A型B型

障害福祉サービスの送迎加算(Ⅰ)21/(Ⅱ)10単位|区分は「平均10人以上・週3回」の規模と頻度で決まる・生活介護の重度者+28・同一敷地内70%は成人系が加算前・児童系が加算後・隣接しない施設の入所者は対象(R6)・(Ⅱ)はR6新設ではない

公開: 2026年6月19日更新: 2026年10月8日
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送迎加算は、生活介護・自立訓練・就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援A型・B型の事業所が、利用者の居宅等と事業所の間の送迎を行ったときに片道につき算定する加算で、送迎加算(Ⅰ)21単位・(Ⅱ)10単位の2区分です1。(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは送迎の「体制」や「車両」ではなく、その月の送迎の規模と頻度です。1回の送迎で平均10人以上(定員20人未満は定員の50%以上)の利用があり、かつ週3回以上送迎していれば(Ⅰ)、どちらか一方なら(Ⅱ)です2。

請求で間違いやすいのは、同一敷地内の送迎は70%になること、その70%を生活介護の重度者の加算(+28単位)を足す前の単位数に乗じること(児童発達支援・放課後等デイサービスは逆で加算後に乗じる)、そして事業所と同一敷地内・隣接する障害者支援施設の入所者は対象外であることです123。なお、(Ⅰ)(Ⅱ)の2区分は令和6年度改定で新設されたものではありません。令和3年度改定では「送迎加算の現行の枠組みは維持する」とされ、令和6年度改定の見直しは「障害者支援施設と隣接していない日中活動系事業所への送迎で施設入所者を対象にする」ことでした45。

全体像#

項目内容
対象サービス生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型(指定障害者支援施設が行う場合を含む)
単位数(Ⅰ)21単位/(Ⅱ)10単位(片道につき)
生活介護の重度者の加算区分5・6またはこれに準ずる者が利用者の60%以上の事業所は、片道につき**+28単位**
同一敷地内の送迎所定単位数の100分の70(21×0.7=14.7→15単位)
対象外国・地方公共団体・のぞみの園が設置する事業所(公の施設の管理の委託がある場合を除く)、事業所と同一敷地内・隣接する障害者支援施設の入所者、宿泊型自立訓練の利用者
届出「別に厚生労働大臣が定める送迎を実施しているもの」として都道府県知事に届出

1

短期入所の送迎加算(186単位)は別の体系で、本記事では扱いません1。

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(Ⅰ)と(Ⅱ)の要件(留意事項通知)#

留意事項通知は、当該月において次の(ア)(イ)に該当するかで区分を決めます2。

区分要件
送迎加算(Ⅰ)(ア)かつ(イ)
送迎加算(Ⅱ)(ア)または(イ)
  • (ア)1回の送迎につき平均10人以上(利用定員20人未満の事業所は、1回の送迎につき平均的に定員の100分の50以上)の利用者が利用
  • (イ)週3回以上の送迎を実施

多機能型事業所や同一敷地内に複数の事業所がある場合は、原則として一の事業所として扱います(事業所ごとに送迎している場合など、都道府県知事が特に必要と認める場合はこの限りではありません)2。

居宅以外の送迎場所#

居宅以外でも、事業所の最寄り駅や集合場所との間の送迎は対象になります。ただし事前に利用者と合意のうえ、特定の場所を定めておく必要があります2。生活介護では、グループホーム(介護サービス包括型・日中サービス支援型・外部サービス利用型)と事業所の間の送迎も対象です2。

外部委託・他事業所の利用者の同乗#

送迎を外部事業者に委託する場合も対象です。利用者に公共交通機関の費用を直接給付する場合は対象になりません。他の障害福祉サービス事業所や介護事業所と送迎に係る雇用契約・委託契約(共同での委託を含む)を結び、他の事業所の利用者を同乗させた場合も対象ですが、費用負担と事故時の責任の所在を事前に明確にしておきます2。

生活介護の重度者の加算(+28単位)#

送迎を実施し、かつ区分5・区分6に該当する者またはこれに準ずる者が利用者の数の合計の60%以上であるとして届け出た生活介護事業所・障害者支援施設は、利用者の送迎について片道につき28単位を加算します1。「これに準ずる者」は、区分4以下であって行動関連項目の合計点数が10点以上の者、または喀痰吸引等を必要とする者です2。この加算は生活介護だけにあり、自立訓練・就労系にはありません1。

同一敷地内の送迎は100分の70#

同一敷地内の他の事業所等との間の送迎は、所定単位数の100分の70を算定します12。

成人系は「加算前」に乗じる#

留意事項通知は、この所定単位数は「報酬告示第6の12の注2(重度者の加算)がなされる前の単位数とし、当該加算を含めた単位数の合計数ではない」と明記しています2。

同一敷地内の他の事業所等との間の送迎を行った場合は、所定単位数の100分の70を算定する。なお、当該所定単位数は、報酬告示第6の12の注2の加算がなされる前の単位数とし、当該加算を含めた単位数の合計数ではないことに留意すること。

つまり生活介護で重度者の加算がある事業所の同一敷地内送迎は、21×0.7=14.7→15単位+28単位=43単位です。「(21+28)×0.7」ではありません。

児童系は「加算後」に乗じる(計算順序が逆)#

児童発達支援・放課後等デイサービスの留意事項通知は、同一敷地内の送迎について「当該所定単位数は、注1の2の加算(重症心身障害児・医療的ケア児の+40単位)がなされる場合には当該加算をした後の単位数とし、当該加算を含めた単位数の合計数の100分の70となる」としています3。成人系と児童系で計算順序が反対なので、多機能型で両方を運営している場合は取り違えに注意してください。児童系の詳細は児童系の処遇改善加算率と送迎加算を参照してください。

「同一敷地内・隣接」の具体例#

一体的な建築物として障害者支援施設の1階部分に事業所がある場合、渡り廊下でつながっている場合、同一敷地内の別棟、幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当します2。

施設入所者の送迎(令和6年度改定の見直し点)#

告示は、事業所と同一敷地内にあり、または隣接する指定障害者支援施設を利用する施設入所者を送迎加算の対象から除いています1。令和6年度改定で、障害者支援施設と隣接していない日中活動系の事業所への送迎をした場合には、施設入所者を加算の対象とするよう見直されました5。

改定の経緯((Ⅱ)はいつからあるか)#

令和3年度改定では、平成30年度改定で「引き続き検討する事項」とされていた就労継続支援A型と放課後等デイサービスの送迎加算について、送迎の理由は公共交通機関がない等の地域の実情や障害特性などやむを得ない事情が多く、多くの事業所が必要性を個別に判断している実態を踏まえ、送迎加算の現行の枠組みは維持されました。そのうえで、A型は利用者と雇用契約を締結し知識・能力向上のための訓練を行うことを念頭に、利用者の自立能力の獲得を妨げないよう配慮することが改めて周知されています4。(Ⅰ)(Ⅱ)の2区分と重度者の加算は令和3年度改定より前から設けられている枠組みで、令和6年度改定で新設されたものではありません45。

届出#

送迎加算は「別に厚生労働大臣が定める送迎を実施しているもの」として都道府県知事に届け出た事業所が算定します。生活介護の重度者の加算は、区分5・6等が60%以上であることも併せて届け出ます1。届出の様式と時期は指定権者の定めに従ってください。

計算例#

その他地域(1単位10.00円)の就労継続支援B型(定員20人・送迎加算(Ⅰ)届出済み)で、利用者1人を月20日、毎回往復送迎した場合1。

項目計算
送迎加算(Ⅰ)21単位×2(往復)×20日=840単位(8,400円)
同じ条件で(Ⅱ)の場合10単位×2×20日=400単位(4,000円)
生活介護(重度者の加算あり)の場合(21+28)×2×20日=1,960単位(19,600円)
生活介護(重度者の加算あり)で同一敷地内の送迎(15+28)×2×20日=1,720単位(17,200円)

よくある質問#

Q. 週2回しか送迎していません。送迎加算は算定できますか#

(Ⅰ)は「平均10人以上(定員20人未満は定員の50%以上)」と「週3回以上」の両方が必要です。週2回でも、1回の送迎で平均10人以上(または定員の50%以上)なら(Ⅱ)10単位を算定できます2。

Q. 利用者の自宅ではなく、最寄り駅や集合場所までの送迎でも算定できますか#

できます。ただし事前に利用者と合意のうえ、特定の場所を定めておく必要があります2。

Q. 送迎を外部のタクシー会社に委託しています#

外部事業者への委託も対象です。利用者に交通費を直接給付する形は対象になりません2。

Q. 同一敷地内の送迎で、重度者の加算(28単位)も70%にするのですか#

しません。70%を乗じるのは加算前の21単位(または10単位)で、28単位はそのまま足します。児童系は加算後に70%を乗じるので逆です23。

Q. 送迎加算(Ⅱ)は令和6年度改定で新設されたのですか#

いいえ。令和3年度改定の資料が「送迎加算の現行の枠組みは維持する」としているとおり、(Ⅰ)(Ⅱ)の2区分はそれ以前からあります。令和6年度改定の送迎の見直しは、隣接していない障害者支援施設の入所者を対象にしたことです45。

Q. 障害者支援施設に併設の生活介護で、入所者を送迎しました#

事業所と同一敷地内・隣接する障害者支援施設の入所者は対象外です。隣接していない施設の入所者は令和6年度改定で対象になりました15。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第6の12(生活介護の送迎加算・注1〜3)、第10の7・第11の11・第11の2の9・第12の14・第13の13・第14の14(各サービスの送迎加算)1
  • 留意事項通知(令和6年度)第二の2(6)⑯ 送迎加算の取扱い(一)〜(七)(p.139〜141)と各サービスの準用規定2
  • 障害児通所支援留意事項通知(令和8年度改定版)第二の2(1)⑭(六)(p.45)3
  • 令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(送迎加算の取扱い・就労継続支援A型)4
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の主な改定内容(施設入所者の送迎加算の見直し)5

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第6の12、第7の12(短期入所)、第10の7、第11の11、第11の2の9、第12の14、第13の13、第14の14 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12

  2. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の2(6)⑯ 送迎加算の取扱い(一)〜(七)(p.139〜141:一の事業所、(Ⅰ)(Ⅱ)の要件、最寄り駅・集合場所、GHとの間、外部委託・同乗、同一敷地内70%は加算前、これに準ずる者、同一敷地内・隣接の例)。自立訓練・就労選択・就労移行・A型・B型は(一)〜(五)を準用(p.223・252・260・272・284〜285・302) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16

  3. こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年度改定版)第二の2(1)⑭(六)(p.45:加算をした後の単位数の100分の70) (https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  4. 厚生労働省「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」p.21〜22((16)送迎加算の取扱い:現行の枠組みは維持)、p.47(就労継続支援A型:自立能力の獲得を妨げないよう配慮) (https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000743384.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  5. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の主な改定内容」p.23(送迎加算について、障害者支援施設と隣接していない日中活動系の事業所への送迎した場合には、施設入所者を加算の対象とするよう見直し) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

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