(4)(5) | 常勤換算により1名以上を配置 |
常勤換算の区分(3)〜(5)では、異なる職種の組み合わせで常勤換算1名以上にできます。ただし組み合わせると低い方の区分になります2。
| 組み合わせ | 算定する区分 |
|---|---|
| 児童指導員等+その他の従業者 | その他の従業者(5) |
| 5年以上の児童指導員等+その他の従業者 | その他の従業者(5) |
| 5年以上の児童指導員等+5年未満の児童指導員等 | 5年未満の児童指導員等(4) |
常勤の定義#
「常勤」は、その事業所で定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本)に達していることをいいます。母性健康管理措置や育児・介護・治療のための所定労働時間の短縮等の措置が講じられている者は、利用者の処遇に支障がない体制が整っていれば30時間で常勤として扱えます。常勤換算でも、短縮措置が講じられている場合は30時間以上の勤務で1として扱えます7。
多機能型事業所で児童発達支援の保育士と放課後等デイサービスの保育士を兼務している者は、勤務時間の合計が所定の時間に達していれば常勤要件を満たします2。
サービス提供時間帯に直接支援#
加配加算は常時見守りが必要な障害児への支援等の強化が目的なので、対象となる児童指導員等・その他の従業者はサービス提供時間帯を通じて事業所で直接支援に当たることが基本です2。事務や送迎のみの人は対象になりません。
届出#
児童指導員等加配加算は、こども家庭庁支援局長が定める様式により都道府県知事(指定都市・児童相談所設置市は市長)に届け出た事業所が算定します1。配置する職員の職種・経験年数・配置形態(常勤専従か常勤換算か)で区分が変わるため、職員の退職・異動で区分が変わったときは体制の変更届が必要です。届出の時期(翌月適用か当月適用か)は指定権者の取扱いに従ってください。
計算例#
その他地域(1単位10.00円)の放課後等デイサービス(定員10人・基準人員は児童指導員2人+児発管1人)で、基準人員に加えて次の職員を配置した場合12。
| 配置 | 判定 | 単位数(1日) | 月22日 |
|---|---|---|---|
| 社会福祉士(児童指導員・児童福祉事業6年)を常勤専従で1人 | (1)5年以上・常勤専従 | 187単位 | 4,114単位(41,140円) |
| 特別支援学校免許取得者(経験3年)を常勤専従で1人 | (2)5年未満・常勤専従 | 152単位 | 3,344単位(33,440円) |
| 保育士(経験8年)週20時間+無資格の支援員 週20時間(常勤40時間の事業所) | 異なる職種で常勤換算1.0→(5)その他の従業者 | 90単位 | 1,980単位(19,800円) |
3つ目は、保育士を常勤換算1.0で配置できれば(3)123単位になります。組み合わせの相手が「その他の従業者」だと保育士の経験8年は評価されません2。
よくある質問#
Q. 看護師を基準人員に加えて配置しています。児童指導員等加配加算の区分は#
看護職員は児童指導員等の11職種に含まれないため、「その他の従業者」(5)です。医療的ケア児を支援している場合は、医療的ケア区分の基本報酬や看護職員加配加算での評価を検討してください12。
Q. 小学校の教諭免許を持っています。児童指導員になれますか#
児童福祉施設基準第43条第9号で、幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校の教諭の免許状を有する者で都道府県知事が適当と認めたものが児童指導員です。認定の手続きは指定権者に確認してください5。特別支援学校の教員免許状なら、児童指導員の認定を受けなくても「特別支援学校免許取得者」として児童指導員等に入ります1。
Q. 高卒で児童福祉事業に2年従事しました#
第43条第8号(高等学校等を卒業した者で2年以上児童福祉事業に従事したもの)に該当します。3年以上なら第10号(都道府県知事が適当と認めたもの)の要件もあります5。
Q. 強度行動障害支援者養成研修は実践研修まで必要ですか#
留意事項通知は「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者」としているため、基礎研修の修了で児童指導員等に該当します2。
Q. 心理学部を卒業しただけで心理担当職員になれますか#
心理担当職員は、公認心理師、または大学(短期大学を除く)・大学院で心理学科等を修了して卒業し個人及び集団心理療法の技術を有する者、またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者に限られます。卒業だけでは「技術を有する」ことの確認が必要で、指定権者の判断になります2。
Q. 保育士の資格を取る前の保育補助の経験は5年に数えられますか#
加配加算の経験年数は「資格取得またはその職種として配置された以後の経験に限らない」ため数えられます。専門的支援体制加算では資格取得後に限られます26。
Q. 常勤専従の人が育児短時間勤務で週30時間です。(1)(2)を算定できますか#
育児・介護休業法の所定労働時間の短縮等の措置が講じられている者は、利用者の処遇に支障がない体制が整っていれば常勤の勤務すべき時間数を30時間として扱えます7。
制度上の根拠#
- 児童通所報酬告示(平成24年厚生労働省告示第122号)別表 第1の1 注8(児童発達支援)・第3の1 注7(放課後等デイサービス)児童指導員等加配加算1
- 障害児通所支援留意事項通知(令和8年度改定版)第二の2(1)④ 児童指導員等加配加算の取扱い(p.27〜28)、④の2 専門的支援体制加算の取扱い(p.28〜29)、第二の1(14)常勤換算方法及び常勤の具体的な取扱い(p.18)267
- 指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)第5条・第66条4
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第21条第6項・第43条5
- サービスコード表(令和8年6月施行版・障害児通所支援等)3
Footnotes#
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こども家庭庁・厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成24年厚生労働省告示第122号)別表 第1の1 注8、第3の1 注7(児童指導員等加配加算) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab2680&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14
-
こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年度改定版)第二の2(1)④ 児童指導員等加配加算の取扱い(一)〜(五)(p.27〜28:児童指導員等の定義、経験年数、常勤専従/常勤換算、多機能型の常勤、異なる職種の組み合わせ、直接支援) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19
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「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)障害児通所支援等」児童発達支援 p.118〜120、放課後等デイサービス p.462〜463 (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696435.pdf) ↩ ↩2
-
こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号)第5条(児童発達支援の従業者の員数)・第66条(放課後等デイサービスの従業者の員数) (https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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こども家庭庁「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)第21条第6項(児童指導員の定義)・第43条(児童指導員の資格) (https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100063) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
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同留意事項通知 第二の2(1)④の2 専門的支援体制加算の取扱い(一)(p.29:理学療法士等の範囲、経験年数は資格取得後に限り特別支援学校等の経験を含まない) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3
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同留意事項通知 第二の1(14)常勤換算方法及び常勤の具体的な取扱い(p.18:32時間、短縮措置の30時間) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3