生活介護の食事提供体制加算(30単位)|施設外調理の可否と献立確認・摂食量・BMIの3要件

公開: 2026年8月5日更新: 2026年8月5日

食事提供体制加算(30単位/日)は、単に食事を出せば算定できる加算ではありません1原則として当該施設内の調理室を使用して調理したものが対象で、出前や市販の弁当を購入して提供する方法は加算の対象になりません2。さらに令和6年度改定で、管理栄養士等による献立の確認・摂食量の記録・BMI(体重)の記録という3つの要件が課されました2。この記事では、調理方法として認められる範囲と3要件の実務上の運用を留意事項通知で整理します。

単位数と算定できない日#

項目内容
単位数30単位/日1
算定できない日利用者が施設入所支援を利用している日(補足給付が支給されているため)2

調理場所|どこまで認められるか#

原則は「当該施設内の調理室を使用して調理し、提供されたもの」です2。ただし例外と、明確な対象外があります。

方法可否
施設内の調理室で調理(原則)2
食事の提供に関する業務を第三者に委託(当該施設の最終的責任の下で行う場合)2
施設外で調理して搬入(後述の限定された調理法で、運搬手段等について衛生上適切な措置がなされている場合)2
出前の方法×2
市販の弁当を購入して提供×2

施設外調理が認められる4つの方法#

施設外で調理されたものを提供する場合に認められるのは、次に限られます2

  • クックチル
  • クックフリーズ
  • 真空調理(真空パック)
    • 上記3つは「調理を行う過程において急速に冷却若しくは冷凍したものを再度加熱して提供するもの」に限る
  • クックサーブ

いずれの場合も、運搬手段等について衛生上適切な措置がなされていることが条件です2

通知は「例えば出前の方法や市販の弁当を購入して、利用者に提供するような方法は加算の対象とはならない」と明示しています2。外部調達=一律に不可ではなく、調理方式と衛生管理で線が引かれている点が要点です。

要件① 管理栄養士等による献立の作成・確認#

常勤・専従である必要はない#

通知は明確です2

管理栄養士又は栄養士(以下「管理栄養士等」という。)については、常勤・専従である必要はない

直接雇用でなくてもよい#

事業所が管理栄養士等を直接雇用していることが望ましいとされますが、困難な場合の代替が具体的に示されています2

配置の形可否
事業所が直接雇用○(望ましい)2
法人内の管理栄養士等が献立の作成や確認を行う2
法人外部の管理栄養士等(公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置・運営する栄養ケア・ステーション保健所等)が行う2
外部に調理業務を委託している場合に、その委託先において管理栄養士等が献立作成や確認に関わっている2

確認は「年に1回以上」#

献立の確認については、献立の作成時から関わることが望ましいとされますが、作成された献立表等により献立の内容を管理栄養士等が確認した場合についても要件を満たすとされています2

確認の頻度は 年に1回以上行うこと、と定められています2

なお、管理栄養士等を配置しない場合に関する令和6年9月30日までの経過措置(管理栄養士等が献立の内容を確認していない場合でも加算を算定して差し支えないとする取扱い)は、すでに期間が終了しています2

要件② 摂食量の記録#

目視や自己申告でもよい#

摂食量の記録にあたっては、目視や自己申告等による方法も可能とされています2

通知は「今後の食事の提供や、支援の方向性に関連するものであるため、できるだけ正確な記録が良いと考えられるが、負担とのバランスを考慮する必要がある」としており、計量を求めるものではありません2

書き方の例#

記載方法の例も示されています2

「完食」、「全体の1/2」、「全体の○割」などといったように記載すること。

提供した日は必ず記録する#

ここは例外がありません。摂食量の記録は、提供した日については必ず記録することとされています2

要件③ BMI(体重)の記録#

身長が分かっていればBMIを記録#

おおむねの身長が分かっている場合には、必ずBMIの記録を行うこととされています2

身長が測れない場合は体重のみでよい#

身体障害者等で身長の測定が困難であり、これまで身長を計測したことがない者、または身長が不明な者については、体重のみの記録で要件を満たすものとされています2

本人が体重を知られたくない場合#

例外的な取扱いが認められています2

利用者自身の意向により、体重を知られたくない場合については、例外的に(3)を把握せずとも要件を満たすこととして差し支えない。その場合、個別支援記録等において意向の確認を行った旨を記録しなければならない

把握しないこと自体は認められますが、意向確認を行った旨の記録は必須です。記録がなければ「単に把握していない」と区別できません。

また通知は「体重などは個人情報であることから、個人情報の管理は徹底すること」としています2

実務チェックリスト#

  • 提供している食事が施設内調理、または認められた4方式(クックチル/クックフリーズ/真空調理/クックサーブ)による施設外調理
  • 出前・市販弁当の購入による提供になっていないか
  • 施設入所支援を利用している日について、加算を算定していない
  • 管理栄養士等による献立の確認を年1回以上行い、記録が残っているか(直接雇用でなくても可)
  • 摂食量を提供した日は必ず記録しているか(「完食」「全体の1/2」等でよい)
  • 身長が分かる利用者についてBMIを記録しているか
  • 体重を知られたくない意向がある利用者について、意向確認を行った旨を個別支援記録等に記録しているか

よくある質問#

Q. 仕出し弁当を利用している場合、食事提供体制加算は算定できますか?#

市販の弁当を購入して利用者に提供する方法は加算の対象になりません2。一方、食事の提供に関する業務を当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することは差し支えなく、また施設外調理でもクックチル・クックフリーズ・真空調理(急速冷却/冷凍したものを再加熱)・クックサーブであって運搬手段等について衛生上適切な措置がなされていれば認められます2

Q. 管理栄養士を雇う必要がありますか?#

必要ありません。常勤・専従である必要はなく、直接雇用が困難な場合は法人内や法人外部(日本栄養士会・都道府県栄養士会が設置運営する栄養ケア・ステーション、保健所等)の管理栄養士等が献立の作成や確認を行っていれば要件を満たします2。外部に調理業務を委託している場合は、委託先で管理栄養士等が関わっていれば足ります2

Q. 摂食量は毎回計量する必要がありますか?#

必要ありません。目視や自己申告等による方法も可能で、「完食」「全体の1/2」「全体の○割」といった記載でよいとされています2。ただし提供した日については必ず記録します2

Q. 体重を測らせてくれない利用者がいます。#

利用者自身の意向により体重を知られたくない場合は、例外的に把握せずとも要件を満たします2。ただし個別支援記録等において意向の確認を行った旨を記録しなければなりません2

Q. 施設入所支援を利用している日も算定できますか?#

できません。補足給付が支給されているため、施設入所支援を利用している日についてはこの加算を算定できません2

制度上の根拠#

  • 留意事項通知「食事提供体制加算の取扱いについて」(調理場所・委託・施設外調理の可否・施設入所支援利用日の除外・管理栄養士等の配置・献立確認の頻度・摂食量の記録・BMIの記録と意向確認)2
  • 報酬算定構造「食事提供体制加算」(30単位/日)1

Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和8年6月施行 障害福祉サービス費等の報酬算定構造」p.439 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001696433.pdf 2 3

  2. 厚生労働省「令和6年度 費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」p.136〜139 https://www.mhlw.go.jp/content/001494356.pdf 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39

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