児童発達支援の基本報酬(児童発達支援給付費)は、令和6年度改定で時間区分(30分以上1時間30分以下/1時間30分超3時間以下/3時間超5時間以下)が導入され、医療的ケア区分(スコア32点以上・16点以上・3点以上・なし)と利用定員の組み合わせで単位数が決まります1。たとえば児童発達支援センター以外の事業所(定員10人以下・主に未就学児)で医療的ケアのない児は、時間区分1で901単位、時間区分2で928単位、時間区分3で980単位です1。
請求で間違いやすいのは、**時間区分は計画上の標準的な時間で決まる(事業所都合で短縮した日だけ実時間)**こと、医療的ケア区分は看護職員の配置実績(月単位の延べ人数)で判定すること、主に未就学児の区分は前年度の延べ利用人数の70%で判定すること、自己評価・支援プログラムを公表していないと85%、**営業時間が6時間未満だと70%/85%になること、そして令和8年6月以降の新規指定事業所は98.8%**になることです12。本記事では、告示122号と留意事項通知に沿って整理します。
全体像(算定の4軸)#
| 軸 | 区分 |
|---|---|
| 事業所の類型 | イ 児童発達支援センター/ロ センター以外(主に未就学児・それ以外)/ハ 主として重症心身障害児/ニ 共生型/ホ 基準該当 |
| 時間区分(イ・ロ) | 区分1:30分以上1時間30分以下/区分2:1時間30分超3時間以下/区分3:3時間超5時間以下 |
| 医療的ケア区分(イ・ロ) | 区分3:スコア32点以上/区分2:16点以上/区分1:3点以上/該当なし |
| 利用定員 | センター:30人以下〜81人以上の7段階/センター以外:10人以下・11〜20人・21人以上/重心:5〜7人・8〜10人・11人以上 |
地方公共団体が設置する児童発達支援センターは所定単位数の1000分の965を算定します1。サービスコードは種類「61」で、センター・医療的ケア区分3・定員30人以下・時間区分1が61-D001(3,136単位)です3。
この分野をもう少し深く聞きたいなら無料セミナーの日程を見る
単位数(1日につき)#
ロ 児童発達支援センター以外・主に未就学児#
| 医療的ケア区分 | 定員 | 時間区分1 | 時間区分2 | 時間区分3 |
|---|---|---|---|---|
| 区分3(32点以上) | 10人以下 | 2,933 | 2,959 | 3,012 |
| 11〜20人 | 2,684 | 2,702 | 2,739 | |
| 21人以上 | 2,568 | 2,582 | 2,611 | |
| 区分2(16点以上) | 10人以下 | 1,917 | 1,943 | 1,996 |
| 11〜20人 | 1,668 | 1,687 | 1,723 | |
| 21人以上 | 1,552 | 1,567 | 1,596 | |
| 区分1(3点以上) | 10人以下 | 1,579 | 1,605 | 1,658 |
| 11〜20人 | 1,330 | 1,348 | 1,385 | |
| 21人以上 | 1,214 | 1,228 | 1,257 | |
| 該当なし | 10人以下 | 901 | 928 | 980 |
| 11〜20人 | 652 | 671 | 707 | |
| 21人以上 | 536 | 551 | 580 |
ロ 児童発達支援センター以外・それ以外(主に未就学児に該当しない)#
| 医療的ケア区分 | 定員 | 時間区分1 | 時間区分2 | 時間区分3 |
|---|---|---|---|---|
| 区分3 | 10人以下 | 2,813 | 2,836 | 2,881 |
| 11〜20人 | 2,593 | 2,608 | 2,639 | |
| 21人以上 | 2,493 | 2,505 | 2,529 | |
| 区分2 | 10人以下 | 1,797 | 1,820 | 1,865 |
| 11〜20人 | 1,577 | 1,592 | 1,623 | |
| 21人以上 | 1,477 | 1,489 | 1,513 | |
| 区分1 | 10人以下 | 1,459 | 1,481 | 1,526 |
| 11〜20人 | 1,238 | 1,254 | 1,284 | |
| 21人以上 | 1,139 | 1,151 | 1,175 | |
| 該当なし | 10人以下 | 781 | 804 | 849 |
| 11〜20人 | 561 | 576 | 607 | |
| 21人以上 | 461 | 473 | 497 |
イ 児童発達支援センター(時間区分1)#
| 医療的ケア区分 | 30人以下 | 31〜40 | 41〜50 | 51〜60 | 61〜70 | 71〜80 | 81人以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 区分3 | 3,136 | 3,061 | 2,991 | 2,924 | 2,897 | 2,873 | 2,849 |
| 区分2 | 2,120 | 2,045 | 1,975 | 1,909 | 1,881 | 1,857 | 1,833 |
| 区分1 | 1,782 | 1,706 | 1,636 | 1,570 | 1,543 | 1,519 | 1,495 |
| 該当なし | 1,104 | 1,029 | 959 | 893 | 866 | 841 | 817 |
時間区分2は区分3で3,163〜2,868単位など、時間区分1より若干高い単位が設定されています1。
ハ〜ホ#
| 類型 | 単位数 |
|---|---|
| ハ 主として重症心身障害児を通わせる事業所 | 定員5〜7人 2,131/8〜10人 1,347/11人以上 850 |
| ニ 共生型児童発達支援給付費 | 682 |
| ホ 基準該当児童発達支援給付費 | (Ⅰ)793/(Ⅱ)682 |
類型ごとの要件(届出)#
| 類型 | 要件 |
|---|---|
| イ センター | 児童発達支援センターで、児童指導員・保育士・機能訓練担当職員の総数が障害児の数÷4以上 |
| ロ(一)主に未就学児 | 指定通所基準第5条第1項(児童指導員・保育士が10人まで2人、以降5人ごとに1人)を満たし、小学校就学前の障害児が70%以上(または第5条第4項の重心基準) |
| ロ(二)それ以外 | 第5条第1項を満たす事業所(重心事業所で支援を受けた重心児以外の障害児) |
| ハ 重心 | 障害児が重症心身障害児で、第5条第4項(嘱託医・看護職員・児童指導員または保育士・機能訓練担当職員・児発管 各1以上)を満たす |
| ニ 共生型 | 第54条の2の共生型児童発達支援事業所 |
| ホ 基準該当 | 第54条の6〜9(Ⅰ)、第54条の10〜12のみなし基準該当(Ⅱ) |
「主に未就学児」の70%判定は、前年度の延べ利用人数のうち小学校就学前の障害児の延べ利用人数の割合(小数点第2位以下切上げ)で行い、多機能型は児童発達支援の報酬を算定している障害児の延べ利用人数で算出します。新設・増改築で前年度実績が1年未満の場合は、3月未満は在籍者数の割合、3月以上1年未満は3月間の延べ利用人数、1年以上は直近1年間で判定します2。
時間区分の決め方(標準的な時間)#
「サービス提供時間」は現に要した時間ではなく、児童発達支援計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間として計画に定めたものです。ただし実際の提供時間が計画より短い場合、事業所の都合で短縮したときは実際の時間、障害児や保護者の事情で短縮したときは計画の時間で算定します。計画と実際の乖離が常態化していれば計画を見直します14。
個々の障害児へのサービス提供時間(送迎時間を除く)は30分以上が必要で、30分未満は、周囲の環境に慣れるために短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り算定できます14。
医療的ケア区分の判定(看護職員の配置)#
医療的ケアスコア(基本スコア+見守りスコア)が3点以上の医療的ケア児に、区分に応じた数の看護職員を配置して医療的ケアを提供した場合に、医療的ケア区分に応じた基本報酬を算定できます5。
| 区分 | スコア | 必要な看護職員 | 必要看護職員数(1人1日当たり) |
|---|---|---|---|
| 区分3 | 32点以上 | 医療的ケア児1人につきおおむね1名 | 1 |
| 区分2 | 16点以上 | 2人につきおおむね1名 | 0.5 |
| 区分1 | 3点以上 | 3人につきおおむね1名 | 0.33 |
判定は月単位で、医療的ケア児ごとの必要看護職員数×利用延べ日数の合計(必要看護職員合計数)と、医療的ケア児が利用した日に提供時間帯を通じて配置した看護職員の延べ人数(配置看護職員合計数)を比べ、配置が必要数以上ならその月の全ての利用日について区分に応じた基本報酬を算定できます。下回る場合は最も下回る日を除外して再計算でき、除外した日は医療的ケア区分でない基本報酬になります。看護職員を全く配置しなかった日は医療的ケア区分の基本報酬を算定できません。例:定員10人・医療的ケア区分2・時間区分1なら、看護職員を配置した日は1,917単位、配置しなかった日は901単位です5。
基準省令上の児童指導員・保育士の合計数に含めた看護職員は、この人数に計上できません。医療的ケア児を提供する時間帯に実際に医療的ケアを提供したかは問いません5。
減算#
| 減算 | 割合 | 要件 |
|---|---|---|
| 児童発達支援計画未作成 | 70%(3月以上は50%) | 第27条の計画が作成されていない場合 |
| 自己評価結果等未公表 | 85% | 第26条第7項(おおむね1年に1回以上、自己評価・保護者評価・改善内容を保護者に示しインターネット等で公表)の届出がない場合 |
| 支援プログラム未公表 | 85% | 第26条の2(5領域との関連性を明確にした事業所全体の支援プログラムを策定・公表)の届出がない場合 |
| 開所時間減算 | 70%(4時間未満)/85%(4時間以上6時間未満) | 運営規程等の営業時間が6時間未満。送迎のみの時間は含まない。個々の児の実利用時間は問わない。加算前の単位数に乗じる |
| 定員超過利用 | 70% | 1日の障害児数が定員の150%(51人以上は定員+(定員−50)×25%+25)を超える日、または過去3月間の延べ数が定員×開所日数の125%(定員11人以下は定員+3人×開所日数)を超える月 |
| 人員欠如 | 70%(児童指導員・保育士は3月以上、児発管は5月以上で50%) | 基準省令上の員数を満たしていない場合(センター・重心事業所を除く) |
| 情報公表未報告 | 5%減算 | 法第33条の18の報告を行っていない場合 |
| 身体拘束廃止未実施・虐待防止措置未実施・業務継続計画未策定 | 各1%減算 | 第44条第2項・3項、第45条第2項、第38条の2第1項の基準を満たしていない場合 |
| 新規指定事業所 | 98.8% | 令和8年6月1日以降に指定を受けた事業所(重心事業所、定める地域の事業所、都道府県が地域に特に必要と指定する事業所を除く)。医療的ケア区分1〜3、強度行動障害児支援加算、人工内耳装用児支援加算、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算を1日以上算定している児はその月は所定単位数 |
開所時間減算と新規指定の98.8%は、各種加算がなされる前の基本報酬の単位数に乗じます。法人の合併・分割・事業譲渡等に伴う指定で実質的に継続して運営されると都道府県知事が認めるときは、新規指定として扱いません2。
人員・定員の基準(基準省令)#
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 児童指導員または保育士 | 単位ごとに提供時間帯を通じて専従で、障害児10人まで2人以上、10人を超えて5人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上。1人以上は常勤 |
| 児童発達支援管理責任者 | 1人以上(1人以上は専任かつ常勤) |
| 機能訓練担当職員・看護職員 | 機能訓練を行う場合、医療的ケアを行う場合に配置。提供時間帯を通じて専従なら児童指導員・保育士の合計数に含められる(合計の半数以上は児童指導員・保育士) |
| 主として重症心身障害児 | 嘱託医・看護職員・児童指導員または保育士・機能訓練担当職員・児発管 各1以上 |
| 利用定員 | 10人以上(主として重症心身障害児を通わせる事業所は5人以上可) |
計算例#
その他地域(1単位10.00円)の児童発達支援事業所(センター以外・定員10人・主に未就学児・営業時間6時間以上・自己評価と支援プログラムを公表済み)で、医療的ケアのない児に計画上3時間30分の支援を月12日提供した場合1。
| 項目 | 単位数 |
|---|---|
| 児童発達支援給付費 ロ(一)d 時間区分3(3時間超5時間以下) | 980単位×12日=11,760単位(117,600円) |
同じ児が令和8年6月以降の新規指定事業所に通う場合は980×98.8%=968.24→968単位です1。1級地(センター以外・重心以外の単価11.20円)なら980単位は10,976円です9。
よくある質問#
Q. 2時間の予定が子どもの体調で1時間で終わりました。時間区分は#
保護者・障害児の事情による短縮なので、計画に定めた時間(時間区分2)で算定します。事業所の都合で短縮した場合は実際の時間で算定します4。
Q. 看護職員が午前だけ勤務した日の医療的ケア区分は#
提供時間帯を通じて配置した場合に1人と数えるため、半分の時間帯だけなら配置看護職員数は0人として月の合計を計算します。ただし「配置されなかった日」として区分の基本報酬を算定できないのは、提供時間帯の全てにわたり配置されなかった日です5。
Q. 小学生も受け入れています。「主に未就学児」の区分は#
前年度の延べ利用人数のうち小学校就学前の障害児が70%以上なら「主に未就学児」の単位数、未満なら「それ以外」の単位数です2。
Q. 営業時間5時間で、子どもは3時間利用しました#
営業時間4時間以上6時間未満の減算(85%)を基本報酬に乗じます。個々の児の実利用時間は問いません2。
Q. 令和8年6月に新規指定を受けました。全ての児が98.8%ですか#
医療的ケア区分1〜3の児、強度行動障害児支援加算・人工内耳装用児支援加算・視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算を1日以上算定した児は、その月は所定単位数を算定します。それ以外の児は98.8%です12。
Q. 30分未満の支援は算定できますか#
環境に慣れるために短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り算定できます14。
制度上の根拠#
- 児童通所報酬告示(平成24年厚生労働省告示第122号)別表 第1の1 児童発達支援給付費(注1〜6の2・注12)1
- 障害児通所支援留意事項通知 第二の1(3)サービス提供時間、(3の2)時間区分、(4)定員規模、(4の2)医療的ケア区分、(5)定員超過(p.5〜10)、2(1)①児童発達支援給付費の区分(p.20〜23)2456
- 指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)第5条・第11条・第26条第7項・第26条の2・第27条78
- 障害児通所支援等サービスコード表(令和8年6月施行版)3、こども家庭庁長官が定める一単位の単価(平成24年厚生労働省告示第128号)9
Footnotes#
-
こども家庭庁・厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成24年厚生労働省告示第122号)別表 障害児通所給付費等単位数表 第1の1 児童発達支援給付費 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab2680&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
-
こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年度改定版)第二の2(1)①児童発達支援給付費の区分について(p.20〜23:類型の要件、営業時間6時間未満の減算、未就学児70%の判定、令和8年6月1日以降の新規指定の取扱い) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
-
「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版)障害児通所支援等」児童発達支援(61-D001ほか) (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696435.pdf) ↩ ↩2
-
同留意事項通知 第二の1(3)障害児通所支援のサービス提供時間、(3の2)時間区分ごとの単価の取扱い(p.5〜6) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
同留意事項通知 第二の1(4の2)医療的ケア区分ごとの単価の取扱い(p.6〜8) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
同留意事項通知 第二の1(5)定員超過(p.8〜10)、(6)人員欠如、(7)通所支援計画未作成、(8)質の評価及び改善の内容未公表(p.12〜14)、支援プログラム未公表減算(p.14) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2
-
こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号)第26条第7項(自己評価等の公表)・第26条の2(支援プログラムの公表)・第27条(児童発達支援計画) (https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015) ↩ ↩2
-
同基準 第5条(従業者の員数)・第11条(利用定員) (https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015) ↩ ↩2
-
こども家庭庁「こども家庭庁長官が定める一単位の単価」(平成24年厚生労働省告示第128号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab2685&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2