就労移行支援

移行準備支援体制加算(41単位/日)の算定要件|「定員の50%」は前年度の施設外支援実施者が50%超という届出要件(算定日の対象者は50%以下)・職場実習等は同一企業で1回1月以内・求職活動等は職員同行・施設外支援は年180日・運営規程/個別支援計画(1か月ごと見直し)/日報/緊急時対応・施設外就労の配置ルールとは別

公開: 2026年6月30日更新: 2026年10月8日
Rakuco(ラクこ)

この記事の内容を実務で回すならRakuco(ラクこ)の資料(無料)

移行準備支援体制加算は、就労移行支援事業所が、前年度に施設外支援を実施した利用者の数が利用定員の50%を超えるものとして届け出たうえで、職場実習等(同一の企業・官公庁等における1回の施設外支援が1月を超えない期間で、職員が同行して支援)または求職活動等(公共職業安定所・地域障害者職業センター・障害者就業・生活支援センターに職員が同行して支援)を実施した場合に、施設外支援利用者の人数に応じて1日41単位を算定する加算です1。

請求で間違いやすいのは、「定員の50%」は1日の算定人数の上限ではなく、前年度の施設外支援実施者数が定員の50%を超えていることという届出要件であること(算定時には「算定対象となる利用者が利用定員の50%以下」という告示543の基準も満たす必要があります)、職場実習等は同一企業での1回が1月以内であること、そして施設外支援そのものに年180日の上限や運営規程・個別支援計画(1か月ごと見直し)・日報・緊急時対応の要件があることです123。施設外就労(企業から請け負った作業を企業内で行う支援)の職員配置ルールは別の制度で、本加算の要件ではありません3。

全体像#

項目内容
対象サービス就労移行支援(指定障害者支援施設が行うものを含む)
単位数41単位/日(施設外支援利用者の人数に応じて)
届出要件前年度に施設外支援を実施した利用者の数が利用定員の100分の50を超えるものとして都道府県知事に届出
算定時の基準(告示543)算定対象となる利用者が利用定員の100分の50以下であること
対象活動(1)職場実習等:同一の企業・官公庁等における1回の施設外支援が1月を超えない期間で、期間中に職員が同行して支援
対象活動(2)求職活動等:公共職業安定所、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターに職員が同行して支援
根拠報酬告示第12の13、告示543 三十二の二、留意事項通知 3(5)⑬

124

Rakuco(ラクこ)

この記事の内容を実務で回すならRakuco(ラクこ)の資料(無料)

対象となる活動(留意事項通知)#

区分具体例
職場実習等(注の(1))企業・官公庁等における職場実習、職場実習に係る事前面接・期間中の状況確認、実習先開拓のための職場訪問・職場見学、その他必要な支援
求職活動等(注の(2))ハローワークでの求職活動、地域障害者職業センターによる職業評価等、障害者就業・生活支援センターへの登録等

いずれも、職員が同行し、または職員のみにより活動を行った場合に算定します4。利用者だけで実習先に行き職員が関与しない日は算定できません。

施設外支援の要件(就労系留意事項通知)#

本加算の前提となる「施設外支援」は、就労系留意事項通知が次の要件をすべて満たす場合に限り、1年間(4月1日〜翌年3月31日)に180日間を限度として算定を認めるものです。180日間は利用者が実際に利用した日数の合計です3。

要件内容
ア 運営規程施設外支援の内容が事業所の運営規程に位置付けられている
イ 個別支援計画施設外支援の内容が事前に個別支援計画に位置付けられ、1か月ごとに必要な見直しが行われ、就労能力や工賃(賃金)の向上および一般就労への移行が認められる
ウ 日報利用者または実習受入事業者等から提供期間中の利用者の状況を聞き取り、日報が作成されている
エ 緊急時対応提供期間中の緊急時の対応ができる

令和6年度改定で、個別支援計画の見直し頻度が1週間ごとから1か月ごとに改められました5。同日に施設外支援と通常の施設利用を行った場合は施設外支援の実施日として扱います3。障害者トライアル雇用等を活用する場合の要件や、職場適応訓練・短時間トライアル時の180日超の延長は、就労系留意事項通知の該当規定によります3。

「定員の50%」の意味(最も誤解が多い点)#

告示の注は「前年度に施設外支援を実施した利用者の数が利用定員の100分の50を超えるものとして届出を行った事業所」を対象にしています。これは事業所の届出要件で、前年度に定員の半数を超える利用者に施設外支援を実施した実績がある事業所が算定できるという意味です1。

一方、告示543は本加算の「別に厚生労働大臣が定める基準」として「算定対象となる利用者が、利用定員の100分の50以下であること」を定めています2。したがって、算定する日の施設外支援利用者は定員の50%以下である必要があります。「前年度実績は50%超、算定日の対象者は50%以下」という2つの基準が別々にあることを押さえてください。

届出と算定開始#

前年度実績に基づく届出です。加算の届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定できるのが加算届出の一般的な取扱いです(指定権者の定めに従ってください)6。施設外就労の実績報告書の提出義務は令和6年度改定で廃止されましたが、これは施設外就労に関する簡素化で、施設外支援の日報・個別支援計画の要件は維持されています35。

計算例#

就労移行支援(定員20人・その他地域1単位10.00円)で、前年度に12人(定員の60%)に施設外支援を実施して届出済みの事業所が、ある月に利用者3人に職場実習(各2週間・職員同行)、2人にハローワークへの同行支援(各2日)を行った場合1。

項目計算
職場実習(開所日10日×3人)41単位×30人日=1,230単位
求職活動等(2日×2人)41単位×4人日=164単位
合計1,394単位(13,940円)

算定する各日の施設外支援利用者は最大5人で、定員20人の50%以下です2。

よくある質問#

Q. 1日に定員の50%を超える人数が施設外で活動しました#

告示543の基準「算定対象となる利用者が利用定員の100分の50以下」を満たさないため、その日の加算は算定できません。前年度実績の「50%超」は届出要件で、算定日の人数は「50%以下」が基準です12。

Q. 利用者だけで企業実習に行きました#

職場実習等は「期間中に職員が同行して支援を行った場合」が要件です。職員が関与しない日は算定できません14。

Q. 実習先開拓のために職員だけで企業を訪問しました#

留意事項通知は「実習先開拓のための職場訪問、職場見学」を職場実習等に含め、「職員のみにより活動を行った場合」も算定するとしています4。

Q. 同じ企業で2か月の実習をしています#

職場実習等は「同一の企業及び官公庁等における1回の施設外支援が1月を超えない期間」が要件です。1月を超える部分は本加算の対象になりません1。

Q. 施設外支援は年に何日までですか#

1年間(4月1日〜翌年3月31日)に180日間が限度で、実際に利用した日数で数えます。職場適応訓練の受講や短時間トライアル雇用で延長が認められる場合があります3。

Q. 施設外就労の職員配置(随行の常勤換算)は本加算の要件ですか#

いいえ。常勤換算での随行や事業所内の配置は、企業から請け負った作業を企業内で行う施設外就労の要件です。施設外支援には配置の規定はなく、運営規程・個別支援計画・日報・緊急時対応が要件です3。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第12の13 移行準備支援体制加算1
  • 厚生労働大臣が定める基準(平成18年厚生労働省告示第543号)三十二の二(算定対象となる利用者が利用定員の100分の50以下)2
  • 就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について(就労系留意事項通知・令和7年3月31日改正版)施設外支援の要件・180日・トライアル雇用・施設外就労との区別3
  • 留意事項通知(令和6年度)第二の3(5)⑬ 移行準備支援体制加算の取扱い(p.272)4
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要 p.58(施設外支援の事務処理の簡素化)5

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第12の13 移行準備支援体制加算 41単位(前年度に施設外支援を実施した利用者の数が利用定員の100分の50を超える届出、職場実習等は1回が1月を超えない期間で職員が同行、求職活動等は公共職業安定所・地域障害者職業センター・障害者就業・生活支援センターに職員が同行、施設外支援利用者の人数に応じ1日につき) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9

  2. 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省告示第543号)三十二の二(介護給付費等単位数表第12の13の注の厚生労働大臣が定める基準:算定対象となる利用者が、利用定員の百分の五十以下であること) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8497&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. 厚生労働省「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(障障発0331第2号・令和7年3月31日改正版)第二の1(4)施設外支援(p.30〜32:要件ア〜エ、1年間に180日間、1か月ごとの個別支援計画の見直し、日報、同日の取扱い、トライアル雇用、施設外就労の職員配置) (https://www.mhlw.go.jp/content/001473458.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9

  4. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(5)⑬ 移行準備支援体制加算の取扱い(p.272:職場実習等・求職活動等の具体例、職員が同行又は職員のみにより活動) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  5. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」p.58(施設外支援に関する事務処理の簡素化:1か月ごとに個別支援計画の見直しが行われている場合に報酬を算定) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf) ↩ ↩2 ↩3

  6. 同留意事項通知(令和6年度)第二の1 加算等の届出の取扱い(届出が毎月15日以前なら翌月、16日以降なら翌々月から算定) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩

Rakuco(ラクこ)の管理画面 — 実績ダッシュボードとスマホ打刻画面

Rakuco(ラクこ)|就労移行・A型・B型・定着の記録と国保連請求を1つに

支援記録から実績記録票・請求データまで自動作成。累計400事業所・8,000名の記録をお預かりしています。

  • 初期費用0円
  • 4か月無料
  • 無理な営業はしません