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重要事項説明書の作成と運用|記載事項チェックリストと運営規程との整合

公開: 2026年7月6日更新: 2026年7月6日

重要事項説明書は、利用契約の入口で必ず交付・説明しなければならない文書です。基準省令は、利用申込みがあったときに**「運営規程の概要、従業者の勤務体制、その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、提供開始について同意を得る」**ことを義務付けています1。運営指導でも定番の確認文書であり、運営規程・契約書との不一致が最も指摘されやすいポイントです。

本記事では、障害福祉サービス事業所の管理者向けに、重要事項説明書の法的根拠、記載事項チェックリスト、運用の注意点を基準省令に基づいて解説します。

法的根拠と義務の内容(結論)#

項目内容
義務の内容重要事項を記した文書の交付+説明+提供開始への同意1
タイミング利用申込みが行われたとき(契約前)1
配慮義務利用申込者の障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ説明する1
掲示との関係同内容の重要事項は事業所の見やすい場所への掲示義務もある(書面備え付け+自由閲覧で代替可)1
電子化相手方の承諾を得れば、書面に代えて電磁的方法による交付・説明・同意が可能1

なお、社会福祉法第77条に基づく契約成立時の書面交付を行う場合も、利用者の障害特性に応じた適切な配慮が求められます1

記載事項チェックリスト#

重要事項説明書のベースは運営規程です。通所系サービス(生活介護の例・第89条)の運営規程には次の事項を定めることとされており、これらの概要が重要事項説明書の骨格になります1

  1. 事業の目的及び運営の方針
  2. 従業者の職種、員数及び職務の内容
  3. 営業日及び営業時間
  4. 利用定員
  5. サービスの内容並びに利用者から受領する費用の種類及びその額
  6. 通常の事業の実施地域
  7. サービスの利用に当たっての留意事項
  8. 緊急時等における対応方法
  9. 非常災害対策
  10. 事業の主たる対象とする障害の種類(定めた場合)
  11. 虐待の防止のための措置に関する事項
  12. その他運営に関する重要事項

これに加えて、基準省令第9条が明示する従業者の勤務体制、および苦情受付の窓口(基準省令上、苦情を受け付けるための窓口設置等の措置が義務付けられており、重要事項として記載するのが標準的な運用です)、秘密保持・個人情報の取扱い、事故発生時の対応、利用者負担の上限額管理などを記載するのが一般的です。運営規程に定めるべき項目はサービス種別ごとに異なるため(例: 就労定着支援は利用定員・非常災害対策の定めがない8項目構成1)、自事業所のサービスの条文と自治体の標準様式を確認してください。

最重要ポイント — 運営規程・契約書との「三点セット整合」#

重要事項説明書は「運営規程の概要」を説明する文書なので、運営規程と食い違っていれば説明自体が不正確ということになります。運営指導では運営規程・重要事項説明書がいずれも確認文書に含まれ、次のような不一致が典型的な指摘事項です。

  • 定員変更・営業時間変更が運営規程だけ(または重説だけ)に反映されている
  • 加算の取得・廃止や実費(食費・送迎等)の変更が重説の費用欄に反映されていない
  • 職員体制・職種構成が現状と異なる(人員配置変更後の更新漏れ)
  • 虐待防止・身体拘束適正化の体制(委員会・責任者)が記載されていない、または旧体制のまま

**「運営規程を変更したら、変更届+重要事項説明書の改訂+掲示物の差替えをワンセットで行う」**という運用ルールにしておくと、不一致を構造的に防げます。

説明・同意の実務#

  • 説明は障害特性に応じた配慮を — 基準省令は説明時の配慮を明文で義務付けています1。ルビ付き・平易な表現の説明資料、時間をかけた説明、家族や相談支援専門員の同席などが該当します
  • 同意の記録 — 提供開始についての同意は、署名・日付を残して保管します。契約書と一体化する場合も、重要事項の説明を受けた旨の確認欄を設けるのが確実です
  • 電磁的方法の活用 — 交付・説明・同意・契約締結などの書面は、相手方の承諾を得たうえで電磁的方法によることができます1。電子契約を導入する場合も、障害特性への配慮義務は変わりません
  • 掲示 — 運営規程の概要・勤務体制その他の重要事項は事業所の見やすい場所への掲示が必要です。掲示に代えて、書面を備え付けていつでも自由に閲覧できるようにする方法も認められています1

変更が生じたときの運用#

費用の額、営業時間、職員体制、虐待防止体制など重要事項に変更があった場合は、重要事項説明書を改訂し、既存利用者にも変更内容を説明します。特に利用者の負担額に影響する変更(実費の改定、加算の取得による利用者負担の変動)は、説明と同意を経ずに請求だけ変えるとトラブルと指摘の両方につながります。改訂履歴(版数・改訂日)を文書に残しておくと、運営指導時に変更管理の適切さを示せます。

よくある質問#

Q. 重要事項説明書と契約書はどう違いますか?#

重要事項説明書は、契約前にサービスの選択に資する情報(運営規程の概要・勤務体制等)を説明するための文書で、基準省令に基づく義務です1。契約書はサービス利用契約の成立を証する文書で、社会福祉法第77条により契約成立時の書面交付が求められます。実務では「重説で説明・同意→契約締結」の順で運用します。

Q. 電子データでの交付やオンライン説明は可能ですか?#

可能です。基準省令の附則的規定により、書面で行うことが規定されている交付・説明・同意等は、相手方の承諾を得て電磁的方法によることができます。その際も利用者の障害特性に応じた適切な配慮が必要です1

Q. 掲示は必ずポスター形式で貼り出す必要がありますか?#

見やすい場所への掲示が原則ですが、記載した書面を事業所に備え付け、いつでも関係者に自由に閲覧させる方法で代替できます1。ファイル形式で受付に常置する運用が広く行われています。

Q. 加算を新たに取得したときは説明し直す必要がありますか?#

利用者から受領する費用(利用者負担)に影響する場合は、費用の種類・額が重要事項であるため1、変更内容を説明して同意を得るべきです。体制の変更(職員配置等)も記載事項に関わるため、重要事項説明書の更新が必要です。

Q. ひな形はありますか?#

多くの都道府県・指定都市が指定申請様式の一部として重要事項説明書の標準様式を公開しています。自治体様式をベースに、自事業所の運営規程と整合させて作成してください。運営指導での確認ポイントは運営指導の流れと準備の記事も参考になります。

出典#

Footnotes#

  1. 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第9条(内容及び手続の説明及び同意)・第35条(掲示)・第89条(生活介護の運営規程)・第206条の10(就労定着支援の運営規程)ほか各サービス準用規定、附則(電磁的方法) https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16

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