就労定着支援

就労定着支援の支援体制構築未実施減算|連携体制の要件と経過措置を解説

公開: 2026年7月7日更新: 2026年7月7日

支援体制構築未実施減算とは#

令和6年度報酬改定で新設された支援体制構築未実施減算は、就労定着支援の終了にあたり、利用者が引き続き必要な支援を受けられるよう「適切な引き継ぎのための体制」を構築していない場合に、基本報酬を減算する仕組みです1

項目内容
対象サービス就労定着支援
新設時期令和6年度報酬改定
減算率所定単位数の10%(100分の10)を減算2

就労定着支援は最長3年間のサービスです。その終了後も、企業による職場でのサポートや、職場定着に向けた生活面の安定のための支援が継続されるよう、事業所が適切な引き継ぎ体制を整えることを促す趣旨で導入されました1


減算の適用条件 — 「引き継ぎ体制」の未構築#

この減算は、就労定着支援の終了にあたり、次のような支援が引き続き実施されるよう、適切な引き継ぎのための体制を構築していない場合に適用されます1

  • 企業による職場でのサポート体制
  • 職場定着に向けた生活面の安定のための支援

具体的には、就労定着支援の終了後も一定期間にわたる支援が必要と見込まれる利用者について、継続的な支援を担う機関(障害者就業・生活支援センター等)へ適切に引き継ぐための体制が確保されているかが問われます。

※ よくある誤解として「協議会への参加」や「連絡会議の開催」といった一般的な連携活動が要件と思われがちですが、本減算が評価するのは、個々の利用者について、支援終了時に適切な引き継ぎがなされる体制があるかです。


減算額の計算方法#

計算式#

減算額 = 就労定着支援サービス費の所定単位数 × 10%

就労定着支援の基本報酬は、事業所の就労定着率に応じて7区分(利用者数は加味しない)で定められています1。以下は代表的な区分での計算例です。

例:就労定着率が9割5分以上の事業所(3,512単位/月)

項目内容
基本報酬3,512単位/月
減算額3,512 × 10% = 351単位
減算後の報酬3,512 − 351 = 3,161単位/月

例:就労定着率が5割以上7割未満の事業所(1,690単位/月)

項目内容
基本報酬1,690単位/月
減算額1,690 × 10% = 169単位
減算後の報酬1,690 − 169 = 1,521単位/月

※ 各区分の基本報酬単位数の一覧は、別記事「就労定着支援の基本報酬」をご覧ください。


実務上の留意点#

「引き継ぎ体制」を記録として残す#

減算を回避するためには、支援終了時に適切な引き継ぎを行える体制を整え、その実施を記録として残すことが重要です。

記録・整備しておきたい項目:

  • 支援終了時のアセスメント(終了後も支援が必要かの見立て)
  • 引き継ぎ先機関(障害者就業・生活支援センター等)との調整記録
  • 企業・関係機関への情報共有・依頼の記録

支援終了を見据えた早期からの準備#

引き継ぎ体制は支援終了の直前に整えるものではなく、利用開始当初から、就労定着支援終了後の継続支援を見据えて関係機関との関係を築いておくことが実務上のポイントです。

他の減算との重複#

支援体制構築未実施減算は、以下の減算と重複して適用される可能性があります。

  • 身体拘束廃止未実施減算(所定単位数の1%)
  • 虐待防止措置未実施減算(所定単位数の1%)
  • 業務継続計画未策定減算(所定単位数の1%)

複数の減算に該当する場合は、それぞれの減算を所定単位数に対して個別に算出します2


よくある質問#

Q. どのような場合にこの減算が適用されますか?#

就労定着支援の終了後も引き続き支援が必要と見込まれる利用者について、企業の職場サポートや生活面の支援が継続されるよう、継続支援機関への適切な引き継ぎ体制を構築していない場合に適用されます1。単に協議会や連絡会議に参加していないこと自体が要件ではありません。

Q. 引き継ぎ先の障害者就業・生活支援センターが地域にない場合は?#

同等の機能を持つ機関(地域障害者職業センター、相談支援事業所等)への引き継ぎで対応できる場合があります。地域の実情に応じ、指定権者に個別に確認することが望ましいです。

Q. 減算率はどのくらいですか?#

所定単位数の10%(100分の10)です2。就労定着支援は月額算定のため、区分に応じた基本報酬に10%を乗じた単位数が、毎月減算されます。

出典#

Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」(就労定着支援・支援体制構築未実施減算の新設) https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf 2 3 4 5

  2. 厚生労働省「就労定着支援に関するQ&A(令和6年度報酬改定)」および指定障害福祉サービス等費用算定基準の実施上の留意事項(支援体制構築未実施減算=報酬告示第14の2の1の注7、所定単位数の100分の10) https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472120.pdf 2 3

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