就労支援関係研修修了加算は、就労移行支援で、就労支援に従事する者として1年以上の実務経験を有し、厚生労働大臣が定める研修(就労支援員対応型就業支援基礎研修、訪問型職場適応援助者養成研修、またはこれらと同等以上と認められた研修)を修了した者を就労支援員として配置している事業所が、1日につき6単位を算定する加算です。ただし、事業所の就労定着者の割合が零の場合は算定できません12。
請求で間違いやすいのは、就労継続支援A型・B型にはこの加算がないこと(A型の告示第13の12は賃金向上達成指導員配置加算)、就労支援員に常勤要件はないこと、対象研修が告示(平成21年厚生労働省告示第178号)で定められた特定の研修であること、そして令和7年度から始まった基礎的研修との関係(経過措置)です123。
全体像#
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 就労移行支援(告示第12の12)のみ |
| 単位数 | 6単位/日 |
| 対象職種 | 就労支援員(指定基準第175条第1項第2号により置くべき就労支援員) |
| 要件① | 就労支援に従事する者として1年以上の実務経験 |
| 要件② | 厚生労働大臣が定める研修(平成21年厚労告示第178号)の修了 |
| 要件③ | 当該事業所の就労定着者の割合が零でないこと |
| 届出 | 都道府県知事に届出 |
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対象研修(研修告示)#
留意事項通知は「別に厚生労働大臣が定める研修」を次のとおり具体化しています2。
| 研修告示の区分 | 具体的な研修 |
|---|---|
| 一のイ | 地域障害者職業センターにおいて就労支援員が就労支援を行うに当たって必要な基礎的知識・技能を習得させる研修=独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する**「就労支援員対応型就業支援基礎研修」**(基礎研修) |
| 一のロ | 障害者雇用促進法施行規則第20条の2の3第2項各号の研修=同機構が行う訪問型職場適応援助者養成研修および厚生労働大臣が定める訪問型職場適応援助者養成研修(平成26年度以前の第1号職場適応援助者養成研修を含む)。同機構の配置型職場適応援助者養成研修、企業在籍型職場適応援助者養成研修、雇用保険法施行規則第118条の3第6項の研修も「一のロ」として取り扱って差し支えない |
| 一のハ | イ・ロと同等以上の内容を有すると厚生労働大臣が認める研修(都道府県が同等以上と認めて厚生労働省に協議し、認められたもの) |
「就労支援員等研修」「障害者就業・生活支援センター職員研修」という名称の研修は告示・通知に列挙されていません。
1年以上の実務経験#
告示は「就労支援に従事する者として1年以上の実務経験」を要件とし、留意事項通知は就労支援に従事する業務として、職業指導・作業指導等に関する業務、職場実習のあっせん・求職活動の支援に関する業務、障害者の就職後の職場定着の支援等に関する業務を挙げています12。
就労定着者の割合が零の場合は算定不可#
告示のただし書きにより、当該事業所における就労定着者の割合が零である場合は算定しません1。就労定着者の割合は就労移行支援の基本報酬区分の判定に用いる指標で、前年度・前々年度の利用定員に対する就労定着者の割合です。新規指定直後で就労定着者がいない事業所は算定できません。
常勤要件はない(令和3年度改定で緩和)#
告示の注は「研修を修了した者を就労支援員として配置している」ことを要件とし、常勤であることを求めていません。就労支援員の配置は指定基準で常勤換算方法によるとされており、非常勤の就労支援員でも研修修了・1年以上の実務経験を満たせば対象です14。
基礎的研修との関係(令和7年度〜の経過措置)#
令和7年度から独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構等が実施する基礎的研修が開始され、就労移行支援事業所の就労支援員は基礎的研修の受講が必須とされました。ただし令和9年度までは経過措置として、基礎的研修を受講していない場合でも指定基準を満たすものとして取り扱い、基礎的研修を受講した場合に就労支援関係研修修了加算を算定できることとされています3。
計算例#
就労移行支援(定員20人・その他地域1単位10.00円・前年度の就労定着者あり)で、訪問型職場適応援助者養成研修を修了し就労支援歴3年の非常勤就労支援員を配置し、月の延べ利用者数が300人日の場合1。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 就労支援関係研修修了加算 | 6単位×300人日=1,800単位(18,000円)/月 |
よくある質問#
Q. 就労継続支援A型でも算定できますか#
できません。告示第13(A型)・第14(B型)にこの加算はありません。A型の第13の12は賃金向上達成指導員配置加算です1。
Q. 非常勤の就労支援員でも対象になりますか#
対象です。告示に常勤要件はなく、就労支援員の配置は常勤換算方法によります14。
Q. 開設1年目で就労定着者がいません#
就労定着者の割合が零の場合は算定できません1。
Q. 基礎的研修を受ければ算定できますか#
令和9年度までの経過措置として、基礎的研修を受講した場合に本加算を算定できることとされています。1年以上の実務経験と就労定着者の要件は別に必要です13。
Q. 福祉専門職員配置等加算と同時に算定できますか#
別の加算として告示に並んでおり、互いを排除する規定はありません1。
制度上の根拠#
- 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第12の12 就労支援関係研修修了加算1
- 留意事項通知(令和6年度)第二の3(5)⑫ 就労支援関係研修修了加算の取扱い(p.270〜271)2
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要 p.58(基礎的研修の受講と経過措置)3
- 指定障害福祉サービス基準の解釈通知(就労支援員の常勤換算)4
Footnotes#
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第12の12 就労支援関係研修修了加算 6単位(1年以上の実務経験、厚生労働大臣が定める研修、就労定着者の割合が零である場合は算定しない) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
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厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(5)⑫(p.270〜271:就労支援に従事する業務、研修告示=平成21年厚生労働省告示第178号、就労支援員対応型就業支援基礎研修、訪問型職場適応援助者養成研修、同等以上と認める研修) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」p.58(就労支援員は基礎的研修を受講したものでなければならない。令和9年度までは経過措置として指定基準を満たすものとして取り扱い、基礎研修を受講した場合に就労支援関係研修修了加算を算定できる) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4
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厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(解釈通知)就労移行支援の従業者の員数(就労支援員は常勤換算方法) (https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472116.pdf) ↩ ↩2 ↩3