自立訓練

自立生活援助の報酬と支援回数のルール|サービス費(Ⅰ)1,566/(Ⅱ)1,172/(Ⅲ)700単位・月2回以上の訪問・支援員1人当たり30人の数え方・集中支援加算(月6回)・緊急時支援加算(令和8年6月版)

公開: 2026年10月7日更新: 2026年10月7日

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自立生活援助は、施設やグループホーム、病院などから一人暮らしに移った障害者や、同居家族の支援が見込めない障害者に対し、地域生活支援員が定期的に居宅を訪問し、随時の通報にも対応して地域生活を支えるサービスです1。報酬は月額で、施設等を退所して1年以内の人を支援する(Ⅰ)が1,566単位(地域生活支援員1人当たり利用者30人未満)/1,095単位(30人以上)、それ以外の対象者の(Ⅱ)が1,172/821単位、令和6年度に新設された訪問とテレビ電話等を組み合わせる(Ⅲ)が700単位です23。

請求の実務で押さえるべき「回数ルール」は3つあります。基本報酬は月2回以上の訪問が条件(基準上はおおむね週1回以上)、(Ⅲ)は訪問と テレビ電話等をそれぞれ月1日以上、月6回以上の訪問で集中支援加算500単位です24。本記事では、対象者・単位数・支援員1人当たりの利用者数の数え方・回数ルール・加算・減算を告示と留意事項通知に沿って整理します。

自立生活援助とは(制度の位置づけ)#

指定基準は、自立生活援助を「利用者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、定期的な巡回又は随時の通報を受けて行う訪問、当該利用者からの相談対応等により、当該利用者の状況を把握し、必要な情報の提供及び助言その他の必要な支援が、保健、医療、福祉、就労支援、教育等の関係機関との密接な連携の下で」行われるものと定めています1。

項目内容
対象者(法・施行規則)居宅における自立した日常生活を営むために援助を要する障害者で、単身であるため、または同居家族の障害・疾病等や本人の生活環境の大きな変化その他の事情により家族等による支援が見込めない状況にある者5
標準利用期間1年間(施行規則第6条の10の6)5。支給決定の有効期間と更新は標準利用期間の解説を参照
人員地域生活支援員1人以上(利用者25人またはその端数ごとに1人が標準)、サービス管理責任者(常勤なら利用者60人以下で1人以上、常勤でない場合は30人以下で1人以上)1
定期的な訪問定期的に居宅を訪問し、またはテレビ電話装置等を活用して、心身の状況・環境・日常生活全般の状況を把握し、情報提供・助言・相談、サービス事業者や医療機関等との連絡調整等を行う1
随時の通報通報があれば速やかに居宅訪問等で状況把握し、関係機関との連絡調整等を講じる。常時の連絡体制を確保する1

令和6年度改定では、対象者が「同居家族に疾病・障害等がない場合でも生活環境が大きく変わるタイミングなど手厚い支援が必要な場合」に明確化され、サービス管理責任者を常勤専従で配置する場合の配置基準が60:1に、併設する相談支援事業所の相談支援専門員をサービス管理責任者とみなせる仕組みと、実施主体の要件廃止が行われました31。

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基本報酬(1月につき)#

区分対象者支援員1人当たり利用者30人未満30人以上
自立生活援助サービス費(Ⅰ)施設退所者等で退所等から1年以内の者、または同居家族の死亡等により単身生活を開始して1年以内の者1,566単位1,095単位
(Ⅱ)(Ⅰ)以外の対象者1,172単位821単位
(Ⅲ)上記の対象者または市町村が認める者に、居宅訪問とテレビ電話装置等をそれぞれ月1日以上700単位(支援員1人当たりの区分なし)同左

(Ⅰ)の対象者(施設退所者等)#

告示は、障害者支援施設・のぞみの園・宿泊型自立訓練・グループホーム・福祉ホーム等に入所等していた障害者で退所等から1年以内の者、または同居家族の死亡もしくはこれに準ずると市町村が認める事情により単身生活を開始して1年以内の者としています2。留意事項通知は「施設退所者」を広く示しており、障害者支援施設、のぞみの園、宿泊型自立訓練、児童福祉施設、療養介護を行う病院、グループホーム・福祉ホーム、精神科病院、救護施設・更生施設、刑事施設・少年院・更生保護施設、保護観察所の宿泊施設等が含まれ、「1年以内」は退所等した日から1年を経過した日の属する月までです4。

(Ⅱ)の対象者#

施設退所者で退所等から1年を超える者、または現に単身である者や同居家族が障害・疾病を有する等で支援が見込めない状況にある者であって、人間関係・生活環境・心身の状態変化により自立した地域生活の継続が困難と認められる者です4。

「月2回以上の訪問」の条件#

(Ⅰ)(Ⅱ)は、地域生活支援員が1月に2回以上利用者の居宅を訪問して自立生活援助を行った場合に算定します2。指定基準上の定期訪問はおおむね週1回以上ですが、月途中の利用開始や終了に向けた頻度調整を考慮し、定期的な訪問を1月に2日以上行った場合に算定できるとされています4。

支援員1人当たりの利用者数の数え方#

「利用者数を地域生活支援員の人数で除した数」は事業所が届け出た数で、サービス管理責任者を兼務する地域生活支援員は0.5人として数えます24。留意事項通知の例:利用者30人の事業所で、サービス管理責任者を兼務する支援員1人と専従の支援員1人なら、30÷(0.5+1)=20で30人未満となり、(Ⅰ)の1,566単位を算定します4。

(Ⅲ)訪問+テレビ電話#

(Ⅲ)は、地域生活支援員が月2回以上の支援を行い、そのうち居宅への訪問による支援とテレビ電話装置等の活用による支援をそれぞれ1月に1日以上行った場合に算定します((Ⅰ)(Ⅱ)を算定する場合は不可)2。居宅への訪問が月1日以上行われなかった場合は、テレビ電話等の回数にかかわらず算定できません4。令和6年度改定で「効果的な支援の提供が可能と認められる場合に、月1回の訪問に加えてテレビ電話等を活用した支援を可能にする」趣旨で新設されました3。

減算#

減算内容
人員欠如従業者数が告示第550号の基準に該当する場合、定める割合2
計画未作成自立生活援助計画が作成されていない:3月未満70%、3月以上50%2
標準利用期間超過利用1年以上の利用者の平均利用期間が1年+6月を超えている:95%2
情報公表未報告5%2
業務継続計画未策定1%2
虐待防止措置未実施1%2

加算#

加算単位数要件
特別地域加算230単位・月厚生労働大臣が定める地域(離島・中山間地域等)に居住する利用者。実施地域外でも交通費は受け取れない24
地域生活支援拠点等機能強化加算500単位拠点等に位置付けられ、相談支援等と一体運営または相互連携し、常勤の拠点コーディネーターを配置する事業所(告示第551号)。拠点コーディネーター1人につき連携事業所全体で月100回が上限264
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)450/300/180単位・月常勤の地域生活支援員に占める社会福祉士等の割合35%/25%、常勤75%または3年以上30%2
ピアサポート体制加算100単位・月障害者ピアサポート研修(基礎・専門)修了者である障害者等(サービス管理責任者または地域生活支援員)と、管理者・サビ管・支援員をそれぞれ常勤換算0.5以上配置し、年1回以上の研修24
初回加算500単位利用を開始した月2
集中支援加算500単位・月(Ⅰ)算定事業所の支援員が1月に6回以上居宅を訪問2
同行支援加算500/750/1,000単位・月外出を伴う支援に同行し情報提供・助言(月1〜2回/3回/4回以上)2
緊急時支援加算(Ⅰ)711単位・日(拠点等+50)障害特性に起因する緊急事態等に、本人・家族の要請で深夜に速やかに訪問または一時的な滞在2
緊急時支援加算(Ⅱ)94単位・日深夜の電話による相談援助((Ⅰ)算定日は不可)2
利用者負担上限額管理加算150単位・月2
日常生活支援情報提供加算100単位・月1回精神科病院等に通院する利用者について、同意を得て病院職員に心身の状況等の情報を提供2
居住支援連携体制加算35単位・月居住支援法人・居住支援協議会に月1回以上情報共有2
地域居住支援体制強化推進加算500単位・利用者1人月1回居住支援法人と共同して説明・指導し、協議会等に報告2

処遇改善加算は(Ⅰ)イ11.5%〜(Ⅳ)8.1%です2。

計算例#

その他地域(1単位10.00円)で、障害者支援施設を退所して3か月の利用者に、支援員1人当たり20人の事業所が月6回訪問した場合27。

項目単位数
自立生活援助サービス費(Ⅰ)30人未満1,566単位
集中支援加算(月6回以上の訪問)500単位
合計2,066単位=20,660円/月

同じ利用者の利用開始月なら初回加算500単位が加わります。1級地(自立生活援助の単価11.20円)なら1,566単位は17,539円です7。

よくある質問#

Q. 月1回しか訪問できなかった月は請求できますか#

(Ⅰ)(Ⅱ)は月2回以上の訪問が算定条件です24。訪問1回とテレビ電話等1回以上なら(Ⅲ)700単位の対象になり得ます2。

Q. テレビ電話だけで月2回支援した場合は#

算定できません。(Ⅲ)は居宅への訪問が月1日以上無ければ、テレビ電話等の回数にかかわらず算定しません4。

Q. サービス管理責任者が地域生活支援員を兼務しています。支援員の人数はどう数えますか#

兼務するサービス管理責任者は0.5人と数えます24。利用者30人で兼務1人+専従1人なら30÷1.5=20で「30人未満」の単位数です4。

Q. 退所から1年を過ぎたら利用できなくなりますか#

(Ⅰ)の対象ではなくなりますが、単身等で支援が見込めず地域生活の継続が困難と認められる場合は(Ⅱ)の対象です4。標準利用期間は1年で、更新の扱いは市町村の支給決定によります5。

Q. 集中支援加算は(Ⅱ)の利用者にも算定できますか#

できません。(Ⅰ)を算定している事業所の支援員が月6回以上訪問した場合の加算です2。

Q. 緊急時に電話で対応した場合は#

深夜の電話による相談援助は緊急時支援加算(Ⅱ)94単位、深夜に訪問または一時的な滞在をした場合は(Ⅰ)711単位です2。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第14の3 自立生活援助サービス費(注1〜13)、2〜10(各加算)2
  • 留意事項通知 第二の3(7)自立生活援助サービス費 ①〜⑤(p.316〜321)4
  • 厚生労働大臣が定める施設基準(平成18年厚生労働省告示第551号)第十五号(地域生活支援拠点等機能強化加算・緊急時支援加算の拠点等)6
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容 p.273
  • 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第206条の13・206条の14・206条の18・206条の191
  • 施行規則第6条の10の5(対象者)・第6条の10の6(標準利用期間1年)5
  • 単価告示(平成18年厚生労働省告示第539号)7

Footnotes#

  1. 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第206条の13(基本方針)、第206条の14(従業者の員数)、第206条の18(定期的な訪問等による支援)、第206条の19(随時の通報による支援等) (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  2. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第14の3 自立生活援助 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8477&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24 ↩25 ↩26 ↩27 ↩28 ↩29 ↩30 ↩31 ↩32 ↩33

  3. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」p.27(自立生活援助:対象者の明確化、基本報酬(Ⅰ)1,566/1,095・(Ⅱ)1,172/821、(Ⅲ)700の新設、集中支援加算500の新設、サビ管60:1、実施主体要件の廃止) (https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  4. 厚生労働省「令和6年度 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」第二の3(7)自立生活援助サービス費(p.316〜321) (https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16

  5. 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則」(平成18年厚生労働省令第19号)第6条の10の5、第6条の10の6 (https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100019) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  6. 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準並びにこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める施設基準」(平成18年厚生労働省告示第551号)第十五号 (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8504&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2

  7. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準第一条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年厚生労働省告示第539号) (https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1) ↩ ↩2 ↩3

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