B型の短時間利用減算とは#
令和6年度報酬改定で新設された短時間利用減算は、就労継続支援B型において利用時間が著しく短い場合に基本報酬を減算する仕組みである1。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 就労継続支援B型 |
| 新設時期 | 令和6年度報酬改定 |
| 減算率 | 所定単位数の30%を減算 |
| 適用条件 | 1日の利用時間が2時間未満の場合 |
従来、B型では利用時間の長短にかかわらず同じ基本報酬が算定されていたが、短時間の利用で基本報酬の全額を算定することは適切でないとの指摘を受け、新設された1。
減算の適用条件#
基本ルール#
短時間利用減算は、以下の条件を全て満たす場合に適用される1。
- 就労継続支援B型サービス費を算定する利用者であること
- 当該日の利用時間が2時間未満であること
- 以下の正当な理由に該当しないこと
減算が適用されない正当な理由#
以下のいずれかに該当する場合は、利用時間が2時間未満であっても減算は適用されない2。
- 体調不良等のやむを得ない理由により早退した場合
- 通院等のため予定より短い利用となった場合
- 個別支援計画に基づき短時間の利用を設定している場合(段階的な利用開始期等)
- 公共交通機関の遅延その他の利用者の責めに帰さない理由の場合
減算額の計算方法#
計算式#
短時間利用減算の額は以下の計算式で算出する。
減算額 = 基本報酬の所定単位数 × 30%
具体的な計算例#
例:定員20人以下、平均工賃月額1万円以上1.5万円未満の事業所の場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本報酬(サービス費(Ⅰ)) | 611単位/日 |
| 短時間利用減算 | 611 × 30% = 183単位を減算 |
| 減算後の報酬 | 611 - 183 = 428単位/日 |
例:定員20人以下、平均工賃月額3万円以上4.5万円未満の事業所の場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本報酬(サービス費(Ⅰ)) | 702単位/日 |
| 短時間利用減算 | 702 × 30% = 211単位を減算 |
| 減算後の報酬 | 702 - 211 = 491単位/日 |
利用時間の計算方法#
利用時間の考え方#
利用時間は、利用者が事業所に到着してから退所するまでの時間から、以下を除いた実質的なサービス提供時間で判断する2。
- 送迎に要する時間(送迎加算の対象時間)
- 昼食等の休憩時間
記録上の留意点#
短時間利用減算の適否を判断するため、以下の記録を日々整備する必要がある。
- 利用者ごとの到着時刻・退所時刻
- 休憩時間の開始・終了時刻
- 短時間利用となった場合の理由(正当な理由に該当するか否かの判断材料)
実務上の留意点#
個別支援計画との整合性#
段階的な利用開始期の利用者など、個別支援計画に基づき短時間の利用を設定している場合は減算の対象外となる。ただし、計画に具体的な利用時間の記載がなければ正当な理由として認められない可能性があるため、計画への明記が重要である。
月次の集計と請求管理#
短時間利用減算は日単位で適用されるため、月次の請求時に利用者ごと・日ごとに利用時間を確認する必要がある。国保連への請求データにも減算コードの入力が必要となる。
工賃への影響#
短時間利用が常態化している利用者が多い事業所は、報酬収入の減少に加え、平均工賃月額の算定にも影響を及ぼす可能性がある。短時間利用者の工賃単価の設定を含め、事業所全体の運営方針を検討する必要がある。
よくある質問#
Q. サービス費(Ⅱ)(利用者数払い方式)を算定している事業所にも適用されますか?#
短時間利用減算は、サービス費(Ⅰ)(平均工賃月額方式)およびサービス費(Ⅱ)(利用者数方式)のいずれにも適用される1。
Q. 送迎の時間を含めて2時間以上であれば減算されませんか?#
送迎に要する時間は利用時間に含まれない。事業所での実質的なサービス提供時間が2時間未満の場合に減算が適用される2。
Q. 体調不良で早退した場合は減算されますか?#
体調不良等のやむを得ない理由による早退は、正当な理由に該当するため減算されない。ただし、記録に理由を明記する必要がある2。
Q. 令和6年4月の施行当初から適用されますか?#
短時間利用減算は令和6年4月の報酬改定施行日から適用される。経過措置は設けられていない1。