A型B型

医療連携体制加算(Ⅰ〜Ⅵ)の算定要件と区分の選び方を解説

公開: 2026年1月15日更新: 2026年7月13日

医療連携体制加算とは — 制度の基本ルール#

医療連携体制加算は、障害福祉サービス事業所が看護職員を配置または訪問看護ステーション等と連携して、利用者に対する日常的な健康管理や医療的ケアを提供する体制を整えた場合に算定できる加算です1

障害福祉サービスの利用者の中には、日常的に医療的ケア(喀痰吸引、経管栄養、バイタルサイン確認等)が必要な方がいます。この加算は、そうした利用者への適切な対応体制を確保した事業所を評価するものです。

6つの区分と単位数#

医療連携体制加算は、看護の提供時間や医療的ケアの有無に応じて6つの区分があります(生活介護・就労系・共同生活援助(GH)等の通所・居住系サービス)1

⚠️ 短期入所は別体系です。 短期入所の医療連携体制加算は、上記6区分ではなく**独自の区分(Ⅰ〜Ⅸ)**で構成され、看護提供時間(4時間未満/以上)や医療的ケアを要する利用者数に応じて単位数(320・960・1,600単位など)や算定要件が異なります。短期入所で算定する場合は、短期入所のサービスコード表を必ず確認してください。

区分単位数算定単位主な要件
加算(Ⅰ)32単位1日につき医療的ケアを必要としない利用者への看護(看護提供時間が1時間未満
加算(Ⅱ)63単位1日につき同上(1時間以上2時間未満
加算(Ⅲ)125単位1日につき同上(2時間以上
加算(Ⅳ)800/500/400単位1日につき医療的ケアを必要とする利用者への看護(利用者1人=800/2人=500/3〜8人=400)
加算(Ⅴ)500単位1日につき医療的ケアを必要とする利用者への看護(利用者数で按分した単位数を算定)
加算(Ⅵ)100単位1日につき上記の看護を提供する体制に係る評価

※ 加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)は医療的ケアを要しない利用者への看護を提供時間で、(Ⅳ)〜(Ⅵ)は医療的ケアを要する利用者への看護を評価します。


各区分の詳細と算定要件#

加算(Ⅰ)〜(Ⅲ) — 医療的ケアを要しない利用者への看護(時間区分)#

医療連携体制加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)は、医療的ケアを必要としない利用者に対して看護職員が看護を提供した場合に、その提供時間に応じて算定します2

区分看護提供時間単位数
加算(Ⅰ)1時間未満32単位/日
加算(Ⅱ)1時間以上2時間未満63単位/日
加算(Ⅲ)2時間以上125単位/日
  • 看護職員(看護師・准看護師)を配置、または訪問看護ステーション・病院・診療所等と連携契約して看護を提供します
  • 看護内容には、バイタルサイン確認、服薬管理、健康相談等が含まれます

加算(Ⅳ)〜(Ⅵ) — 医療的ケアを要する利用者への看護#

喀痰吸引・経管栄養・人工呼吸器管理等の医療的ケアを必要とする利用者に看護を提供した場合に算定します1

  • 加算(Ⅳ) — 医療的ケアを要する利用者への看護。同一日の対象利用者数に応じて 1人=800単位/2人=500単位/3〜8人=400単位 を算定
  • 加算(Ⅴ) — 医療的ケアを要する利用者への看護について、利用者数で按分した500単位を算定
  • 加算(Ⅵ) — 上記の看護提供体制に係る評価として100単位を算定

対象サービス#

医療連携体制加算は、幅広いサービスで算定できます1

  • 生活介護
  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型・B型
  • 共同生活援助(グループホーム)
  • 短期入所(ただし上記6区分とは異なる独自の区分体系(Ⅰ〜Ⅸ)。単位数・要件は短期入所のコード表を参照)

実務上の注意点#

看護職員の配置 vs 連携契約#

医療連携体制加算は、事業所に看護職員を直接雇用する方法と、外部の訪問看護ステーション等と連携契約を結ぶ方法のいずれでも算定可能です。小規模事業所では、訪問看護ステーションとの連携契約がコスト面で現実的な選択肢となります2

連携契約の整備#

訪問看護ステーションとの連携契約には、以下の内容を含めてください。

  • 看護職員の派遣頻度・時間
  • 派遣費用の負担方法
  • 緊急時の対応手順
  • 個人情報の取扱い

記録の整備#

以下の記録を整備し保存する必要があります2

  • 看護の実施日・時間・内容
  • 対象利用者の健康状態
  • 看護職員の氏名・資格
  • 連携先の訪問看護ステーション等の名称

他の加算との関係#

加算併算定
加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)相互不可(看護提供時間に応じていずれか1つ)
加算(Ⅰ)~(Ⅳ)と(Ⅴ)(日額加算と月額加算は別)
処遇改善加算
送迎加算

提出書類#

届出書類提出先提出時期
介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書指定権者算定開始月の前月15日まで
体制等状況一覧表同上同上
訪問看護ステーション等との連携契約書の写し同上届出時に添付
看護職員の資格証の写し同上届出時に添付

よくある質問#

Q. 看護職員を常勤で配置している場合でも加算は算定できますか?#

算定できます。看護職員を常勤配置している場合は、加算(Ⅴ)の算定が特に適しています。また、常勤看護職員が利用者に直接看護を提供した場合は、加算(Ⅰ)(Ⅱ)等も算定可能です2

Q. 訪問看護ステーションと連携する場合、費用はどのくらいかかりますか?#

連携費用は訪問看護ステーションとの契約内容によります。一般的に、月1〜2回の巡回で月数千円〜1万円程度の委託費が発生しますが、加算(Ⅴ)だけでも月100単位(約1,000円)の収入増が見込めるため、連携による収支はケースバイケースです。

Q. 准看護師でも加算の算定対象となりますか?#

加算(Ⅰ)〜(Ⅵ)のいずれにおいても、准看護師は看護職員に該当するため算定対象となります。ただし、一部の高度な医療的ケア(人工呼吸器管理等)については、看護師(正看護師)の配置が求められる場合があります2

Q. グループホームで夜間の医療的ケアが必要な場合はどの区分が適切ですか?#

利用者の状態に応じて判断します。日常的な健康管理で足りる場合は加算(Ⅴ)、喀痰吸引等が必要な場合は加算(Ⅲ)または(Ⅵ)、人工呼吸器装着者等がいる場合は加算(Ⅳ)の算定を検討してください1


Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和8年6月施行 障害福祉サービス費等の報酬算定構造」 2 3 4 5

  2. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに留意すべき事項等について」(留意事項通知) 2 3 4 5

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