福祉専門職員配置等加算は、常勤で配置されている直接処遇職員のうち、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師(就労系は作業療法士も)の割合が35%以上なら(Ⅰ)15単位、25%以上なら(Ⅱ)10単位、資格によらず常勤率75%以上または勤続3年以上の常勤職員が30%以上なら(Ⅲ)6単位を、1日につき算定する加算です12。
請求で間違いやすいのは、割合の分母が「常勤で配置されている従業者の人数」であって常勤換算ではないこと(週20時間のパート有資格者は分子にも分母にも入りません)、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は原則どれか一つで、(Ⅰ)または(Ⅱ)と(Ⅲ)の併算定ができるのは生活介護だけであること、療養介護・共同生活援助は単位数が10/7/4で、施設入所支援と短期入所にはこの加算がないことです13。
全体像(サービス別の単位数)#
| サービス | (Ⅰ) | (Ⅱ) | (Ⅲ) | 分母となる職種 | (Ⅰ)(Ⅱ)と(Ⅲ)の併算定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 生活介護 | 15 | 10 | 6 | 直接処遇職員 | 可(告示第6の3に(Ⅲ)の除外規定がない) |
| 自立訓練(機能訓練・生活訓練) | 15 | 10 | 6 | 直接処遇職員 | 不可 |
| 就労選択支援 | 15 | 10 | 6 | 就労選択支援員 | 不可 |
| 就労移行支援 | 15 | 10 | 6 | 直接処遇職員(職業指導員・生活支援員・就労支援員) | 不可 |
| 就労継続支援A型・B型 | 15 | 10 | 6 | 直接処遇職員(職業指導員・生活支援員) | 不可 |
| 療養介護 | 10 | 7 | 4 | 直接処遇職員 | 不可 |
| 共同生活援助(包括型・日中支援型・外部型) | 10 | 7 | 4 | 世話人・生活支援員 | 不可 |
| 自立生活援助 | 450(月) | 300(月) | 180(月) | 地域生活支援員 | 不可 |
単位は1日につき(自立生活援助は1月につき)です。施設入所支援・短期入所・就労定着支援には福祉専門職員配置等加算はありません1。
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算定要件#
(Ⅰ)(Ⅱ):有資格者の割合(常勤の人数で数える)#
指定基準の規定により配置することとされている直接処遇職員として常勤で配置されている従業者の総数のうち、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師である従業者の割合が、(Ⅰ)は100分の35以上、(Ⅱ)は100分の25以上であることが要件です。就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援A型・B型では作業療法士も対象資格に含まれます12。対象資格は告示に列挙されたものに限られ、理学療法士はどのサービスでも列挙されていません。また、生活介護・療養介護では作業療法士も列挙されていません1。
「常勤で配置されている従業者」は、正規・非正規の雇用形態にかかわらず、事業所で定められた常勤の従業者が勤務すべき時間数に達している従業者です2。つまり分母も分子も「常勤の人数」で、常勤換算は使いません。非常勤の有資格者がいても(Ⅰ)(Ⅱ)の計算には入りません。
(Ⅲ):常勤率または勤続年数#
| 区分 | 要件 | 数え方 |
|---|---|---|
| ア 常勤率 | 直接処遇職員として配置されている従業者の総数(常勤換算方法で算出)のうち、常勤で配置されている従業者の割合が100分の75以上 | 分母だけ常勤換算 |
| イ 勤続年数 | 直接処遇職員として常勤で配置されている従業者のうち、3年以上従事している従業者の割合が100分の30以上 | 分母は常勤の人数 |
「3年以上従事」は加算の申請を行う前月の末日時点の勤続年数で、当該事業所の勤続年数に加え、同一法人が経営する他の障害福祉サービス事業所・障害児通所支援事業所・障害児入所施設・病院・社会福祉施設等でサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができます。非常勤で勤務していた期間も含めます2。
併算定の関係#
| 組み合わせ | 生活介護 | それ以外のサービス |
|---|---|---|
| (Ⅰ)と(Ⅱ) | 不可((Ⅰ)を算定する場合(Ⅱ)は算定しない) | 不可 |
| (Ⅰ)または(Ⅱ)と(Ⅲ) | 可 | 不可((Ⅰ)または(Ⅱ)を算定する場合(Ⅲ)は算定しない) |
生活介護だけ併算定できるのは、令和6年度改定で「常勤職員が多く配置されていることや、常勤職員の勤続年数が長いことを適切に評価するため、福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)と福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)とを併給可とする」とされたためです4。留意事項通知も「指定生活介護等においては、(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している場合であっても(Ⅲ)を算定することができる」としています3。自立訓練・就労系・療養介護・共同生活援助・自立生活援助の告示には(Ⅲ)の注に「(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している場合は、算定しない」というただし書きが残っています1。
計算例#
就労継続支援B型(定員20人・その他地域1単位10.00円)で、職業指導員・生活支援員として配置している職員が次のとおりの場合12。
| 職員 | 雇用形態 | 資格 | 勤続 |
|---|---|---|---|
| A | 常勤 | 社会福祉士 | 5年 |
| B | 常勤 | なし | 4年 |
| C | 常勤 | 介護福祉士 | 1年 |
| D | 非常勤(週20時間) | 介護福祉士 | 2年 |
- (Ⅰ)(Ⅱ)の分母は常勤の3人(A・B・C)。有資格者はA・Cの2人で66.7%→(Ⅰ)15単位。Dは非常勤なので数えません。
- (Ⅲ)ア:常勤換算の総数3.5人のうち常勤3人=85.7%→該当。イ:常勤3人のうち3年以上はA・Bの2人=66.7%→該当。
- B型は(Ⅰ)と(Ⅲ)を併算定できないので、(Ⅰ)15単位を算定します。利用者が1日20人なら1日300単位(3,000円)です。
- 同じ職員構成の生活介護なら(Ⅰ)15単位+(Ⅲ)6単位=21単位を併算定できます3。
届出と運用#
- 「別に厚生労働大臣が定める基準」ではなく告示本体の要件で、都道府県知事に届け出た事業所が算定します。職員の退職・採用で割合が要件を下回ったときは、体制の変更届を出します1。
- 直接処遇職員は「指定基準の規定により配置することとされている」職種です。サービス管理責任者は直接処遇職員ではないため分母に入りません2。
- 福祉・介護職員等処遇改善加算は基本報酬と各加算の合計に率を乗じるため、本加算も処遇改善加算の対象単位に含まれます1。
よくある質問#
Q. 週20時間勤務の介護福祉士は(Ⅰ)の計算に入りますか#
入りません。(Ⅰ)(Ⅱ)は「常勤で配置されている従業者」の人数で割合を出すため、常勤の勤務時間数に達していない職員は分母にも分子にも含めません。雇用形態が非正規でも、常勤の時間数に達していれば含めます2。
Q. 育児短時間勤務の有資格者は常勤として数えられますか#
留意事項通知は、育児・介護等のための所定労働時間の短縮措置が講じられている者について、利用者の処遇に支障がない体制が整っていれば、常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間として扱えるとしています。この取扱いで常勤に当たる職員は分母・分子に含めます5。
Q. 国家試験に合格したが登録前の職員は有資格者ですか#
告示は「社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師である従業者」としており、登録を受けて資格を有する者が対象です。合格のみで登録前の者は含めないのが安全です1。
Q. (Ⅲ)の勤続3年は当事業所だけで数えますか#
同一法人が経営する他の障害福祉サービス事業所、障害児通所支援事業所、障害児入所施設、病院、社会福祉施設等でサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含められます。非常勤だった期間も含めます。他法人での勤務は含みません2。
Q. 就労移行支援で(Ⅰ)と(Ⅲ)を同時に算定できますか#
できません。併算定できるのは生活介護だけです。就労移行支援の告示は(Ⅲ)の注で「(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している場合は、算定しない」としています1。
Q. 施設入所支援でも算定できますか#
できません。施設入所支援と短期入所には福祉専門職員配置等加算の規定がありません。障害者支援施設が昼間に行う生活介護等では、その日中活動サービスの加算として算定します1。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第5の3(療養介護)、第6の3(生活介護)、第10の3・第11の3(自立訓練)、第11の2の6(就労選択支援)、第12の3(就労移行支援)、第13の3(就労継続支援A型)、第14の3(就労継続支援B型)、第14の3の3(自立生活援助)、第15の3(共同生活援助)の各福祉専門職員配置等加算1
- 留意事項通知(令和6年度)第二の2(5)④ 福祉専門職員配置等加算の取扱い(p.107〜108)と各サービスの準用規定、2(6)④(生活介護の併算定)23
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の主な改定内容 p.21(生活介護の併給可)4
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 各サービスの福祉専門職員配置等加算の注((Ⅰ)35%・(Ⅱ)25%・(Ⅲ)常勤75%または3年以上30%、(Ⅱ)(Ⅲ)のただし書き) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16
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厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の2(5)④ 福祉専門職員配置等加算の取扱い(一)〜(三)(p.107〜108:常勤で配置されている従業者の定義、(Ⅲ)アの常勤換算による総数、勤続年数の数え方) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
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同留意事項通知 第二の2(6)④(p.123:指定生活介護等においては(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している場合であっても(Ⅲ)を算定することができる) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の主な改定内容」p.21(生活介護:福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)と(Ⅲ)とを併給可とする) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2
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同留意事項通知 第二の1(17)常勤換算方法及び常勤の具体的な取扱い(p.39〜40:育児・介護等の短縮措置が講じられている者は30時間で常勤として扱うことを可能とする) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩