行動援護

行動援護の基本報酬(288〜2,485単位・1日1回)と対象者・行動関連項目10点|区分3以上+行動関連項目12項目の点数、早朝夜間深夜の加算なし、8時間以上は7時間30分の区分、支援計画シート等未作成で95%、従業者は行動援護研修または実践研修+直接支援1年、特定事業所加算の関係機関連携、行動障害支援指導連携加算273

公開: 2026年10月7日更新: 2026年10月7日

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行動援護の基本報酬は、30分未満288単位から7時間30分以上2,485単位まで30分刻みの16区分で、1日1回のみ算定します1。対象者は障害支援区分3以上で、かつ行動関連項目合計点数が10点以上(障害児は相当する支援の度合)の、知的障害・精神障害により行動上著しい困難を有する人です12。

請求で間違いやすいのは、早朝・夜間・深夜の加算がないこと、8時間以上行っても7時間30分以上の区分であること、支援計画シート等を作成していないと95%になること、従業者は行動援護従業者養成研修または強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の修了者で直接支援1年以上が必要なことです13。本記事では、告示・告示543号・留意事項通知・Q&Aに沿って、対象者、行動関連項目、単位数、従業者要件、支援計画シート等、加算・減算を整理します。

全体像(単位数・1日1回)#

所要時間単位数所要時間単位数
30分未満2884時間以上4時間30分未満1,479
30分以上1時間未満4374時間30分以上5時間未満1,623
1時間以上1時間30分未満6195時間以上5時間30分未満1,764
1時間30分以上2時間未満7625時間30分以上6時間未満1,904
2時間以上2時間30分未満9056時間以上6時間30分未満2,046
2時間30分以上3時間未満1,0476時間30分以上7時間未満2,192
3時間以上3時間30分未満1,1917時間以上7時間30分未満2,340
3時間30分以上4時間未満1,3347時間30分以上2,485

1

所要時間は現に要した時間ではなく、行動援護計画および支援計画シート等(行動援護計画等)に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間で算定します1。行動援護は1日1回しか算定できません。サービスは一般に半日の範囲内と想定されており、8時間以上実施される場合も「7時間30分以上」の区分を適用します14。行動援護は主として日中に行われるサービスであるため、早朝・夜間・深夜の加算は算定されません4。

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対象者と行動関連項目#

要件#

要件内容
障害支援区分区分3以上(障害児は相当する支援の度合)
行動関連項目告示543号第4号の基準=行動関連項目合計点数が10点以上

12

行動関連項目(12項目・各0〜2点)#

障害支援区分認定調査の結果に基づき、次の認定調査項目について、見られる頻度等を0点・1点・2点に当てはめて合計します2。

行動関連項目
コミュニケーション
説明の理解
大声・奇声を出す
異食行動
多動・行動停止
不安定な行動
自らを傷つける行為
他人を傷つける行為
不適切な行為
突発的な行動
過食・反すう等
てんかん発作

合計が10点以上で対象になります。同じ10点以上の基準は重度訪問介護の対象者(区分4以上)や重度障害者支援加算にも使われ、行動援護は区分3以上で足ります12。

サービス内容#

行動援護は、知的障害または精神障害により行動上著しい困難がある人に、居宅内や外出時に次の支援を行います。事前に行動特徴・日常的な生活パターン・感覚の過敏性等を情報収集し、コミュニケーションツールを用意するなど準備し、支援計画シート等を作成して記録用紙に記録します4。

  • 予防的対応:行動の順番や外出の目的地・道順・目的地での行動を言葉以外の手段も用いて説明し落ち着いた行動がとれるようにする、行動障害の引き金になる刺激を視界に入れないよう環境調整する
  • 制御的対応:行動障害を起こした時に本人や周囲の安全を確保しつつ適切におさめる、飛び出しや自傷を適切におさめる、突然動かなくなったり強いこだわりを示す際の対応
  • 身体介護的対応:便意の認識ができない人の介助や排便後の後始末、食事介助、入浴・衣服の着脱介助

4

従業者の資格要件#

行動援護従業者養成研修課程修了者または強度行動障害支援者養成研修(実践研修)修了者で、知的障害者・知的障害児・精神障害者の直接支援業務に1年以上従事した経験を有する者が行動援護を行う場合に所定単位数を算定します。令和3年3月31日時点で初任者研修課程修了者等であって直接支援業務に2年以上の従事経験がある者は、令和9年3月31日までの間は基準に適合するものとみなされます3。

行動援護従業者養成研修と強度行動障害支援者養成研修(実践研修)はいずれも告示538号別表第8に定める内容以上の研修で、いずれかを修了していれば業務と加算要件を満たします5。

支援計画シート等未作成減算(95%)#

行動援護計画等のうち支援計画シート等が作成されていない場合は、所定単位数の100分の95を算定します。95%を掛けるのは各種加算がなされる前の単位数です16。

具体的には、サービス提供責任者等の指揮の下で支援計画シート等が作成されていない、または作成に係る一連の業務が適切に行われていないのいずれかに該当する月から、解消された月の前月まで、該当する利用者について減算します。支援計画シート等は、行動障害を有する人への支援について関係者間で情報を共有し一貫性のある支援を行うための文書です6。

2人の従業者による行動援護#

告示546号の要件を満たし同時に2人の従業者が1人の利用者に行動援護を行った場合は、それぞれの従業者について所定単位数を算定します。該当例は居宅介護と同じで、体重が重い利用者への重介護、エレベーターのない建物からの外出など。単に安全確保のために深夜に2人で提供した場合は、利用者側の希望で同意を得た場合を除き適用しません17。

加算・減算#

加算・減算単位数要件
特定事業所加算(Ⅰ)20%/(Ⅱ)10%/(Ⅲ)10%/(Ⅳ)5%告示543号第13号。体制要件に行動援護計画等の作成・交付の際に医療機関・教育機関等の関係機関と連絡調整し情報提供を受けることが加わる。重度者対応要件は区分5以上・喀痰吸引等・行動関連項目18点以上の者が30%以上((Ⅳ)は区分4以上等50%以上)。サービス提供責任者のうち1人以上が定める者であることでも可
特別地域加算15%告示で定める地域に居住する利用者
緊急時対応加算100単位・回(月2回、拠点等は+50)行動援護計画等の変更による計画外の緊急訪問
初回加算200単位・月新規に行動援護計画等を作成した利用者にサービス提供責任者が初回に提供・同行
利用者負担上限額管理加算150単位・月利用者負担額合計額の管理
喀痰吸引等支援体制加算100単位・日認定特定行為業務従事者による喀痰吸引等(特定事業所加算(Ⅰ)算定時は不可)
行動障害支援指導連携加算273単位(移行月に1回)支援計画シート等の作成者が重度訪問介護事業所のサービス提供責任者に同行して居宅を訪問し、共同で評価し、重度訪問介護計画作成の指導・助言を行った場合。作成者とサービス提供責任者が同一人なら不可
福祉・介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)イ41.1%〜(Ⅳ)27.7%基本報酬と各加算の合計に乗じる
情報公表未報告減算5%減算報告を行っていない場合
業務継続計画未策定・身体拘束廃止未実施・虐待防止措置未実施各1%減算準用する基準を満たしていない場合

18910

特定事業所加算の関係機関連携では、医療機関からは服薬の状況や医療面で必要な配慮、教育機関からは障害特性に合わせた支援の方法や対応の情報提供を受け、必要に応じて行動援護計画等に反映させます。直接の聞き取りが難しい場合は家族や相談支援専門員を通じて情報を受け、相手・日時・要旨・反映内容を記録します。令和6年3月31日時点で第13号の適用を受けている事業所は令和9年3月31日までの間、従前の例によることができます89。

利用者が行動援護以外の障害福祉サービス等を受けている間は算定しません1。居宅介護の規定のうち、計画に基づく算定、従業者種別の記載、支給量の単位、交代した場合の合計時間、30分未満は20分程度以上、準備時間を含まないという取扱い(ただし書を除く)は行動援護にも準用されます10。

計算例#

その他地域(1単位10.00円)で、行動援護従業者養成研修修了者(直接支援1年以上)が、区分4・行動関連項目12点の利用者に外出支援を3時間(計画上の標準時間)行い、支援計画シート等を作成している場合111。

項目単位数
行動援護 3時間以上3時間30分未満1,191単位(11,910円)

同じ日に2回目の行動援護を行っても算定できません(1日1回)。支援計画シート等が未作成なら1,191×95%=1,131.45→1,131単位です16。1級地(行動援護の単価11.20円)なら1,191単位は13,339円です11。

よくある質問#

Q. 区分2で行動関連項目が12点の人は対象ですか#

対象外です。区分3以上と行動関連項目10点以上の両方が必要です12。

Q. 夜間に外出支援をしました。夜間加算は取れますか#

取れません。行動援護は主として日中に行われるサービスとして単価が設定されており、早朝・夜間・深夜の加算はありません4。

Q. 午前2時間・午後3時間に分けて支援しました#

行動援護は1日1回のみの算定です。計画上の標準的な時間に基づく1回分で算定します14。

Q. 初任者研修修了者でも行動援護を提供できますか#

原則は行動援護従業者養成研修または強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の修了者で直接支援1年以上です。令和3年3月31日時点で初任者研修修了者等かつ直接支援2年以上の経験がある者は、令和9年3月31日まで適合するものとみなされます3。

Q. 支援計画シート等とは何ですか#

行動援護計画とともに作成する「支援計画シート」と「支援手順書 兼 記録用紙」で、関係者間で情報を共有し一貫性のある支援を行うための文書です。作成されていないと所定単位数の95%になります16。

Q. 重度訪問介護に移行する利用者の引継ぎは評価されますか#

支援計画シート等の作成者が重度訪問介護事業所のサービス提供責任者に同行して居宅を訪問し、共同で評価して計画作成の指導・助言を行った場合に、移行月に1回273単位の行動障害支援指導連携加算を算定できます。作成者とサービス提供責任者が同一人の場合は算定できません110。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第4の1 行動援護サービス費(注1〜14)、第4の2〜51
  • 告示543号 第4号(行動関連項目合計点数)、第12号(第4号を準用)、第13号(特定事業所加算)2
  • 留意事項通知 第二の2(4)行動援護サービス費 ①〜⑭(p.97〜103)3467810
  • 令和6年度報酬改定Q&A VOL.2 問7・問2059、単価告示11

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第4 行動援護 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19

  2. 厚生労働省「こども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める基準並びに厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省告示第543号)第4号・第12号・第13号 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8497&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の2(4)行動援護サービス費 ④所定単位数等の取扱い(p.99) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  4. 同通知 ①対象者、②サービス内容、③(8時間以上・早朝夜間深夜の加算なし)(p.97〜99) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  5. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A VOL.2」問7(行動援護従業者養成研修と強度行動障害支援者養成研修(実践研修)はいずれも告示538号別表第8以上の研修) (https://www.mhlw.go.jp/content/001250243.pdf) ↩ ↩2

  6. 同通知 ⑤支援計画シート等未作成減算(p.99〜100) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  7. 同通知 ⑥2人の行動援護従業者による行動援護(2の(1)の⑫の㈠を準用 p.100) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2

  8. 同通知 ⑦特定事業所加算の取扱い(医療・教育等の関係機関との連携、重度障害者対応要件、令和9年3月31日までの経過措置 p.100〜101) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3

  9. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A VOL.2」問20(行動援護の特定事業所加算の関係機関からの情報提供) (https://www.mhlw.go.jp/content/001250243.pdf) ↩ ↩2 ↩3

  10. 同通知 ⑫その他(1日1回、居宅介護の規定の準用)、⑬行動障害支援指導連携加算(p.102) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  11. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3

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