地域連携会議実施加算とは#
地域連携会議実施加算は、就労系サービス事業所が地域の関係機関と連携して**支援計画会議(ケースカンファレンス)**を実施した場合に算定できる加算です1。
利用者一人ひとりの就労支援を、事業所だけでなく地域全体で支える仕組みを推進することを目的としています。会議を通じて、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどの関係機関と情報を共有し、個別支援計画の質を高めることが期待されています。
旧名称「支援計画会議実施加算」からの変遷#
この加算は、令和6年度報酬改定以前は**「支援計画会議実施加算」**という名称で運用されていました。旧制度では単一の区分しかなく、サービス管理責任者(以下「サビ管」)の参加が必須要件でした1。
令和6年度の報酬改定により、以下の2点が変更されています。
- 名称が**「地域連携会議実施加算」**に変更されました
- サビ管以外の職員が会議に参加する場合の区分(Ⅱ)が新設されました
この変更は、サビ管の業務負担を軽減しつつ、より多くの利用者に対して地域連携会議を実施できるようにすることを目的としています。サビ管が直接参加できない場合でも、担当職員が参加し、前後にサビ管と情報共有を行うことで、会議の質を担保する仕組みになっています。
加算区分と単位数#
| 加算区分 | 単位数 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 地域連携会議実施加算(Ⅰ) | 583単位/回 | サービス管理責任者が会議に参加 |
| 地域連携会議実施加算(Ⅱ) | 408単位/回 | サビ管以外の者が参加(前後にサビ管と情報共有) |
算定上限#
- 1月につき1回を限度とします
- 1年につき4回を限度とします
対象サービス#
以下の就労系サービスが対象です。
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
算定要件#
加算(Ⅰ)の要件#
以下の全てを満たす必要があります。
- 利用者の就労支援に関する地域の関係機関(ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、特別支援学校、企業等)と連携して支援計画会議を開催すること
- サービス管理責任者が当該会議に参加すること
- 会議の結果を踏まえ、個別支援計画の見直しを行うこと
加算(Ⅱ)の要件【令和6年度新設】#
以下の全てを満たす必要があります。
- 加算(Ⅰ)と同様の支援計画会議を開催すること
- サービス管理責任者に代わり、当該利用者の支援を担当する職員が会議に参加すること
- 会議の前後に、サービス管理責任者と情報を共有すること
- 会議の結果を踏まえ、個別支援計画の見直しを行うこと
会議の参加者#
支援計画会議には、利用者の支援内容に応じて以下のような地域の関係機関から参加者を招きます。
| 関係機関 | 役割 |
|---|---|
| ハローワーク | 求職活動の支援、求人情報の提供 |
| 障害者就業・生活支援センター | 就労・生活の一体的支援 |
| 相談支援事業所 | サービス等利用計画との整合 |
| 特別支援学校 | 在学中の移行支援 |
| 就労先企業 | 職場環境の調整、実習受入れの検討 |
| 医療機関 | 健康管理・服薬等の情報共有 |
会議には2者以上の関係機関が参加することが望ましく、利用者の就労に関わる課題を多角的に検討する場として位置づけられています。
会議の準備手順#
会議を円滑に開催するための準備手順は、以下のとおりです。
ステップ1: 対象利用者の選定#
個別支援計画の見直し時期を迎えている利用者や、就労上の課題が生じている利用者を対象として選定します。半期ごとに年間の会議開催計画を立てておくと、計画的に算定できます。
ステップ2: 関係機関への連絡・調整#
利用者の状況に応じて、参加を依頼する関係機関を選定します。ハローワークや障害者就業・生活支援センターに対しては、少なくとも2〜3週間前に日程調整の連絡を行うことが望ましいです。
ステップ3: 会議資料の準備#
以下の資料を事前に準備します。
- 利用者の現在の個別支援計画
- 直近の支援経過記録(出席状況、作業内容、生活面の変化等)
- 会議で検討したい議題・課題の整理メモ
- 利用者の同意書(関係機関との情報共有に関する同意)
ステップ4: 日程・会場の確定と開催通知#
参加者全員の日程を調整し、対面またはオンラインの開催方法を決定します。開催日時・場所・議題を記載した開催通知を、各参加者に事前に送付します。
算定のための実務フロー#
算定にあたっては、以下の4ステップで進めます。
ステップ1: 会議の開催#
事前に準備した資料をもとに、関係機関と支援計画会議を実施します。会議では、利用者の就労に関する課題の共有、支援方針の検討、各機関の役割分担の確認を行います。加算(Ⅱ)で算定する場合は、会議の前にサビ管から担当職員へ利用者の支援状況や会議で確認すべき事項を共有しておきます。
ステップ2: 会議記録の作成#
会議終了後、速やかに以下の内容を含む記録を作成します。
- 開催日時・場所(オンラインの場合はその旨を記載)
- 参加者の氏名・所属機関・職種
- 議題・協議内容の概要
- 各機関からの意見・情報提供の内容
- 決定事項・今後の方針
- 個別支援計画への反映予定事項
加算(Ⅱ)の場合は、会議後にサビ管へ報告した日時・内容も記録に残します。
ステップ3: 個別支援計画への反映#
会議の結果を踏まえ、必要に応じて個別支援計画を修正します。修正した場合は、修正内容と修正日を記録に残し、利用者本人への説明と同意取得を行います。
ステップ4: 請求#
国保連への請求時に、該当月の地域連携会議実施加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定します。月に1回、年に4回の上限を超えていないことを確認のうえ請求します。
届出・提出書類#
地域連携会議実施加算の算定にあたっては、以下の書類を整備しておく必要があります。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 体制届(加算届出書) | 加算の届出に必要な様式。指定権者(都道府県・市区町村)に提出します |
| 勤務形態一覧表 | サービス管理責任者の配置状況を示す書類 |
| 会議記録 | 開催日時・参加者・議題・決定事項等を記載した記録。算定の根拠資料として保存します |
| 個別支援計画(修正後) | 会議の結果を反映した個別支援計画の写し |
| 利用者同意書 | 関係機関との情報共有について利用者本人の同意を得た書類 |
これらの書類は、実地指導や監査の際に確認されるため、5年間保存しておくことが必要です2。
実務上の留意点#
オンライン開催#
オンラインでの会議開催も認められています。ただし、参加者の記録と議事録は対面開催と同様に作成する必要があります。オンライン開催の場合は、使用したツール名(Zoom、Teams等)を記録に残しておくことが望ましいです3。
利用者本人の参加#
利用者本人の会議への参加は必須ではありませんが、可能な範囲で参加を促すことが望ましいとされています。本人が参加する場合は、分かりやすい言葉で議題を説明し、本人の意向を反映できるよう配慮します。
年4回の計画的な活用#
年間4回の算定上限を有効に活用するためには、利用者の支援サイクルに合わせた計画的な開催が重要です。たとえば、以下のタイミングでの開催が効果的です。
- 個別支援計画の策定・見直し時期(概ね6か月ごと)
- 就職活動の開始時
- 職場実習の前後
- 就職内定後の定着支援体制の構築時
よくある質問#
Q. 加算(Ⅰ)と(Ⅱ)を同月に算定できますか?#
同一月に算定できるのはいずれか1回のみです。月1回が上限のため、同じ月に(Ⅰ)と(Ⅱ)を別々に算定することはできません。
Q. 利用者本人の参加は必要ですか?#
利用者本人の参加は必須要件ではありません。ただし、可能な範囲で本人の参加を促し、支援内容について意向を確認することが望ましいとされています。
Q. 年4回の上限はいつから起算しますか?#
年4回の上限は、各年度(4月〜翌年3月)で起算します。年度をまたいでの通算は行いません。
Q. オンラインでの開催でも算定できますか?#
オンラインでの開催も認められています。ただし、参加者の氏名・所属の記録、議事録の作成は対面と同様に行う必要があります。
Q. 同一利用者に対して連続する月に算定できますか?#
月1回・年4回の上限の範囲内であれば、連続する月に算定することは可能です。ただし、各回の会議で個別支援計画の見直しにつながる実質的な協議が行われている必要があります。