B型

就労継続支援B型の短時間利用減算|平均利用時間4時間未満の利用者が5割以上で30%減算(参加等評価方式(Ⅳ)〜(Ⅵ)のみ)

公開: 2026年10月7日更新: 2026年10月7日

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2026年10月7日 全面改訂:旧版(2026年7月4日公開)は「1日の利用時間が2時間未満の日に30%を減算し、サービス費(Ⅰ)・(Ⅱ)にも適用される」と書いていましたが、報酬告示・改定概要・Q&Aと照合した結果、要件・対象のいずれも誤りでした。本版は告示第523号の条文と厚生労働省Q&Aに基づいて書き直しています。

結論|対象は参加等評価方式だけ、判定は「前3月の平均利用時間」#

就労継続支援B型の短時間利用減算は、令和6年度報酬改定で新設された減算で、参加等評価方式(就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ))だけに適用されます12。利用者ごとの「前3月の平均利用時間」が4時間未満の利用者が事業所の利用者の5割以上を占める場合に、所定単位数の30%を減算します(70%を算定)13。

項目内容
対象就労継続支援B型サービス費**(Ⅳ)・(Ⅴ)・(Ⅵ)**(参加等評価方式)1
対象外サービス費**(Ⅰ)〜(Ⅲ)**(平均工賃月額方式)。サービスコード表にも(Ⅰ)〜(Ⅲ)の短時間利用減算コードは存在しない14
判定の単位事業所単位(利用者ごと・日ごとではない)1
判定の基準前3月における各利用者の平均利用時間が4時間未満の利用者の占める割合が100分の50以上1
減算所定単位数の100分の30を減算(=70%を算定)13
割合の算定から除外できる利用者個別支援計画で一般就労等に向けた利用時間延長のための支援が位置付けられ実際に実施した者/短時間利用となるやむを得ない理由がある者23
新設令和6年度報酬改定3

「2時間未満」「日ごとの減算」という理解は誤りです。基準は4時間、見るのは前3月の平均、減算は事業所の全利用者分に及びます。

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なぜ参加等評価方式だけなのか#

令和6年度改定の概要は、「『利用者の就労や生産活動等への参加等』をもって一律に評価する報酬体系について、収支差率を踏まえて基本報酬を見直し、短時間の利用者が多い場合の減算を設ける」と説明しています2。参加等評価方式は平均工賃月額によらず定員規模と人員配置だけで単位数が決まるため、利用時間が極端に短い利用者が多い事業所でも同じ報酬になることへの対応です。報酬告示では、就労継続支援B型サービス費の注11に「ニからヘまでについては」(=(Ⅳ)〜(Ⅵ))と対象が明記されています1。

平均工賃月額方式((Ⅰ)〜(Ⅲ))には、この減算はありません。サービスコード表(令和8年6月施行版)でも「短時間」の付くコードは就継BⅣ・Ⅴ・Ⅵ系にだけ存在します4。

判定方法|2ステップで割合を出す#

報酬告示は「前3月における事業所の利用者のうち、平均利用時間(前3月に利用した時間の合計を利用した日数で除した時間)が4時間未満の利用者の占める割合が100分の50以上」と定めています1。具体的な算出方法は、令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問57が「生活介護の取扱いと同様」として平成30年度Q&A VOL.1 問49〜52を参照させ、「5時間未満」を「4時間未満」と読み替えるよう指示しています35。

  1. 各利用者の平均利用時間を出す:前3月の利用時間の合計 ÷ 前3月の利用日数 = 利用日1日当たりの平均利用時間5
  2. 割合を出す:当該月における、平均利用時間が4時間未満の利用者の延べ人数 ÷ 事業所の利用者の延べ人数5
  3. この割合が100分の50以上なら、当該月の基本報酬に短時間利用減算を適用する15

計算例#

定員20人・サービス費(Ⅳ)の事業所。前3月の実績から各利用者の平均利用時間を出したところ、利用者12人のうち7人が4時間未満だった。当該月の延べ利用人数は200人日で、そのうち4時間未満の7人の延べ利用は110人日。 110 ÷ 200 = 55% ≧ 50% → 当該月は短時間利用減算を適用する。

割合は「人数」ではなく当該月の「延べ人数」で出す点に注意してください5。4時間未満の利用者が人数では半数でも、通所日数が少なければ延べ人数の割合は50%を下回ることがあります。

割合の算定から除外できる利用者#

次の利用者は、4時間未満であっても「4時間未満の利用者」の割合の算定から除外します23。

  • 個別支援計画で一般就労等に向けた利用時間延長のための支援が位置付けられ、実際に支援を実施した利用者2
  • 短時間利用となるやむを得ない理由がある利用者2

「やむを得ない理由」の具体例は、読み替え元の生活介護Q&Aが示しています35。

Q&A内容
問50重度の身体障害や精神障害等、障害特性等に起因するやむを得ない理由により短時間利用になってしまう利用者は、割合の算定から除いて差し支えない。ただし、本人・家族の意向を勘案したうえでサービス担当者会議で検討され、サービス等利用計画等に位置付けられていることが前提で、市町村はその計画等を基に判断する5
問51遠方からの利用者等、やむを得ず送迎に長時間を要する利用者は、割合の算定から除いても差し支えない5
問52土曜日やイベントの日など特例的に短時間開所としている日は、運営規程に営業時間を明示したうえで設けている場合等、平均利用時間の算定から外すなど柔軟な取扱いとして差し支えない5

除外の根拠はサービス等利用計画等への位置付けです。事業所の個別支援計画に理由を書くだけでなく、相談支援専門員と連携してサービス等利用計画に反映しておく必要があります5。

利用時間の数え方#

利用時間には、送迎のみを実施する時間は含まれません5。送迎に長時間を要する遠方の利用者については、上記のとおり割合の算定から除外できます5。事業所内での生産活動・支援に要した時間を、利用者ごと・日ごとに記録しておくことが判定の前提になります。

減算額の計算例#

減算額は所定単位数の30%です1。サービスコード表では減算後の単位数がコードごとに定められており、例えばサービス費(Ⅳ)・定員20人以下(584単位)に短時間利用減算を適用したコード「就継BⅣ1・短時間」は409単位です4(584 × 70% = 408.8 → 409単位)。

サービス費定員20人以下の単位数短時間利用減算適用後
(Ⅳ) 参加等評価・6:1584単位409単位(コード表の値)4
(Ⅴ) 参加等評価・7.5:1530単位530 × 70% = 371単位
(Ⅵ) 参加等評価・10:1484単位484 × 70% = 339単位

(Ⅴ)・(Ⅵ)の減算後の単位数は、請求時にサービスコード表の該当コードの値で確認してください4。各サービス費の定員別の単位数は「就労継続支援B型の報酬体系」に掲載しています。

他の減算との重なり#

サービスコード表には「未計画1・短時間」「定超・短時間」「地公体・短時間」のように、短時間利用減算と他の減算(就労継続支援B型計画が作成されていない場合の減算、定員超過利用減算、地方公共団体が設置する事業所の96.5%)を組み合わせたコードが用意されています4。短時間利用減算に該当する月は、他の減算の有無にかかわらず、該当する組み合わせのコードで請求します。

生活介護の短時間利用減算との違い#

就労継続支援B型生活介護
対象サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)(参加等評価方式)1共生型生活介護・基準該当生活介護6
平均利用時間の基準4時間未満15時間未満6
割合の基準100分の50以上1100分の50以上6
減算所定単位数の30%を減算1所定単位数の70%を算定6

判定方法と除外の考え方は共通で、B型は生活介護の取扱いを「5時間→4時間」に読み替えて適用します3。

実務チェックリスト#

  • 自事業所の基本報酬が**サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)**か((Ⅰ)〜(Ⅲ)なら本減算は無関係)
  • 利用者ごと・日ごとの**利用時間(送迎時間を除く)**を記録しているか
  • 毎月、前3月の実績から各利用者の平均利用時間を出し、当該月の延べ人数で割合を計算しているか
  • 除外する利用者について、サービス等利用計画等に理由が位置付けられているか(個別支援計画への記載だけで済ませていないか)
  • 特例的な短時間開所日を設けている場合、運営規程に営業時間が明示されているか
  • 減算に該当する月は、短時間利用減算のサービスコード(他の減算との組み合わせを含む)で請求しているか

よくある質問#

Q. サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)(平均工賃月額方式)の事業所にも短時間利用減算は適用されますか?#

適用されません。報酬告示の注11は「ニからヘまで」(サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ))を対象と定めており1、サービスコード表にも(Ⅰ)〜(Ⅲ)の短時間利用減算コードはありません4。

Q. 1日の利用が2時間未満の日は、その日の報酬が減算されるのですか?#

いいえ。日ごと・利用者ごとの減算ではありません。基準は「4時間未満」で、各利用者の前3月の平均利用時間で判定し、該当者が延べ人数で5割以上の月に事業所の基本報酬全体を30%減算します15。

Q. 体調不良で早退した日が多い利用者は、4時間未満の利用者に数えられますか?#

平均利用時間が4時間未満になれば、原則として数えられます。障害特性等に起因するやむを得ない理由で短時間利用になる利用者は割合の算定から除外できますが、その前提はサービス担当者会議で検討され、サービス等利用計画等に位置付けられていることです5。事業所の判断だけで除外することはできません。

Q. 送迎に片道1時間かかる利用者は、どう扱いますか?#

送迎のみの時間は利用時間に含まれません。そのうえで、遠方からの利用者等でやむを得ず送迎に長時間を要する利用者は、割合の算定から除いて差し支えないとされています5。

Q. 土曜日だけ午前中の短時間開所にしています。土曜日の利用も平均利用時間に入りますか?#

運営規程に営業時間を明示したうえで特例的に短時間開所の日を設けている場合等は、平均利用時間の算定から外すなど柔軟な取扱いとして差し支えないとされています5。運営規程への明示が前提です。

Q. 割合は「人数」で出すのですか、「延べ人数」で出すのですか?#

延べ人数です。当該月における、平均利用時間が4時間未満の利用者の延べ人数を、事業所の利用者の延べ人数で除します5。

Q. 令和6年4月の施行当初から適用されていますか?#

短時間利用減算は令和6年度報酬改定で新設されたものです3。参加等評価方式の単位数は令和8年6月の臨時改定の対象外で、減算の仕組みにも変更はありません1。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第14 就労継続支援B型サービス費 注11(対象・平均利用時間の定義・4時間未満・100分の50・100分の30)1
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(減算の趣旨・除外要件)2、主な改定内容(新設・70%算定)3
  • 令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問57(生活介護の取扱いの準用・4時間への読み替え)3
  • 平成30年度報酬改定Q&A VOL.1 問49〜52(算出方法・やむを得ない理由・送迎時間・特例的な短時間開所日)5
  • サービスコード表(令和8年6月施行版・分冊2)(短時間利用減算コードの範囲と減算後の単位数)4
  • 報酬告示 第6 生活介護サービス費 注4(生活介護の短時間利用減算・5時間未満)6

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(報酬告示・平成18年厚生労働省告示第523号)別表介護給付費等単位数表 第14 就労継続支援B型サービス費 注11 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19

  2. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」p.52〜53(就労継続支援B型:短時間の利用者が多い場合の減算の新設、利用時間が4時間未満の利用者が全体の5割以上である場合の減算と除外要件) https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  3. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」p.31(短時間利用減算(新設)所定単位数の70%算定) https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf /厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日)問57 https://www.mhlw.go.jp/content/001260473.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11

  4. 厚生労働省「介護給付費等単位数サービスコード表(令和8年6月施行版・分冊2)」就労継続支援B型サービスコード表(就継BⅣ1・短時間=409単位ほか、Ⅳ〜Ⅵ系の短時間利用減算コードと他の減算との組み合わせコード) https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696434.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  5. 厚生労働省「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(平成30年3月30日)p.18〜19 問49〜52(生活介護の短時間利用減算①〜④) https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei/dl/jimuren_180330-01.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18

  6. 厚生労働省 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第6 生活介護サービス費 注4(共生型生活介護・基準該当生活介護の短時間利用減算:平均利用時間が5時間未満の利用者の占める割合が100分の50以上の場合100分の70) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

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