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個別支援計画未作成減算の要件と減算率(70%・50%)|会議記録・モニタリング・通所支援計画未作成減算との違い

公開: 2026年7月1日更新: 2026年10月19日

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個別支援計画未作成減算とは#

個別支援計画未作成減算は、サービス管理責任者(サビ管)が個別支援計画を作成していない利用者がいる場合に適用される減算です1。

個別支援計画は、利用者一人ひとりの支援目標・支援内容を定めた障害福祉サービスの質の根幹を成すものです。計画の未作成や見直しの未実施は重大な運営上の不備とみなされ、報酬の大幅な減額につながります。本記事では、減算のルールから計画作成プロセス、モニタリングの管理方法まで詳しく解説します。


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減算の根拠と範囲|告示と留意事項通知が定める「未作成」#

個別支援計画未作成減算は、報酬告示の各サービス費の注(例:就労継続支援B型は第14の1の注、A型は第13の1の注4(2))に基づく減算で、留意事項通知が具体的取扱いを定めています23。

項目内容
対象サービス療養介護、生活介護、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型(B型は基準該当を含む)、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助2
「未作成」に当たる状態㈠ サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと/㈡ 指定基準に規定する個別支援計画の作成に係る一連の業務(アセスメント・原案作成・会議・説明と文書同意・交付・モニタリング)が適切に行われていないこと24
減算の期間いずれかに該当する月から、その状態が解消されるに至った月の前月まで、該当する利用者につき減算2
減算率減算が適用される月から3月未満の月は所定単位数の100分の70、連続して3月以上の月は100分の50(各種加算を含めた合計に乗じるのではなく、加算前の所定単位数に乗じる)2
指導都道府県知事は規定の遵守を指導し、従わない場合は特別な事情がある場合を除き指定の取消しを検討2

「サービス管理責任者未作成減算」「通所支援計画未作成減算」との関係#

  • 「サビ管未作成減算」という名称の減算はなく、正式名称は個別支援計画未作成減算です。サービス管理責任者の員数が基準に満たない場合は別の減算(人員欠如減算。サビ管は翌々月から70%、5月以上継続で50%)で、個別支援計画の作成が行われていなければ両方が問題になります25。
  • **「通所支援計画未作成減算」**は、児童発達支援・放課後等デイサービス等の障害児通所支援における同じ構造の減算です。児童発達支援管理責任者の指揮の下で通所支援計画等が作成されていないこと、または作成に係る一連の業務が適切に行われていないことが要件で、減算率も3月未満70%・3月以上50%と同じです6。

減算率#

期間算定方法
適用開始から2か月目まで所定単位数の**70%**で算定(30%減算)
3か月目以降所定単位数の**50%**で算定(50%減算)

この減算は、計画が未作成の利用者のみに適用されます。事業所全体の報酬が減額されるわけではありません1。

たとえば、定員20人の事業所で2人分の計画が未作成の場合、減算されるのはその2人分の報酬のみです。ただし、複数の利用者で未作成の状態が続くと、事業所全体の収入への影響は大きくなります。


「未作成」に該当するケース#

以下のいずれかに該当する場合は、個別支援計画が「未作成」として減算の対象となります1。

該当ケース具体的な状況
計画の不存在個別支援計画を一度も作成していない
計画の見直しの未実施基準が定める期間内(6か月に1回以上。自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3か月に1回以上)に計画の見直しを行っていない(「一連の業務」に当たるかは指定権者に確認)
アセスメント未実施計画作成の前提となるアセスメントを実施していない
説明・同意の欠如利用者・家族への説明を行い、書面で同意を得ていない(署名等がない)

特に注意が必要なのは、計画書が存在していてもモニタリングが期限内に実施されていない場合は「未作成」として扱われる点です。計画の作成だけでなく、定期的な見直しまでが一連のプロセスとして求められています。


個別支援計画の作成プロセス#

個別支援計画は、以下の6つのステップで作成・管理します。いずれのステップも省略すると「未作成」と判断されるリスクがあります1。

ステップ1: アセスメント#

利用者の心身の状況、生活歴、希望、課題等を把握します。利用開始時だけでなく、モニタリングの際にも改めてアセスメントを実施します。

  • 利用者本人や家族への聞き取り
  • 関係機関(相談支援事業所、医療機関等)からの情報収集
  • 日常生活や活動場面の観察

ステップ2: 原案作成#

アセスメントの結果をもとに、サビ管が個別支援計画の原案を作成します。

  • 支援目標(長期・短期)の設定
  • 具体的な支援内容・方法の記載
  • 支援の頻度・期間の設定

ステップ3: 支援会議(個別支援会議)#

指定基準は、サービス管理責任者が個別支援計画の作成に係る会議(利用者と、その利用者への支援に当たる担当者等を招集して行う会議。テレビ電話装置等の活用可)を開催し、利用者の生活に対する意向等を改めて確認するとともに、原案の内容について意見を求めることを定めています4。解釈通知は、この個別支援会議は原則として利用者が同席した上で行うものとし、病状等により同席が極めて困難な場合に限りテレビ電話等の同席以外の方法で意向を確認してよいとしています7。

  • 利用者本人と支援担当者を招集し、意向の再確認と原案への意見聴取を行う4
  • 会議の記録:指定基準が記録を明文で義務付けているのはモニタリングの結果(定期的に記録)ですが4、留意事項通知が「作成に係る一連の業務が適切に行われていない」ことを減算要件にしている以上、会議を開催した事実(日時・出席者・確認した意向・原案への意見)を記録しておかないと、運営指導で会議の実施を示せません2。

ステップ4: 説明・同意#

利用者本人(および必要に応じて家族)に対して計画の内容を説明し、書面で同意を得ます。

  • 支援目標や支援内容を分かりやすく説明する
  • 利用者の文書による同意を得る(基準が求めるのは文書による同意で、押印は要件ではありません)
  • 同意が得られない場合は、計画を修正して再度説明する

ステップ5: 交付#

同意を得た計画書を利用者に交付します。事業所側にも控えを保管します。

ステップ6: モニタリング#

計画に基づく支援の実施状況を確認し、必要に応じて計画の見直しを行います。指定基準は、計画の実施状況の把握(継続的なアセスメントを含む)を行うとともに、少なくとも6月に1回以上計画の見直しを行い、必要に応じて変更することと定めています。モニタリングに当たっては、利用者・家族等との連絡を継続的に行い、特段の事情のない限り定期的に利用者に面接し、定期的にモニタリングの結果を記録しなければなりません4。計画を変更する場合は、アセスメントから交付までの手順を改めて踏みます(第58条第11項の準用)4。


モニタリングの管理#

モニタリング周期#

モニタリングの実施頻度は、原則として以下のとおりです1。

区分周期
原則6か月に1回以上(第58条第9項)
自立訓練(機能訓練・生活訓練)・就労移行支援・自立生活援助3か月に1回以上(準用時に「六月」を「三月」と読み替え)4
サービス開始直後より短い間隔での実施が望ましい
状況変化があった場合随時実施

減算の要件は、通知上「サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと」または「個別支援計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと」です1。見直しの期限切れがこれに当たるかは通知に明記されていないため、期限内の実施を前提に管理し、扱いは指定権者に確認してください。

モニタリングで確認すべき事項#

  • 支援目標の達成状況
  • 支援内容の適切性
  • 利用者の心身の状況や生活環境の変化
  • 利用者・家族の新たな希望・ニーズ
  • 計画変更の必要性

モニタリングの結果、計画の変更が必要な場合は、ステップ2(原案作成)に戻り、改めて支援会議・説明・同意・交付のプロセスを経る必要があります。


実務上の注意点#

期限管理の仕組みづくり#

  • 一覧表の作成: 全利用者の計画作成日・次回モニタリング期限を一覧化し、毎月確認する
  • アラート設定: モニタリング期限の1か月前にリマインドする仕組みを導入する
  • 担当者の明確化: サビ管がモニタリングの実施責任を持ち、進捗を管理する

書類の整備#

  • 個別支援計画は、サービスを提供した日から5年間保存する(基準の保存義務)。アセスメントシート・会議の記録・同意の記録も、計画とあわせて保管しておく
  • 利用者の署名がある同意書は特に重要で、紛失しないよう適切に管理する
  • 実地指導では、計画書だけでなく作成プロセス全体の書類が確認される

サビ管不在時の対応#

  • サビ管が不在の場合でも、計画の作成義務は免除されない
  • サビ管の交代時は、前任者の担当利用者の計画状況を引き継ぐ
  • みなし配置のサビ管も計画作成の義務を負う

よくある質問#

Q. モニタリングが1日遅れた場合も減算になりますか?#

通知は、どれだけ遅れたら減算になるかを定めていません1。見直しの期間(原則6か月、自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3か月)を過ぎた状態は基準違反なので、運営指導で指摘や減算の対象となり得ます。期限内の実施を徹底し、遅れた場合の扱いは指定権者に確認してください。

Q. 計画の内容に不備がある場合も減算になりますか?#

内容の不備がどこから減算の対象になるかは、通知に明記されていません。通知は、一連の業務が適切に行われていない場合を減算の対象とし、都道府県知事に指導を求めています1。アセスメントに基づいた具体的な支援目標の設定や、利用者のニーズに沿った内容であることが求められます1。

Q. 利用者が説明への同意を拒否した場合はどうなりますか?#

利用者の同意が得られない場合は、計画の内容を見直したうえで再度説明を行います。それでも同意が得られない場合は、経緯を記録に残したうえで、相談支援専門員や家族と連携して対応することが重要です。文書による同意を得ていない状態は、基準が定める一連の業務が終わっていない状態です。扱いは指定権者に確認してください。

Q. 複数の利用者で計画が未作成の場合、減算は合算されますか?#

減算は利用者ごとに個別に適用されます。たとえば3人分の計画が未作成の場合、その3人分の報酬がそれぞれ減算されます。事業所全体の報酬が一律に減算されるわけではありませんが、未作成の利用者が増えるほど事業所の収入への影響は大きくなります1。

Q. 個別支援会議の記録は必須ですか?#

指定基準が記録を明文で求めているのはモニタリングの結果ですが、減算の要件が「作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと」である以上、会議の開催日・出席者・確認した意向・原案への意見を記録しておくことが、一連の業務を行った証明になります24。

Q. 「サービス管理責任者未作成減算」とは何ですか?#

個別支援計画未作成減算の俗称です。サビ管の配置人数が足りない場合の人員欠如減算(翌々月から70%、5月以上で50%)とは別の減算です25。

Q. 計画のモニタリング周期はサービスによって異なりますか?#

異なります。原則は6か月に1回以上ですが、自立訓練(機能訓練・生活訓練)・就労移行支援・自立生活援助は3か月に1回以上です4。サービス開始直後や利用者の状態に大きな変化があった場合は、随時モニタリングを実施してください1。


Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二 1(10)個別支援計画未作成減算(p.26〜27) https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11

  2. 同上 第二 1(10)①対象サービス、②算定される単位数(3月未満 100分の70・連続3月以上 100分の50・加算前の単位数)、③趣旨、④具体的取扱い(㈠サービス管理責任者による指揮の下で未作成、㈡作成に係る一連の業務が適切に行われていない。該当月から解消月の前月まで)、⑤指導と指定取消しの検討 https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10

  3. 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表介護給付費等単位数表 第13の1 注4(2)(就労継続支援A型計画等が作成されていない場合:3月未満 100分の70、3月以上 100分の50)ほか各サービス費の注 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1 ↩

  4. 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第58条(個別支援計画の作成等:アセスメント・面接・原案・会議〔担当者等を招集、テレビ電話装置等可〕・文書による同意・交付・モニタリング〔少なくとも6月に1回以上の見直し、定期的な面接と結果の記録〕・変更時の準用)。就労移行支援は第184条、A型は第197条、B型は第202条で準用。自立訓練(機能訓練)第162条・自立訓練(生活訓練)第171条・就労移行支援第184条・自立生活援助第206条の20は、第58条第9項の「六月」を「三月」と読み替え https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9

  5. 「厚生労働大臣が定める利用者の数の基準、従業者の員数の基準及び営業時間の時間数並びに所定単位数に乗じる割合」(平成18年厚生労働省告示第550号)(サービス管理責任者の員数不足は100分の70、5月以上継続で100分の50)・前掲留意事項 第二 1(4)人員欠如減算の具体的取扱い https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8503&dataType=0&pageNo=1 ↩ ↩2

  6. こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年4月版)p.13(通所支援計画等未作成減算:3月未満 100分の70・連続3月以上 100分の50、児童発達支援管理責任者による指揮の下で未作成/一連の業務が適切に行われていない) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf ↩

  7. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(解釈通知・障発第1206001号)第四 3(7)② サービス管理責任者の役割 ア 個別支援会議の開催(原則として利用者が同席。やむを得ない場合はテレビ電話装置等)p.92〜93 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001472116.pdf ↩

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