B型

【令和6年度新設】就労継続支援B型 目標工賃達成加算の算定要件と工賃向上計画の届出

公開: 2026年6月30日更新: 2026年10月8日
Rakuco(ラクこ)

この記事の内容を実務で回すならRakuco(ラクこ)の資料(無料)

目標工賃達成加算とは — 制度の基本ルール#

目標工賃達成加算は、令和6年度報酬改定で新設された加算です。就労継続支援B型事業所が自ら策定した工賃向上計画に掲げた工賃目標を達成した場合に算定できます12。

項目内容
加算単位数10単位/日
対象目標工賃達成指導員配置加算の対象となる、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定する事業所
施行時期令和6年4月(2024年4月)

目標工賃達成加算は、工賃向上への積極的な取り組みを報酬面で評価する仕組みです。従来からある「目標工賃達成指導員配置加算」とは別の加算ですが、指導員配置加算の対象事業所であることが前提条件となります2。


Rakuco(ラクこ)

この記事の内容を実務で回すならRakuco(ラクこ)の資料(無料)

算定要件チェックリスト#

目標工賃達成加算を算定するには、以下の要件をすべて満たす必要があります12。

  • 要件1: 就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)(いずれも人員配置6:1の類型)を算定していること
  • 要件2: 目標工賃達成指導員配置加算の対象事業所であること
  • 要件3: 各都道府県において作成される工賃向上計画に基づき、自らも工賃向上計画を作成していること
  • 要件4: 工賃向上計画に掲げた工賃目標を達成していること(かつ、目標額が後述の最低ラインを満たすこと)
  • 届出: 都道府県知事に対し所定の様式による届出を行うこと1

対象となるサービス費区分の整理#

就労継続支援B型サービス費は、評価方式(平均工賃月額/参加等)×人員配置(6:1/7.5:1/10:1)で(Ⅰ)〜(Ⅵ)の6区分に分かれます。目標工賃達成加算の対象は、このうち6:1配置の2区分((Ⅰ)・(Ⅳ))だけです23。

サービス費区分評価方式人員配置目標工賃達成加算
B型サービス費(Ⅰ)平均工賃月額6:1対象
B型サービス費(Ⅱ)平均工賃月額7.5:1対象外
B型サービス費(Ⅲ)平均工賃月額10:1対象外
B型サービス費(Ⅳ)参加等評価6:1対象
B型サービス費(Ⅴ)参加等評価7.5:1対象外
B型サービス費(Ⅵ)参加等評価10:1対象外

対象が(Ⅰ)・(Ⅳ)に限られるのは、前提となる目標工賃達成指導員配置加算が「サービス費(Ⅰ)及び(Ⅳ)を算定する事業所」を対象とし、目標工賃達成指導員を上乗せ配置して指導員・職業指導員・生活支援員の総数が利用者数を5で除して得た数以上(実質5:1)であることを求めているためです2。各区分の単位数は「就労継続支援B型 基本報酬 全単位数一覧表」を参照してください。


工賃目標の設定基準と計算方法#

目標工賃達成加算は、単に「自分で決めた目標を達成すれば算定できる」わけではありません。工賃目標額そのものに最低ラインの基準が設けられています12。

工賃目標の最低ライン#

工賃目標は、以下の計算式で求めた額以上である必要があります1。

工賃目標の最低ライン = 目標年度の前年度の自事業所の平均工賃月額 +(目標年度の前々年度の全国平均工賃月額 − 目標年度の前々々年度の全国平均工賃月額)

ただし、計算結果が前年度の自事業所の平均工賃月額を下回る場合は、前年度の平均工賃月額が最低ラインとなります1。

達成判定のしくみ#

  • 「目標年度」とは、当該工賃目標の対象となる年度をいいます1
  • 判定は、目標年度の実際の平均工賃月額が、工賃向上計画に掲げた工賃目標以上となったかどうかで行います2
  • 加算算定に係る届出・算定開始時期の具体的な取扱いは、指定権者(都道府県等)に確認してください

具体例(留意事項通知に示された例)#

令和5年度の平均工賃月額が13,000円の事業所の場合(令和4年度と令和3年度のB型全国平均工賃月額の差額が524円のとき)2:

ケース工賃目標実績判定
ケース115,000円15,500円加算
ケース213,100円15,500円不可(目標が最低ライン13,524円未満)
ケース315,000円14,000円不可(目標未達成)
  • ケース1: 工賃目標15,000円 ≧ 最低ライン13,524円(13,000+524)→ 目標基準OK。実績15,500円 ≧ 目標15,000円 → 加算対象
  • ケース2: 工賃目標13,100円 < 最低ライン13,524円(前年度平均13,000円+全国平均の差額524円)→ 目標基準を満たさないため加算対象外(実績15,500円が目標を上回っていても不可)
  • ケース3: 工賃目標15,000円 ≧ 最低ライン → 目標基準OK。実績14,000円 < 目標15,000円 → 目標未達成のため加算対象外

この仕組みにより、意図的に低い目標を設定して加算を得ることはできません。全国のB型事業所全体の工賃向上トレンドに連動した目標設定が求められます。


工賃向上計画の策定と届出#

工賃向上計画とは#

工賃向上計画は、「「工賃向上計画」を推進するための基本的な指針」(平成24年4月11日付 障発0411第4号)に基づき、各事業所が策定する計画です2。都道府県が作成する工賃向上計画に基づいて、事業所自らも計画を作成します。

策定と届出の流れ#

  1. 都道府県の工賃向上計画を確認する
  2. 都道府県計画に基づき、事業所独自の工賃向上計画を策定する
  3. 工賃向上計画を都道府県に提出する(指定都市・中核市の場合は当該市に提出)
  4. 加算の算定に当たっては、都道府県知事に対し所定の様式による届出を行う1

工賃向上計画に含めるべき内容#

  • 目標工賃額(平均工賃月額)
  • 目標達成のための具体的な取り組み(生産活動収入の向上策等)
  • 進捗管理の方法

計画期間中の目標修正#

工賃目標の設定にあたり、目標工賃達成加算の要件を満たすために計画期間の途中で工賃向上計画を修正することも差し支えないとされています4。修正後の計画についても都道府県への提出が必要です。


目標工賃達成指導員配置加算との関係#

目標工賃達成加算は、目標工賃達成指導員配置加算の対象事業所であることが前提条件です12。両加算の関係は以下のとおりです。

加算名単位数要件の概要
目標工賃達成指導員配置加算定員20人以下45/21-40人40/41-60人38/61-80人37/81人以上36単位(1日につき)サービス費(Ⅰ)・(Ⅳ)を算定する事業所で、目標工賃達成指導員を常勤換算1人以上配置し、指導員・職業指導員・生活支援員の総数が利用者数÷5以上12
目標工賃達成加算10単位/日指導員配置加算の対象事業所が、工賃向上計画を作成し、工賃目標を達成1

目標工賃達成指導員配置加算の詳細は「目標工賃達成指導員配置加算の算定要件」を参照してください。

目標工賃達成指導員の役割#

目標工賃達成指導員は、工賃目標の達成に向けて、例えば以下のような取り組みを行う指導員とされています2。

  • 国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(障害者優先調達推進法)に基づく積極的な物品・役務等の受注促進
  • 地域と連携した農福連携等の取組を通じた新たな生産活動領域の開拓
  • ICT機器等の導入による利用者の生産能力向上

よくある質問#

Q. 目標工賃額は工賃向上計画で定めた目標を指しますか?#

はい。 事業所が工賃向上計画において定めた目標工賃額が判定の対象です。ただし、目標工賃達成加算の要件を満たすためには、前述の最低ラインの基準を満たす目標額の設定が必要です14。

Q. 目標工賃達成指導員配置加算の対象でない事業所でも算定できますか?#

算定できません。 目標工賃達成加算は、目標工賃達成指導員配置加算の対象となるサービス費(Ⅰ)・(Ⅳ)算定事業所が対象です12。

Q. 参加等評価方式の事業所は対象になりますか?#

サービス費(Ⅳ)(参加等評価・6:1配置)であれば対象です。 留意事項通知は対象を「就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)及び(Ⅳ)を算定する指定就労継続支援B型」と定めており、参加等評価方式でも6:1配置の(Ⅳ)は含まれます。一方、(Ⅴ)・(Ⅵ)(7.5:1・10:1)は対象外です2。

Q. 平均工賃月額の算定で小数点はどう扱いますか?#

開所日1日あたりの平均利用者数は小数点第1位までを算出し、小数点第2位以降は切り上げとします(例: 14.679人 → 14.7人)。平均工賃月額は円未満を四捨五入します4。計算方法の詳細は「B型の平均工賃月額の計算方法」を参照してください。


制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第14の13の2 目標工賃達成加算・第14の13 目標工賃達成指導員配置加算1
  • 留意事項通知(就労継続支援B型サービス費・⑰目標工賃達成指導員配置加算の取扱い・⑱目標工賃達成加算の取扱い)2
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(人員配置6:1の報酬体系の創設)3
  • 令和6年度報酬改定Q&A(工賃向上計画の途中修正・平均工賃月額の端数処理)4

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(報酬告示・平成18年厚生労働省告示第523号)別表介護給付費等単位数表 第14の13の2 目標工賃達成加算・第14の13 目標工賃達成指導員配置加算 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14

  2. 厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(留意事項通知・就労継続支援B型サービス費 ⑰目標工賃達成指導員配置加算の取扱い・⑱目標工賃達成加算の取扱い) https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15

  3. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」(人員配置6:1の報酬体系の創設) https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf ↩ ↩2

  4. 厚生労働省「令和6年度報酬改定Q&A Vol.2」(令和6年4月5日)問24・問25 p.11(工賃向上計画の途中修正・平均工賃月額の端数処理) https://www.mhlw.go.jp/content/001250243.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4

Rakuco(ラクこ)の管理画面 — 実績ダッシュボードとスマホ打刻画面

Rakuco(ラクこ)|就労移行・A型・B型・定着の記録と国保連請求を1つに

支援記録から実績記録票・請求データまで自動作成。累計400事業所・8,000名の記録をお預かりしています。

  • 初期費用0円
  • 4か月無料
  • 無理な営業はしません